ヘンな論文 【電子特別版】 (角川学芸出版単行本) [Kindle]

  • KADOKAWA / 角川学芸出版
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感想・レビュー・書評

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  • アクビの研究では、本当にアクビが出た~1:奇人論序説ーあのころは「河原町のジュリー」がいたー飯倉義之20042:傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離、小林茂雄・津田智史2007➡5m3:婚外恋愛継続時における男性の恋愛関係安定化意味づけ作業ーグランデッド・セオリー・アプローチによる理論形成ー松本健輔 20104:行動伝染の研究動向 あくびはなぜうつるのか、本多明生・大原貴弘2009➡5歳から映像を見て・6歳から話を聞いて・犬は「ヒト志向型」の共感性をもつ5:コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化、塚本浩司 2007➡音を高くする犯人は気泡6:男子生徒の出現で女子高生の外見はどう変わったかー母校・女子高校の共学化を目の当たりにしてー白井裕子20067:大学祭における「猫カフェ」の効果ー「猫カフェ」体験型のAAE(動物介在教育)が来場者に及ぼす影響ー8:隠喩的表現において”面白さ”を感じるメカニズム、中村太戯留2009➡謎かけ9:オリックス・バッファローズのスタジアム観戦者の特性に関する研究ー元大阪近鉄バッファローズファンと元オリックス。ブルーウェーブファンに注目してー永田順也・藤本淳也・松岡宏高200710:現代に生きるマゲⅢ~大相撲床山アンケートから~下家由起子200811:最長しりとり問題の解法、乾伸雄・品野勇治・鴻池祐輔・小谷善行200512:走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性、岡部和代・黒川隆夫200513:湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察Ⅰ、伊藤紀之➡東芝の工業デザイナーで富士フイルムバレーボールチームのユニフォームをデザインし「SHIPS」のロゴもデザインした人~荒川恭敬のラジオ番組で紹介したら伊藤紀之共立女子大名誉教授の図版や論文は無断利用され、あたかも公知のものとして扱われているのに嫌気がさしたらしい。気持ち分かるわ。最初は乳房の揺れ辺りを面白半分冗談半分で扱っていたのでしょうね。それも結構影響力があるって事だった

  • 学問とは。悪いことをしては、いけません。

  • マジメな論文を読み疲れた人にオススメ。いや、この本に紹介されている論文も真面目な研究だし、世の中に役立つ情報もあるのだけれど。こんなことを思いつく人がいるのか!と笑える1冊。ただし、通勤電車で読むのは少々注意が必要。笑いを我慢するのにヘンな顔になりますので。

  • 著者のサンキュータツオさんは、お笑い芸人。他方では、多趣味として知られ、ヘンな論文収集家としてTBSラジオにも出演していたらしい。

    この本は、タイトルの通り、ヘンな論文のコレクション。目次を見ているだけで、ヘンなことを研究している人が多く、世の中も捨てたものではないと感じる。「ジュリーと呼ばれる謎の男性の研究」「あくびの伝染に関する研究」「猫の癒し効果の実証に関する研究」「浮気男の頭の中の研究」「湯たんぽの研究」「ブラジャーの中の乳房の揺れの研究」などなど。
    一番、気に入ったのは、「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化に関する研究」。要は、コ ーヒ ーカップにインスタントコ ーヒ ーの粉末を入れ 、お湯を入れてスプ ーンでかき混ぜると 、スプ ーンとコップのぶつかる音が 、徐々に高くなっていく現象の研究。最後には、謎の解明に成功するのだが、そこに至るまでの研究者の本気度がすごい。これは、短編推理小説並みの娯楽度である。

    「研究とはエンタ ーテイメント 、これが私の主張である 。なにより研究している本人が一番ノリノリで興奮しているのだ 。さらに 、同志もいると 、偉大な謎の前に 、ああだこうだ考えながら 、議論を交わす 『プロセス 』と 、 『結果 』の面白さが 、そこにはあるのだ 」と著者は断言する。その意見には賛成だが、お笑い芸人の特性か、文章に、押しつけがましさを少々感じてしまった。まぁ、煩いほどではない。

    世の中には、面白い人がいることを再認識するには、とっておきの本。どうでもいい知識は、ストレス解消になるかもしれないの★4つ。

  • すごく面白かった。実にいろんなことを研究している人がいるもんだ。
    「そんなこと研究して何になるの」というようなことが気になって仕方なくて、追求してしまう人達。サンキューさんはそういう方達が大好きなんだな。お笑いネタをはさみつつも、論文の著者に最大の敬意を払っておられるのが感じられる。
    紹介されている論文は、あくびの研究、コーヒーカップの音の科学、湯たんぽの研究、なぞかけの研究などなど。。。サンキューさんのツッコミ方が面白くて、機内で読みながら何度も声を出して笑ってしまったり、なるほどーと感心したり。
    サンキューさんご自身、お笑い芸人兼日本語学の研究者ということで、研究に対する態度は大変真摯なものがある。
    コーヒーカップの研究は私も読んでいて楽しくなったが、この論文に関し、「何よりこの論文が素晴らしいのは(中略)日常生活に潜む『謎』を見つけること、『問いを立てる』ことの大切さを教えてくれた点だ。これこそが『問いに学ぶ』と書く学問のキモなのである」
    (14 of 14)と書かれていて、うんうん、と思ってしまった。「どこかの”200回実験に成功した”人にも読んでほしい論文である」(13 of 14) とさりげなくチクリ。あとがきで書かれていた論文の捏造などに関する意見にも、そうだな、と思った。
    ただ一箇所、え?と思ったのは、しりとりの研究に関して「品詞なんて関係ない」(3 of 9) って書かれていたけど、しりとりに関しては名詞限定だと思うんだけど。
    これから卒論などの論文を書こうとしている人にはぜひ一読をおすすめします。この本の内容がまず読んでいておもしろいし、それでいて論文を書く時に大切なことについても触れられているので。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。漫才師「米粒写経」として活躍する一方、一橋大学・早稲田大学・成城大学で非常勤講師もつとめる。早稲田大学第一文学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了。文学修士。日本初の学者芸人。ラジオのレギュラー出演のほか、雑誌連載も多数。主な著書に『これやこの サンキュータツオ随筆集』『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』『ヘンな論文』『もっとヘンな論文』(以上、KADOKAWA)など。

「2021年 『まちカドかがく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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