21世紀の資本 [Kindle]

  • みすず書房
3.62
  • (0)
  • (8)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 67
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (947ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 格差社会を説得力のあるデータで明らかにする。
    ・「r > g」つまり、資本収益率(rate of return on capital)が経済成長率(growth rate of the economy)よりも大きければ、格差は広がる。
    ・格差を緩和させるために、世界的な累進資産税を設けることを主張っしている。

  • 700ページ超の内容で読みごたえがある。こちらは流し読みで、おおよその筆者の考えがわかれば、良しとした。

    格差が歴史上最も広がりつつある中で、自分の富だけでなく、社会全体を見て、社会に目を向けて欲しい。

    世界的な累進資産税を導入することで富の格差が抑えられるのではと描いてあるが国際協力や政治統合が必要なため、難しいところでもある。

    何回でも読みたい本。
    この本に描いてあることの実現は難しいかも知れないが、1歩ずつ進めて行けば、理想に近づけそうだ。

  • ようやく読破。
    難解な内容ではないがやや冗長でとにかく分厚い。
    ピケティの主張は明解で筋が通っているが理想論で,為政者がこの本に書かれた政策を取るはずはなく…
    この本の刊行から6年,世界の進む方向はとうぜん今のようになるよね。

  • 資本(ストック)と国民所得(フロー)、資本と労働の分配、経済格差の問題を100年以上のスケールで論じたもの。
    文量が多く途中飽きを感じたが、論理は明確で分かりやすい。複数の本に分けても良いぐらいに情報が詰まっている。

    著者の主張を大分ざっくりまとめると以下のようなもの。

    ・20世紀前半の欧米諸国は現代以上に格差の大きい世界。二度の世界大戦を経た資本ストックの棄損や重税を受けて格差は大幅に縮小。一方、ここ20〜30年はこの格差が再び拡大している。
    ・この300年で資本の形態は、大部分の農地から住宅+その他の金融財産等に変容。
    ・資本所得は労働所得よりも格差が大きい。
    ・20世紀は労働所得の重要性が高まった時代。金持ちでも貧民でもない中間層が出現。
    ・歴史的に資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも高いのが定常状態。そのため、資本には加速度的に累積される性質がある。
    ・低成長が見込まれる21世紀は、資本の格差が拡大する懸念。格差是正には、資本自体に課税する累進的な資本税を世界的に導入する必要。

    巷のピケティ論は本書を読んでないと思われる理解の誤りや、ただ自論への我田引水に利用するものも見かけるので、本書を実際読むのが良いと感じた。
    本書では「資本家vs労働者」のような階級闘争の図式が導入されているわけではないし、政治思想よりは経済学のアプローチを徹底して採用しているのも良い点。
    私自身も極端な経済格差が正当化される社会は良くないと思っているし、そうした格差を制限しても経済効率を損なうことはないだろうと考えているので、著者の主張は大分共感できた。

    また、話の大筋とは関係が薄いが興味深かったのは、経済発展のため資本規制を容認している点。外資を制限しつつ貿易面では自由を享受する中国の政策を評価しているところは面白かった。

  • これを読めば、なぜアダム・スミスの本は『国富論』と題されているか、カール・マルクスの『"資本"論』なのか、そして本書の題が『21世紀の資本』なのかが分かる。言い方を変えると、古典派は資本ストック、つまり国民所得の計算を土台にしたが、新古典派は産出フロー、つまりGDPを土台にした。ピケティはもう一度、資本に話を戻した。
    水の民営化は公的資産を見える化し、売却して、公的債務を返済してチャラにしようとする作戦。売却できれば公的資本の純資産はプラスマイナスゼロ。

  • 【富の格差の根底にあるもの】
    ●A.米国では1970 年代半ばから、トップ10%の労働所得が急増した。それは、超高額の報酬を得る「スーパー経営者」の出現によるもの。フランスでも同様に、低い経済成長が続く中、トップ層の所得が激増。この現象を正しく理解するには、国際的な視野が必要。
    ●B.「資本収益率( r )」が長期的に「経済成長率( g )」を大きく上回ると( r > g )、富の分配で格差が増大するリスクは高まる。こうした条件下では、相続財産が生涯の労働で得た富より圧倒的に大きなものとなる。
    ●C. 新しいグローバル経済は、莫大な格差をもたらした。一部の個人は、今や一国並みの富を持つ。この格差スパイラルを避けるための理想的な手法は、資本への世界的な累進課税。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1971年、フランス(クリシー)生まれ。フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)で博士号を取得後、米国MITでの教鞭を経て、現在EHESSの研究所長を務める。また、パリ経済学校の創設に貢献し、2014年より同校教授を兼任する。専門分野は公共政策と経済史。不平等の経済に関し、とくに歴史的かつ国際的なパースペクティブの下に研究を行うスペシャリストとして世界的に有名である。主要著書として、Les hauts revenus en France au XXe siècle, Drasset, 2001(山本和子・山田美明・岩澤雅利・相川千尋訳『格差と再分配――20世紀フランスの資本』早川書房、2016年)、Le capital au XXIe siècle, Seuil, 2013(山形浩生・守岡桜・森本正史訳『21世紀の資本』みすず書房、2014年)、Capital et Idéologie, Seuil, 2019などがある。

「2020年 『不平等と再分配の経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

トマ・ピケティの作品

外部サイトの商品情報・レビュー

21世紀の資本を本棚に登録しているひと

ツイートする