老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 詐欺集団がここまで統制された組織であるとは驚いた。
    詐欺の元になる個人情報の徹底管理が大事であるが、出回った名簿は、詐欺グループによって磨かれていくのだろう。すでに流れ出た情報は取り返せない。この先何十年も問題は継続していくだろう。

  • およそ精神と肉体の極限を要求される訓練を彼らは嫌々とこなし、そして、最終的に5人の参加者が残った。いや……5人の詐欺師達だ。

    物語としても普通におもしろい。というか本当に同じ国に住んでいるのかと。

    親に読んでもらいたい本と言いたいが、おそらくターゲットになった時点で詰んでいる。

  • オレオレ詐欺グループが、組織化されたプロ集団だってことがよくわかりました。
    そういえば、報道され社会問題になっているものの、検挙率が高い印象がなく、黒幕まで一斉検挙なんて記事を頻繁に見るようなことはありません。高額な振り込みに銀行が目を光らせても、年々増えている状況から、その手口が巧妙化していることがわかるような気がします。しかも、本書は「老人喰い」はなくならないとも断言しています。
    「恐っ」と感じたのは、アンケートと称してかかってくる電話。名簿を補完するための調査だと知らずに、ベラベラ安易に答えることが、如何にぞ危険か。知らないうちに、自分の情報が蓄えられ、騙される準備が進んでるんですね。
    「自分は、騙されるもんか」とは思いますが、訓練されたプロ集団であることを考えると、慢心しないこと、常に注意深くあることが必要だなぁと感じました。

著者プロフィール

1973年千葉県生まれ。文筆業。子どもや女性、若者の貧困問題をテーマにした取材活動をし、代表作として『最貧困女子』(幻冬社新書)などのあるルポライターだったが、2015年、41歳のときに脳梗塞を発症し高次脳機能障害が残る。当事者としての自身を取材した闘病記『脳が壊れた』『脳は回復する』(ともに新潮新書)が話題に。他にも、夫婦での障害受容を描いた『されど愛しきお妻様』(講談社)『発達系女子とモラハラ男』(漫画いのうえさきこ。晶文社)、当事者視点からの実践的な援助ガイドを試みた『「脳コワさん」支援ガイド』(日本医学ジャーナリスト協会賞受賞。医学書院)、当事者と臨床心理士との対話を記録した『不自由な脳』(山口加代子氏との共著。金剛出版)などの著書がある。

「2021年 『壊れた脳と生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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