- Amazon.co.jp ・電子書籍 (233ページ)
感想・レビュー・書評
-
病気の子供を預けられる場所がない、そのために仕事を休まないといけなくなる、会社での立場が悪くなる。そんな社会の問題を解決するために「病児保育」の仕組みを作ろうとNPO法人を立ち上げ、起業する過程を描く。
中身は堅苦しい感じは全くなく、色んな失敗や苦労した話、むかつく役所の対応、助けてくれる色んな人たち、スケールの違うアメリカの状況などなどが盛り込まれている。軽妙な語り口とストーリー展開のうまさから最後まで飽きずに読めてしまう。
社会への閉塞感を感じていて行動したいという若者にぴったりの本。良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会起業としてフローレンスを立ち上げる話。
思いとネットワーク、社会のニーズに応えた結果だとわかる。 -
kobo
-
・資本主義は経済活動だけでは成立しない。その下にしっかりと機能する社会があって、資本主義が成立し、社会の方にもその潤いが還元される。俗物が社会を良くしたいと考えることは、おかしなことか?
・ソーシャルベンチャーの唯一の武器は、明確な社会性。どんな大企業にも勝る部分。言葉が認識を生んで認識がアクションを生む。ソーシャルプロモーションとも呼ぶ。
・溺れる赤ん坊のメタファー
目の前で溺れている赤ん坊を助けること忙しくなり、実は川の上流で1人の男が赤ん坊を次々と川に投げ込んでいることには気付かない。問題はつねに、それを生み出す構造がある
・カブームは8年間で600個の公園を作った
教育ソーシャルベンチャーのシティーイヤーの予算規模は40億円 -
駒崎さんがフローレンスを立ち上げるまでの話。
-
等身大の起業体験で共感できた。自分より若い人がここまで頑張っていることに自分も頑張らねばと懐かしい思いがよみがえった。
自分のプランについて話したら、95%の人になんらかの「ダメ出し(批判)」をされた。このときほど日本が「ダメだし社会」だと痛烈に思ったことはない。この国では何か新しいことをやろうとすること自体が罪とみなされる。たとえそれが社会のためになろうと。
「全体を救うイノベーションは、つねに多様性から生まれる」
たいして行かなかった大学の研究室で、僕に口をすっぱくしてイノベーションの本質を語ってくれた硬骨の経営学者、榊原清則先生の言葉が、おばちゃんに怒られているあいだ中、何度もリフレインされた。
「商店街もさ、やれダイエーができたから俺たちはくっていけなくなった、とか文句ばっかり言ってやがんだ。違えだろうが、ってよ。おまえらの努力が足らねんだよ、って。だから俺はさ、もう商売だけやってんじゃダメだ、って思ったんだよ。商店街がまちづくりに関わっていってさ、福祉でも教育でも巻き込んでさ、それでちゃんと住民たちが信頼してくれて、町が成り立っていく、っていうふうに変わっていかなきゃダメだ、って思ったんだよ」
理念丸出しの会の雰囲気に違和感を覚えて入会しない方も半分くらいいたが、アンケートで「スタッフの方が信頼できそうなので入会します」と書いてくださる方がかなり多くいた。「理念が信頼を生み出す」ということがあるのだと実感をもって知った。
…若いうちに決まるもの。それは技術や専門的な知識ではなく、「心の構え」だ。二十代で一度もリーダーとして振舞ったことがない人が、四十代で立派なリーダーになれるとは思えない。若いころに自分の発想がことごとくダメ出しされた人が、五十代でクリエイティブなことを言い出せるかと言ったら、それも疑問だ。そう、若いうちに培うべきなのは、試行錯誤によって生み出される、自分はできるんだ、という「心の構え」なのである。これは大学時代、人材コンサルティングの第一人者である高橋俊介さんに口をすっぱくして教え聞かされたことだ。 -
Kindle本
-
病児保育を問題提起し、地域から、できることからスタートしていって、社会に広げた、という自伝。運もあるけどこういう意識とか理念とか大事にすれば人もついてくるのかな?
-
自分と同じくらいの年齢で考えたことをここまで行動に移せるということがすごい。
-
社会企業家として病児保育の事業化を成し遂げた著書の体験談。わかりやすい口調で実際に体験した困難とどのように克服したかを書いているので、社会貢献を仕事にしようとするイメージがわきやすい。また、モチベーションの保ち方や陥りやすい罠も見つけられる。
社会を変える仕事をする上では、稼ぐことへの恐れ、補助金のデメリット、目的を見失う、という3つのリスクを認識し、積極的なソーシャルプロモーションで社会の意識を変えていくことが、真の目的達成への近道となる、と理解した。