舟を編む (光文社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • aoi-soraちゃんおすすめ第2弾。
    三浦しをんさん、『舟を編む』
    本当に面白かった! 

    全てが大好きのど真ん中‼︎

    個性豊かな愛おしい登場人物達が!

    その登場人物の心情を丁寧に表現する文章の美しさとユーモアのセンスが!

    文章から伝わってくる作者の価値観や言葉や本への溢れる愛が!
    全部すき。

    一冊の辞書が完成し発刊されるまでの15年間。
    言葉と本気で向き合う人達のお話。

    辞書の編纂がこんなに地味で忍耐と体力が必要で紙一枚、印刷インクにまでこだわりのある仕事だと知らなかった。
    読んだ後は、辞書作りに携わる方達に深い感謝しかない。

    辞書作りの話に、こんなに笑って感動するとは思わなかったなぁ。

    登場人物達が感情や知識を言語化する事の大切さを語る場面と
    それとは対照的に、ただ抱きしめて、肩を抱いて、そっと寄り添って言葉無く励ます場面、そのどちらもが印象的だった。

    主人公のまじめと、松本先生の会話。
    海外では公的資金を使い辞書を発刊する国があるが日本では全くない。

    全ての辞書が出版社から発刊される。

    豊かな資金の面を考えると前者が良い、でも松本先生は公的資金が使われると出版内容に口出しされる可能性が出てくると語る。

    『言葉は、言葉を生み出す心は、権威や権力とはまったく無縁な自由なものです。またそうであらねばならない。自由な航海をするすべてのひとのために編まれた舟。大渡海がそういう辞書になるよう、ひきつづき気を引き締めてやっていきましょう』

    ひたむきな情熱は周りにいる人達に
    伝染していくんだな。
    読み終わった後、ぎゅーっと抱きしめたくなる
    一冊でした。読んで良かった(^^)
    aoiちゃん、ありがとっ!

    • aoi-soraさん
      まっちゃん、もちろんこれからもヨロシクです♪
      只今、ゾク活中(笑)
      でも眠いので、続きはまた明日にします(-ω-)
      まっちゃん、もちろんこれからもヨロシクです♪
      只今、ゾク活中(笑)
      でも眠いので、続きはまた明日にします(-ω-)
      2022/04/26
    • 松子さん
      ゾク活!笑笑!
      aoiちゃん、おやすみー
      私も寝落ちそう。
      ゾク活!笑笑!
      aoiちゃん、おやすみー
      私も寝落ちそう。
      2022/04/26
    • akodamさん
      おまつ、aoi-soraさん
      私も一緒にこれからもよろしくです(´∀`❇︎)
      おまつ、aoi-soraさん
      私も一緒にこれからもよろしくです(´∀`❇︎)
      2022/04/26
  • 三浦しをんさんの著作だし、2012年の本屋大賞受賞作なので、気にはなっていたんだけど、造船は興味ないな、と思っていたら、つくるのは辞書だったのね(笑)

    冗談はさて置いて、巡り合わせが悪くなかなか読めずにいた。
    ようやく読めた。
    この本も出会えて良かった。

    うだつがあがらない出版社員、馬締光也が13年かけて「大渡海」という辞書をつくる。しかも、広辞苑や大辞林と同程度の23万項目を収録するという、気が遠くなるほど、とてつもない話。


    言葉は水もの。そして、時として無力。
    でも、言葉があるからこそ、大切なものを残せる。
    言葉は記憶で、何かを生み出すために必要なもの。

    そして、自分の心や考えの表現に最も相応しい言葉を探し出すために、辞書を必要とする。
    漠然とした言葉の大海原を渡るために…

    ネット検索や電子辞書があるから、しばらく紙の分厚い辞書なんて手にとっていないが、久々に辞書を購入して手元に置いておきたくなった。


    ところで、アカデミックな世界と料理人の組み合わせは「愛なき世界」に通じるものがある。全体的なトーンというか、雰囲気が似ていると思った。

    あと、馬締と香具矢の二人が結ばれるシーンは、とても美しくてドキドキした。いいシーンです。

    それと、小説の中にでてくる「無精紐」って造語なの?

  • サスペンスでも恋愛でもなく、辞書の編纂という舞台だけで長編の物語を飽きもせず読ませる手腕はさすが。主人公の視点が切り替わる手法も新鮮だった。

  • 前も読んだけれど、、再読。

    何かを生み出すためには、言葉がいる。

    そうなんだよなあ。
    言葉にするのを面倒くさがっていると、
    深く考えられなくなる。
    言葉に対する感覚が磨かれない。
    つたなくても
    後から読み返すと恥ずかしくても、
    言葉にすることを意識して
    やっていったほうがいい。

