狭き門 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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  • 光文社 (2015年2月20日発売)
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みんなの感想まとめ

人間の心の葛藤や愛の本質を深く掘り下げた作品は、清らかな恋とその背後に潜む複雑な感情を描いています。物語は、主人公アリサの信仰とその影響を通じて、愛と幸福のあり方について問いかけます。読者は、アリサが...

感想・レビュー・書評

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  • どこかで読んだことのあるストーリーの気もするが、きっとこの作品がオリジナルなのだろう。
    ストーリーの展開の仕方、結末の思わせぶり、繊細な心情の描写、非常に素晴らしい内容だった。
    宗教的主題という観点では、オードリーヘップバーン主演の尼僧物語にも似たテーマ。

  • 初のジッド作品。「狭き門」に向かうアリサと、人間の肉欲である「広い路」の対比が明確に描かれている。アリサの自己犠牲の精神は美しいが、それのせいで誰も(現世での)幸せは得られないという、悲しいストーリーである。ジッドもアリサの自己犠牲を批判しているようだし、近代フランスの価値観の転換を示した小説なのだろうか。(価値観の転換で人がひたすら不幸になるという点は『斜陽』に似ていると感じた)

    アリサもジェロームもお互い煮え切らない態度が長く続くとはいえ、ジュリエットの結婚や、後半でのジェロームの一押しがあったのにもかかわらず、最後までジェロームの方を向かないアリサは「本当にジェロームのことが好きなのか??」と思ってしまった。信仰心にかこつけてジェロームの好意を、彼を傷つけず避けているようにも見え、皆がよそよそしい現代に生きる読者としては、「ジェローム、そろそろ手を引いた方がよいのでは?」と思ってしまった。宗教の力が弱まった今となっても、アリサのように生きている人はいるのだろうか。そして果たしてそれは幸せなのか、考えさせられる小説であった。

  • 清らかな恋ってなんなのさ、セックスの存在する愛の幸福を、ありふれた、格下のものだと考えるその思考は、むしろ傲慢なんじゃねぇの?
    アリサはいったいどの程度まで聖書をじっくり読みこんで理解していたのだろうねぇ。
    産めよ地に増えよ、から始まった純粋で喜ばしい神の祝福をどうしてこうも捻じ曲げてしまうのか
    幸福になってはいけないとか、どうしてそこまで突き詰めるのか
    現代の正統派プロテスタント教会に属する私としては
    毎週牧師の説教を何年も聞いている私としては
    首をかしげざるを得ないわけよ。

    で、思ったのね。
    ジッドはさ(昔はジイドといったような)
    聖書が完全に同性愛を禁止していることをも熟知しつつ
    同性愛者(というか現代でいうところのバイにも片足突っ込んでて)だったわけでさ、
    逆になぜ同性愛がダメだったかというと、これは断然聖書に書かれているから世の中が許さなかったわけでさ、
    ジッドにとってはごくナチュラルなそれがキリスト教によって残酷にも糾弾されている現実を(発覚したら逮捕されるのもありだからさ)恨んでいる節があってさ
    だから主人公のアリサの生き方をあんなふうに「狭き門から入るための残酷」にさらしたのじゃないか、
    なんてね。

  • ◇ジッドの代表作の一つ。自伝的物語。

  • ・著者の「ソビエト旅行記」が面白かったのでこの本を読んだが、読むのはちょっときつかった。
    ・最後の方でアリサの日記が出てきて、ジッドは女の人の考えが良く分かっているようだと感心したが、解説を読んだところでは(アリサのモデルになった)ジッドの奥さんの日記を元ネタに使ったらしい。それはちょっとひどいと思った。
    ・解説によるとアリサの信仰は本当の信仰ではなくニヒリズムであるという。なるほどと思った。
    ・主人公もちょっとひどい。アリサが自分に依存させるようにしていた。(ジッドも奥さんに似たようなことをしていたらしい。。。

  •  父を亡くし、母と伯父のもとで夏休みを過ごすことになった11歳のジェローム。ある出来事を機に、2つ年上の従姉アリサに惹かれていく。互いに好意を抱き、周囲も認める中になったものの、アリサが突然ジェロームを避けるようになり……。

     高校生の頃、何度も読み返した物語を新訳で再読。互いに思いを寄せながら、すれ違っていく2人。愛と信仰のはざまで、揺れ動く思い。信仰心に関しては今も理解できたとは言い難いけれど、大切な人の幸せを思うゆえのアリサの選択には胸が痛む。
     

  • 人間というのはとても複雑なものであるというのを教えてくれた本である。2019.3.16

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