人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 2015年の出版のため、すでにこの業界ではだいぶ古くなってしまった情報が含まれているが依然として全体を概観するというためには最も役に立つと思われるのが、東京大学の特任准教授である松尾豊先生が出版された「人工知能は人間を超えるか」が、この領域を最初に学ぶには良いと思う。技術的な内容は最小限にして、AI研究の歴史的な内容を概観するとともに、現在起こっていることにどのようなインパクトがあるのかをわかりやすく書かれている。

    この本の中で特に強調されており、また最も重要なことは、現在のAI研究を牽引している「Deep Learning(深層学習)」が何故にそれほど重要なのかということだ。一言で言うと、この技術を使うことで、AIが「何に注目して学びを行うのか?」を人間が考える必要がなくなるのである(実際にはそんな単純なものではないが)。これまでは、AIに何かを学ばせるためには、人間がその現象を捉えるためのモデルや変数を考えてプログラムしなければならなかったのだが、Deep Learningを利用することでそういった「現象のモデリング」の問題を回避して学習を行わせることが出来るようになった。


    一方で、2018年の現在から見ると、著者が想定していたことが想定しているスピードで進んでいないこともわかる。特に重要かつ残念なのは、この技術は日本にとって極めて重要であると言う提言があったにも関わらず、日本ではまだまだこの領域に投入されるリソースが足りていないということである。この領域を長年引っ張って来た米国はもとより、急速に力をつけている中国にも圧倒的な差をつけられているのが現状である。
    その最も大きな要因が、松尾先生がすでに指摘されているように「AIの発展により直接的にビジネスの結果が改善する」産業が日本には非常に少ないと言うことがあげられる。
    実際には、日本にはAIとハードウェアの組み合わせにより改善が見られる分野は多くあるのだが、まだまだ経営者の視点がそこまで向かっていないというのが現状だというのが、私の率直な感想だ。とはいえ、これから少しずつではあるが日本企業のAI活用事例を発表できるようになっていくと思う。すでに遅れてしまっているのは事実だが、あと1年・2年で「なんちゃってAI」ではない、産業現場におけるAI活用は急速に日本で広まっていくはずだ(と期待している)。

  • 人工知能の4つのレベル分けがわかりやすかった。
    機械学習におけるデータの分け方について書かれている部分は難しくて、理解に時間がかかった。「シグモイド関数」とか初耳やし、微分とかも出てきた。数学の知識が足りないのを痛感した。
    この難しい項目を理解することで、ディープラーニングの凄さが初めてわかる。
    とりあえず、人間に対して攻撃的になる心配はなさそうで良かった。

  • ディープラーニングによって人工知能が特徴量を自ら学習することで、シンギュラリティ(技術的特異点)は発生するのか。「ターミネーター」のスカイネット的なそれや、「2001年宇宙の旅」のHAL的なそれは、まだ実現しないよね、という技術的根拠が書かれた書籍。

  • 人工知能とかディープラーニングとかよく聞くけどわかんないけど知りたい、というひと必読。

    フレーム問題で人工知能がつまづいた、ってあたりまでぼんやり知っていて、なのに最近また人工知能ブームで、ディープラーニングってやつが話題で、えっニューラルネットなの? 随分昔に「学習が難しすぎる」って話にならなかったっけ? ググってもディープラーニングよくわからん…。という私のもやもやした疑問に全部答えてくれた本。

    過去の人工知能ブームから段階を踏んできっちり最小限かつ丁寧に説明しているので、予備知識ゼロでも読みやすいと思われます。

  • 人工知能の歴史と未来を知りたい方に。
    人間は概念と言葉をつなぎ合わせることに何年を有する。じゃあ機械はそれをどう理解するか?とか。
    夢があるなあ。

  • ある日の食卓にて「このままAIが発達して、ターミネーターのスカイネットみたいに人間が機械に脅かされる世界になったら怖いヤダわどうしよう」と奥さんが怯えていたので、そういえばこの本にそんな話が書いてあったのを思いだし、奥さんの恐怖を払拭すべく読み直しました。

    さて、人工知能は人間を超えるのでしょうか?結論、知能としては限定的な分野では超えるが、生命として超えることはまずない。ましてや人間を駆逐するようなことにはならない。というのが筆者の主張です。よかった。これで奥さんも安心して寝れます。

    この本、発行から三年ほど経ってますが、機械学習系ではいまだに必読本としてあがる名著です。なぜ今(少し前から)AIブームなのか、これからどうなっていくかが、過去の歴史や現在の技術動向を踏まえて解説されています。