  • 大手出版社「玄武書房」が満を持して出版する辞書”大渡海”。その編集に携わる個性豊かな編集部メンバーが織りなす、辞書編纂に関わる様々な人間模様を、三浦しをん氏が、選び抜いた美しい文章で描いています。
    営業部でうだつの上がらなかった馬締。その言葉に対する鋭敏なセンスと、探求心をかわれて辞書編集部に異動することに。そこに在籍するのはベテラン編集員荒木、ちょっとチャラチャラした西岡、編集を監修する松本先生と、事務担当の佐々木の4人。
    馬締の一種偏執的な言葉への拘りは、ふつうの社会ではちょっと浮いた存在として見られるほど。しかし、その言葉への拘りこそが、辞書編集というニッチで深い世界では必要不可欠な素養であることが、見事に描かれています。
    辞書に載せる言葉の選択からスタートし、その用例の検討、辞書に使う紙の検討、そして5回にも及ぶ校正。読者はストーリーを追いながら、自然と「辞書を作る」とはどういう事に拘って、どういう作業をするのか疑似体験できます。
    しかし本書を読んでいて共感できるのはちょっとチャラい西岡の視点ではないかと思います。辞書作りにそれほど思い入れを抱くことができずにいた西岡は、ひたむきに辞書作りに没頭する馬締に、一種の嫉妬や劣等感を感じていました。辞書編集部における自分の存在意義は何か、自信が持てずにいたのです。しかし馬締との様々なやり取りを経て、やがて自分の中にも”大渡海”を愛する気持ちがある事を認識するのですが、編集作業の佳境を迎える前に、他部署への異動の辞令を受けてしまう…。
    学生の時、学校指定で「広辞苑」を購入したのですが、ほとんど使わずじまいでした。でも本書を読むと、何か辞書を作った人たちの息遣いが感じられるのではないかという気がして、ずいぶん前の版ではありますが、「広辞苑」を開いてみようかと思いました。
    三浦しをん氏が描く、辞書作成の世界。第9回本屋大賞受賞作品となると、読む前から期待は膨らみますが、その期待を裏切らない一冊でした。

  • 本屋大賞を受賞した作品ということで読んでみた。
    三浦しをんさんの作品はこれがはじめてだった。
    言葉への感度がこれでもかという程鋭いまじめにははじめ、恐ろしささえも覚えたが、段々と惹かれていった。
    かぐやがなぜ彼を選んだのかよくわかった気がする。個人的には西岡の心の葛藤を描いている所が好きだった。彼の飄々とした所にも惹かれるが、葛藤の部分が好きだった。
    時間のスパンも1作品で結構あるタイプだと思う。
    制作をはじめてから15年ほど経っているので、その月日の変化も楽しめる。

    三浦しをんさんの作品を他も読んでみたいと思った。

  • 今さらながらですが読んでみました。
    最近は何かを調べるのでも、すぐスマホに頼ってしまいます。辞書を開くということがなくなってきました。
    今まで辞書の成り立ちに思いをはせるということをしてきませんでした。
    辞書を軽んじているというわけではないのですが、いらないときはいらない、今となっては本棚のかなりのスペースを占める、長物とまでは言いませんが・・・ごめんなさい。
    編集者の方々のご苦労のたまもの、今一度じっくりと開いてみたいと思います。
    ただ、あまりにも今までいろいろな書評を耳にしてきたもので、読んでいても新鮮味がなかったです。
    こういう話題の本は、やはりその時に読むべきだと痛感しました。
    読んだのは光文社の単行本です。
    ここに出てこないというのが古いということです・・・

  • 無料でダウンロードできるキャンペーンからどれだけ経ったかな^^;
    Kobo Libraを購入したのをきっかけに一気に読了

    馬締、西岡、岸辺ら登場人物の成長もよかったし、辞書を編纂することの大変さや面白さも伝わった
    長い期間、好きな事に没頭できるのは素直に羨ましい

    言語化するって本当に難しい
    感情や味、匂いを相手に伝えるなんて無理だよ
    LINEのメッセージなんて怒ってるのか、悲しいのか、楽しいのかわかんない事もあるもんなぁ
    ちっちゃい「ぁ」があるだけでも印象変わるな

    とか、いつの間にか本編からズレて、いろいろ考えさせられたいい作品でした

    やっぱり自分は理系に進むべきじゃなかったな

  • 日本語の美しさ、言葉の大切さを思い起こさせてくれる本。ひとつひとつ丁寧な言葉選びを心がけようと思った。おすすめです。

  • 東京来て、本読んでないから買った本

    最高でした!
    ページが少なくなるにつれて、
    もうすこしで終わるんだ!って寂しさではくて、
    またこの世界の人たちの新しい事ごとが始まるんだ!って楽しみな気持ちになった。

    辞書の話の本は、まるで辞書のようで、
    読めない漢字がいっぱいあり、
    馬締さんや、他のおじさんたちも、
    みんな美しい日本語を使ってて、
    それだけではないけど、とても憧れの世界になった。

    映画化され、松田龍平と宮崎あおいちゃん
    違和感なく照らし合わせながら、物語が進めれた。
    またみたい映画増えたし、
    この本を読んでたら、馬諦さんみたいな人いいなぁーってすごく思った。
    おばあちゃんのことも大好きだなぁ。
    また読みたい本です。



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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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