もう年はとれない バック・シャッツ・シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

制作 : 野口 百合子 
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (255ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 評判穂痔ではないなあ。87歳ーまだきょうかんをしたくないです。

  • うーん。
    評判がすこぶるよくて、賞もいろいろとっているので、読まなくては、と思っていたんだけど……。それほどいいですかね??
    確かに、87歳で普通の老人と同じく体は相当弱っていて認知症も疑われているっていうような主人公で、またその老人が口悪く意地も悪く、っていう設定はおもしろいけれども。
    なんかミステリ部分はいまいちな気がしたし、カーチェイスとか、殺人の残酷さとか、暴力とかがなんだかしっくりこないし。ニューヨークに住む大学生で弁護士志望って孫、に期待したけれども、なんかやっぱりしっくりこない。なんだかすごく子どもっぽくて賢いんかなんだかよくわからなくて、かっこよくないというか。
    1作目だから、まだ荒い、ってことなんだろうか。2、3作目とよくなっていくんだろうか。。。。

    あと、老いた妻とともに施設に入らなきゃならない、っていうような話がやっぱり気が滅入ったな。。。

  • 面白かった。
    元気なじーさんだな〜

  •  87歳の元刑事のユダヤ系アメリカ人バック・シャッツ。臨終間際の戦友から、彼らを迫害したナチス将校が、金の延べ棒を持って偽名で生き伸びていると聞かされる。ひょんなことから無関係ではいられなくなったバックは、孫のテキーラと調査を始めるが……
     老年の描き方が見事。医師から認知症の疑いがあると言われ、記憶を辿るためのメモを書き付け、妄想は認知症の一症状と嘯きながら推理してゆくバック。これでもかと老いの現実を突き付けながら、それでも爽快な読み応えになるのは、バックのキャラクター。恐らく脳梗塞か心血管疾患の既往があるのだろう、抗凝固剤を飲みながら、杖や介護施設より煙草とマグナムを選ぶ孤高の男。手に負えない頑固ジジイなのは間違えないが、皮肉とユーモアを持ち、ドライなようでいて妻と孫を心から大事にしているのがうかがえる。
     アマゾンのレビューに「筋が荒い」という指摘があったが、少し猟奇的になりすぎるきらいはあり、ミステリとしての筋も緻密ではないかもしれない。テキーラの父たちがどうして亡くなったかなど、わからない部分もある。しかしバックの老人としての描き方が非常に緻密でリアルなので、そちらに引き込まれ、私は純粋にストーリーを楽しめた。
     妻のローズ、孫のテキーラも魅力的だ。ローズは聡明な女性なのだろう、頑固な偏屈親父であるバックをうまく転がし、愛情深くサポートする。テキーラはロースクールに通うエリートで頼りになるはずが、感受性豊かな彼はバックの前ではお子様然に見えてしまう。でもその純粋さが物語の救いになってもいる。バックが、テキーラをわざと「バカルディ」などと別なアルコールの名前で呼ぶのもイカしてる。
     最後、病室で動けなくないバックと対峙する真犯人、絶体絶命、どう考えても切り抜けられない、と思わせて衝撃の結末。唐突かもしれないが、結局バックのくそったれジジイぶりが一貫していたということで、私は拍手を送りたい気持ちになった。
     多くの人間の屍を乗り越え、自分も死を常に意識せざるを得ないバック。上っ面でない老人の描き方が本作の底力であるように思う。
     先日、安全保障関連法の採決にあたり、議場で喪服を着て焼香するしぐさをした若い政治家がいた。法案に関してはともかく、彼のしたことはまさに死を自分のものとしてとらえていない、上っ面のパフォーマンスに見えた。「品位に欠ける」と厳重注意した側は老年寄りなわけで、非常にリアルに響いた。
     老いや死をどのようにとらえるかによって、この本の好き嫌いは違ってくるかもしれない。私自身はとても楽しめたし、ぐっときた。映画化するとしたら、バックはやっぱりイーストウッドかなあ。銃を持つべきという彼の思想には賛成しないけれど。

  • 87歳の元殺人課刑事バック・シャッツが主人公という異色ハードボイルド。元気が良くて口汚ない老人キャラは好きなので(そう、ブコウフスキーとか)、バックのシニカルな軽口は楽しめた。

    しかし、同じことを孫のテキーラにやられると鼻につく。銀行のシーンもリアリティがないし、この物語を一人でぶち壊している印象。また、謎解き要素も(バックの小粋なトークの前にあっては、もうおまけみたいなものなので、どうでもいいといえばどうでもいいのだが)、動機など辻褄が合っていない部分が多くてイマイチ。

  • 主人公が87歳の元刑事!? それは読んでみたくなるじゃないか。
    収容所体験のあるユダヤ人、というのも個人的に惹かれる設定であったけれど。
    読んでみるまで、こんなに粋なハードボイルドなおじいちゃんとは露知らず。ポンポン飛び出す切り返しが、私の大好きな海外小説のポイントで、ここもツボ。翻訳者さんに感謝です。
    肝心のストーリーも十分楽しめた。孫のテキーラがもうちょっとキャラ立ちしていれば更に、と思うが、そこは人生経験の差がモノを言うのでな。

    第三者ながら、こういうことをやった人が平穏無事に死ぬなんて、と思ってしまうことはあって。なので、元看守がどれほど現在の姿をみじめに描かれようとも、勝手に納得しきれないけれど。
    そこをバックは、自分が年を取って感じることを内在化させて、寡黙に受け入れる姿勢を取るのだね。
    テキーラと同様、まだまだ私にはできそうもなく、それがまた彼への尊敬を抱かせる。現実問題として、どれほど良い警官であったのはかは知らないけれど。
    次作も楽しみ。

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