ヘンな論文 【電子特別版】 (角川学芸出版単行本) [Kindle]
- KADOKAWA / 角川学芸出版 (2015年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (138ページ)
感想・レビュー・書評
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学問とは。悪いことをしては、いけません。
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マジメな論文を読み疲れた人にオススメ。いや、この本に紹介されている論文も真面目な研究だし、世の中に役立つ情報もあるのだけれど。こんなことを思いつく人がいるのか!と笑える1冊。ただし、通勤電車で読むのは少々注意が必要。笑いを我慢するのにヘンな顔になりますので。
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著者のサンキュータツオさんは、お笑い芸人。他方では、多趣味として知られ、ヘンな論文収集家としてTBSラジオにも出演していたらしい。
この本は、タイトルの通り、ヘンな論文のコレクション。目次を見ているだけで、ヘンなことを研究している人が多く、世の中も捨てたものではないと感じる。「ジュリーと呼ばれる謎の男性の研究」「あくびの伝染に関する研究」「猫の癒し効果の実証に関する研究」「浮気男の頭の中の研究」「湯たんぽの研究」「ブラジャーの中の乳房の揺れの研究」などなど。
一番、気に入ったのは、「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化に関する研究」。要は、コ ーヒ ーカップにインスタントコ ーヒ ーの粉末を入れ 、お湯を入れてスプ ーンでかき混ぜると 、スプ ーンとコップのぶつかる音が 、徐々に高くなっていく現象の研究。最後には、謎の解明に成功するのだが、そこに至るまでの研究者の本気度がすごい。これは、短編推理小説並みの娯楽度である。
「研究とはエンタ ーテイメント 、これが私の主張である 。なにより研究している本人が一番ノリノリで興奮しているのだ 。さらに 、同志もいると 、偉大な謎の前に 、ああだこうだ考えながら 、議論を交わす 『プロセス 』と 、 『結果 』の面白さが 、そこにはあるのだ 」と著者は断言する。その意見には賛成だが、お笑い芸人の特性か、文章に、押しつけがましさを少々感じてしまった。まぁ、煩いほどではない。
世の中には、面白い人がいることを再認識するには、とっておきの本。どうでもいい知識は、ストレス解消になるかもしれないの★4つ。 -
すごく面白かった。実にいろんなことを研究している人がいるもんだ。
「そんなこと研究して何になるの」というようなことが気になって仕方なくて、追求してしまう人達。サンキューさんはそういう方達が大好きなんだな。お笑いネタをはさみつつも、論文の著者に最大の敬意を払っておられるのが感じられる。
紹介されている論文は、あくびの研究、コーヒーカップの音の科学、湯たんぽの研究、なぞかけの研究などなど。。。サンキューさんのツッコミ方が面白くて、機内で読みながら何度も声を出して笑ってしまったり、なるほどーと感心したり。
サンキューさんご自身、お笑い芸人兼日本語学の研究者ということで、研究に対する態度は大変真摯なものがある。
コーヒーカップの研究は私も読んでいて楽しくなったが、この論文に関し、「何よりこの論文が素晴らしいのは(中略)日常生活に潜む『謎』を見つけること、『問いを立てる』ことの大切さを教えてくれた点だ。これこそが『問いに学ぶ』と書く学問のキモなのである」
(14 of 14)と書かれていて、うんうん、と思ってしまった。「どこかの”200回実験に成功した”人にも読んでほしい論文である」(13 of 14) とさりげなくチクリ。あとがきで書かれていた論文の捏造などに関する意見にも、そうだな、と思った。
ただ一箇所、え?と思ったのは、しりとりの研究に関して「品詞なんて関係ない」(3 of 9) って書かれていたけど、しりとりに関しては名詞限定だと思うんだけど。
これから卒論などの論文を書こうとしている人にはぜひ一読をおすすめします。この本の内容がまず読んでいておもしろいし、それでいて論文を書く時に大切なことについても触れられているので。