    人工知能と機械学習とディープラーニングという3つの言葉は聞いたことがあると思いますが、違いがわかりますか?人工知能、AIは、学術的には「人間のように考えるコンピュータ」とされていて、完璧なものはまだ実現できていません。が、一般的には家電やゲームですでに人工知能搭載と銘打たれたものがたくさん市場に浸透しています。電気シェーバーにも入っているくらい。つまりそれだけ定義の幅が広く曖昧です。。

    機械学習は人工知能の一種で、データをもとに自ら学習するものを指します。ドラクエ4のAI戦闘はこれに当たります(多分)。

    ディープラーニングはさらに機械学習の一種で、データを表す変数(特徴となるもの)を自ら見つけることができます。この変数の定義が、これまでは人間の手で定義しなければならず大変だったので、人工知能の普及につながらなかったのですが、ここに来てディープラーニングの技術とビッグデータがセットになったことで、三度目のブームをむかえています。

    ディープラーニングの仕組みを知ると、人工知能によりできることできないことが見えてきます。ペッパーのスカイネット化にもし怯える人がいれば読んでみるといいかもしれません。

  • ディープラーニングや機械学習を実践する前に一度は読んでおくべき本だと思う。また人間の物事の認識にの仕組みについて興味のある人にもオススメ。前提知識は必要なく読みやすい。

    人工知能と人間の認識方法が近いところが興味深い。人文科学のクソみたいな議論のあしらいかたも痛快。

  • いま読める類書のなかで、もっともバランスがとれた見方ができているものではないか?

  • 序盤は人工知能の概要・歴史について記されている。
    それらについてざっくりと解説されているため、人工知能につい専門的な勉強を行ったことのない読者には人工知能の全体像をつかむのにいいかもしれない。
    そして後半にかけては、ディープラーニングの登場により特徴表現の獲得を可能にした人工知能が今後どのような方向に向かっていくのかが記されている。
    その中で大事なことは、人工知能を生かすも殺すも自分たちの意思次第である。これらの分野について専門的な勉強をして来なかったからといって、人工知能と向き合っていかないことは危険である。一人一人が、人工知能をどう活かしていけば良いのか、それによってどう社会を良くしていけばいいのかを考える義務が今日にはあると考える。

  • 再読。
    「我々はなぜ世界をこのように認識し、思考し、行動することができるのか。なぜ新しいことを次々考え、学ぶことができるのか。その根本原理はなんなのか」未だわかっていない。

    人工知能に懐疑的な人は科学者の中にも多い(多分宗教的影響) 

    特徴量を生成していく段階で思考する必要があり、その中で自分自身の状態を再帰的に認識すること、つまり自分が考えていることを自分でわかっているという入れ子状態が無限に続くこと、その際に「意識」と呼んでもいいような状態が出現するのではないか。

    ミンスキーが示したニューラルネットの限界。
    3層のニューラルネットでは線形分離可能なパターンしか分離できず、XOR関数すら実現できないこと。

    シンボルクラウディング問題。スティーブン・ハルナッド、記号(文字列、言葉)をそれが意味するものと結び付けられるかどうか問う。

    学習の根幹を成すのは「分ける」という作業。回帰も。(元の位置に戻ること。)
    教師なし学習の場合には「共通項を持つクラスに分ける」「頻出パターンを見つける」「共通パターンやルールを見つける」。

    機械学習の問題点:特徴量に何を選ぶかで結果が大きく変わる。(特徴量設計)

    ディープラーニングはこの特徴量を自ら獲得して分類するという技術なのね。データ間の相関関係を見つけることで特徴表現を自動的に見つけられる。データの中から特徴量や概念を見つけ、その塊を使ってもっと大きなアイデアの塊を見つけるだけ。(抽象化みたいな感じか)

    ロバスト性を高めるためにこそ、入力信号にノイズを入れる。ノイズを加えても加えても出てくる概念はちょっとやそっとのことではぐらつかないから。

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著者プロフィール

東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻 教授。1997年、東京大学工学部電子情報工学科卒業。2002年、同大学院博士課程修了。博士(工学)。同年より、産業技術総合研究所研究員。2005年8月より、スタンフォード大学客員研究員。2007年10月より東京大学大学院准教授。2019年より現職。2002年、人工知能学会論文賞、2007年、情報処理学会 長尾真記念特別賞受賞。専門は、人工知能、深層学習、ウェブマイニング。

「2021年 『ピクサーのなかまと学ぶはじめての科学5 テクノロジーのふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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