ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング 読書の質が仕事と人生を変える [Kindle]
- 創元社 (2009年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (184ページ)
感想・レビュー・書評
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本をなぜ読むのか?それは本を読むことが好きだからだ。しかし、どのように読むのかということを読書術の本を読んで、より鮮明にしたいと思って、読書術の本を読んでいる。速読術が流行っているが、著者は、クオリティリーディングを勧めている。
著者は、伊藤忠商事に勤めていた。丹羽宇一郎が会長の時に、秘書をしたという。丹羽宇一郎もよく本を読むので、著者も幅広いジャンルの本を読んでいる。
読書は、効率ではなく、そして量ではなく質だと強調する。まずは、読書の目的を明確化する。
読書をする目的は、①知識、情報を得るため。②教養のため。③娯楽のためである。読書とは、知的刺激をうけて、その刺激のもとにして、自分で考えることである。それを創造的読書という。本から、考える素材を見出し、そこから考えることで自分なりの創造的な発想が生まれる。
速読では、思考や批判的思考力を養えない。まぁ。佐藤優が言うように、速読によって本を選択することが必要だというスタンスがいいね。速読と熟読は対立しない。併用することが必要だ。
著者も『選書眼』を養えという。どんなことに興味があるのか?どんなことを勉強したいか?と拡張型読書から、収束型読書にいく中で、自分の好きな知的領域、ホームグラウンドを作れという。そのことによって、テーマが鮮明となり、深く考えることができる。それをスパークする読書なのだ。
著者は、ジャーナリストの書いた本は、視点が狭く歴史的な視点がないので読むべきではなく、口述された本も読むべきではない。また生理的リズムの合わないのは読まなくていいという。
本を読むのは、人間力を高め、知的忍耐力を鍛える。現在は、知的衰退があり、知的虚栄心がなくなっている。知的虚栄心は大切だという。
適時適書。時間にはまとまった時間とスキマ時間があり、時間の種類に応じて、読む本を変える。スキマ時間に読む本は、読むことを中断して良い本だ、興味のまま読み進める。
まぁ。読書をなぜするのかということは、もっと掘り下げていくことで、読書の習慣化ができるのだろう。ユダヤ人の『全身学習法』というのも、もう少し知りたいなぁ。この本の中に、次読むべき本が沢山あって、それが収穫だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奇をてらってはいない、良い読書論だと思います。
内容は、本の読み方、選び方、また、読書の時間の捻出方法等、
非常に参考になるものも、多くありました。
特に専門書の読み方は、ある程度の「まとまった時間」を
確保しなければいけないという指摘は、当たり前ですが、
確かにそうだなと思いました。
それだけ、精神力と集中力を要求されるからです。
よって、著者が言うように、朝の時間帯が、最も適していると感じました。
読書時間を毎日15分でも30分でも確保することは、
読書習慣がない人にとっては、非常に大変です。
また、今ではSNSが広く普及しているので、
読書の優位性が小さくなっている、と考える人がいるのも、
当たり前だと思います。
よって、以前よりも、読書を習慣にするのは、
非常に難しいと思います。
それでも、習慣がある人とない人では、
人生がまた違ってくるのかもしれません。
それは、本を読む一つの理由が、自分にとっての「良い言葉」を見つける、
または出会うことが、
自分の人生をよりよくする上で、かなり効果的な方法だからです。
それは、自分自身の言葉を持つようにするということと同義です。
読書を通じて「はっとさせられる言葉」に出会うということは、
良い人との出会いと似ています。
常に自分を成長させたい、人生を成功(自身が考えたもの)させる上で、
やはり、読書は最も優れていると思います。