月刊群雛 (GunSu) 2015年 04月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~ [Kindle]
- 日本独立作家同盟 (2015年3月30日発売)


- Amazon.co.jp ・電子書籍 (284ページ)
感想・レビュー・書評
-
1回目よりも2回目に読んだ方が、各作品を面白く感じる4月号。スロースターターという訳ではなく、それぞれの作品に何度読んでも楽しめる「奥行き」がある。ポジショニングとしては中庸。「群雛各号のポジショニング≒参加作家のポジショニング」というのを最近理解したのですが、今回は常連さんは「ちょっとした作風の裏切り」があるので、分類するのが難しいのかもしれませんね。
【各作品寸評】
・米田淳一『優しさの推論』
大宇宙とプリンの落差を楽しむ作品。二段構えの構成が非常に面白いし、流れとしても心地よい。「刺激を受けて自分もチャレンジ」って大事ですよね。
・ヘリベマルヲ『フーチー・クーチー・マン』
「周世」という名字に「!?」としたが、かの作品とは関係が無さそう?
とても「カッコ悪い男」が登場人物の話とは思えない。赤いボールペンのくだりは秀逸。12月号から二人を取り巻く視点が増えたことによって、だんだん物語に対する楽しみが増えてきた。
・有坂汀『供犠を巡る物語』
こういう重厚な評論を群雛で読めて嬉しい。でも、エヴァはさっぱり明るくないので…。ただ、論の中核を成す部分と言うのは、組織とそれらの崩壊を語る上では重要なトピックだと感じた。(自分の中では90年代以降の日本政党史のイメージがある)
・竹島八百富『Xメン』
今号の私的MVP。ホラーテイストも良いけれど、個人的にはシニカルさが利いた竹島氏の方が印象に残っていました。で、そこに「コメディ」をかけ算してきたから思わずびっくり。おみそれしました。次第に場の空気がおかしくなり、それらがラストシーンへと自然に繋がっていく流れが巧い。
・くろま『コナたんの夢』
「課外授業 ようこそ先輩」でいっこく堂が出演した時、生徒に腹話術の人形に向かって自分が怒っている事や不満に思っている事をぶつけてみよう! というのをやっていたのを思い出しました。成長した主人公の姿をみて、「なるほど、だからこの道を選んだんだな」と腑に落ちたのです。
・しんいち『三人とリオ』
日常系×宇宙人。難しく考えないで読める一品。まあ、未知との遭遇が必ずしも「怖くある」必要は無いですよね。でも、こしあん派なのが納得できない。
・波野發作『ガッデンの箱娘』
不思議な空気感とシュールな設定はそのままに、前回よりも世界とストーリーが分かりやすくなった印象。登場人物の斜めに構えた感じも、だんだん感情移入しやすくなってきた。
・加藤圭一郎『140文字の狂躁』
散文詩のような空気感。ツイッターに限らず、ネットサービスで「古参」部類に入っていると、不思議な思い入れや歴史観が芽生えるのかな? と思ったり。
・和良拓馬『ウマが逢う話』
僕の作品。群雛で読むとちょっと雰囲気やテンポが違うなあ、と感じています。既刊再録も悪くないですね。印税は入ってこないんですが。
・盛実果子『わた雪』
雪と恋愛は数あれど、これをキーにするのか! という感じ。お互いが程良く「面倒くさい」んだけど、そういう要素は恋愛ドラマには必要ですよね。
・Nyara 表紙『ちょっと酔っぱらっちゃった』
太股がセクシー! でも、お尻も悪くない…詳細をみるコメント0件をすべて表示
米田淳一の作品





