すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

制作 : 黒原 敏行 
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レビュー : 5
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感想・レビュー・書評

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  • 年間ベスト級になるのではないか。
    序盤、あまりに連続して訪れる悪夢的風景にげっそりしてしまったが、恐ろしいことにそれに馴染んでくる中盤以降、物語として登場人物が揃って動きだしてからも非常に面白かった。
    最初主人公になるのではと思った人物が途中から脇に下がって、別の人物が現れたのは意外だった。その人物が現れたことで物語がよりくっきりと明瞭になったと思う。

  • 2018/08/09
    マニュアルの最終型はこの形
    不幸になる権利
    自由とは

    死ぬ権利

  • 「ディストピア」というと、現在がそれなりに自由で進歩した社会である一方で、近未来では全体主義を標榜する政府に管理され人間性を失った暗黒の世界になる、といったいかにも来たる世界を見下したような”偏見”があるように感じてしまう。
    しかし今だって個人は徹底的に管理されているし、思い通りに生きることはままならない、人間が疎外された危険な社会ではなかろうか。
    『1984年』での管理の手法は、権力による監視・拉致・拷問、そして結果としての洗脳だから、それは確かに身の毛のよだつもので、そんな世界はまさにディストピアだ。でも、それだって過去に人類が実際に経験し、今でも世界各地に厳然として存在する、我々にとってはお馴染みの風景のはずである。

    しかし本作『すばらしい新世界』に描かれているのは、人間の出生段階に価値観や肉体的特徴を医学的施術によって変えてしまうという、そんな管理の違いはあるものの、それさえ済ませばあとは各個人が自由に、欲望の赴くまま、何の疑いも抱かず幸せに一生を送ることのできる、まさにユートピアの世界なのだ。
    だから本作は「ディストピア小説」ではなく、紛れもなく「ユートピア小説」なのである。

    作中、ひとり異分子たる「野蛮人」だけがこの世界にありうべからざる「悲劇」を体現することになる。序文から察するに作者はこの「野蛮人」の方に肩入れをしているようだが、ここで読者は、「野蛮人」以外の全ての人間の安寧な人生を寿ぎ、そんなユートピア社会を心から羨望すべきではないだろうか。

  • 1932年に書かれたディストピア系SF。遺伝子操作やソーマと呼ばれる(一見)害のない麻薬、徹底した老化防止に生まれた直後からの刷り込み教育による、平和で画一的で均一的で清潔で幸せな未来を風刺しながら描いたSF。1932年とは思えない完成度、『1984』や安部公房『方舟さくら丸』は読んでてやっぱり古いなあと思ったが、そういうのが殆どなかった。技術的な考察がかなりしっかりしていたのと核戦争の脅威を"描いていない"のがポイントだと思う。80年以上前なのにそれだけで十分凄い本。

  • 有名だったので、とりあえず読んでみた。
    よく比較されてる1984よりは面白く読めた。
    人がただふわふわ楽しそうに浮かれて暮らす、まさにユートピアの世界。
    未来がこんな風に、形作られたものだけがすべてにならないと良いけれど。

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