楽園のカンヴァス(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • これはやられた。最終ページを捲った後、じわっと目が潤んだ。そして何ともいえない高揚感。
    もう話が史実であろうが創作であろうが関係ない。
    とにかくとにかく面白かった!!

    それに出てくる絵画を色々調べながら読み進めたので、その作業もまた楽しかったかな。
    叶うなら、絵画「夢を見た」も見てみたい...!?

    いやもう、すっかりマハ沼にハマってます...。

  • 原田マハ!

    話は変なんですが、あなたは好きなものを先に食べますか?それとも最後に?
    そんな感じで〜

    前からずっと前からホント気になりながら
    後のお楽しみにと先送りしてた。
    マハにハマれば「おじさんギャグ?」怒涛ののようにまっしぐらがわかってた。
    予感の通り
    素晴らしい!なんてボキャブラリーが貧困、情けない。
    まっしぐらに美術館に行きたい。そしてルソーを観たい。いつもの単純。

    最後の最後には感動しかなかった。
    つくづくうまいなあ。
    絵は何も描けない。絵の上手い人っているが
    全く。
    だからこそ10代から、美術館巡りは続けた。
    何も分からなくても
    ただ観る、観る

    読書百編意自ずから通ずの絵画にも通づると、
    美術館巡り。

    この本は楽園のカンヴァスは絵を観るようで楽しかった。
    浅識の自分は
    一つ一つをネットで検索しながらで、読むのに時間はかかった。

    ティムブラウンと織江早川「オリエハヤカワ」

    ピカソとルソー
    ど素人で浅識の自分は
    キュレーターも知らない。
    MOMAも知らない。
    それでも感動はできる、とにかく原田マハはさすがだ、
    これが第一作目初読み作家
    唸るしかない。
    いろいろ言いたい、
    ネタバレになるしなぁ。

    織江がメトロポリタン美術館かニューヨーク美術館で父に言った。

    「ねえお父さんこんなにいっぱい絵があったら、どれを見たらいいかわからないよ?

    どんな人混みでも自分の大好きな友だちをみつけることはできるだろう?
    この絵の中に君の友だちがいる。
    そう思って見ればいい。
    それが君にとっての名作だ。」
    このくだりを見て、少なくとも自分の絵画鑑賞は太鼓判を押された気がした。
    我が意を得た。何もわからないけど惹きつけられるものがある、好きだわ。

    最初のくだりが
    時の過ぎた経過とともに最後は
    うーん。そうくるか
    ぐうの音もでない
    恐れ入りました。敬服。
    さぁ次の原田マハ作品は何を?読む
    不動の位置を原田マハは確立したんだ。
    楽しみがまた増えました。





  • 本って、読書ってどこまで領域を拡げてくれるんだろう。アートって心に開放感がある。とても貴重な体験でした。速読すると文調から見失いますが、また戻って読むのも面白い。ゆっくりと読書を楽しむ人は必読です。

  • 読了。

    またまた原田マハさんの美術ミステリーにハマった。今回の作品もとても面白かった。

    フィクションなのに、実際にあったかのようなリアリティ。
    そして、物語に出てくる登場人物に会っていたかのような、その人物を知っているような内容が本当に凄いです。
    ルソーにピカソに、そしてヤドヴィガに出逢えたような感覚になりました。

  • 今までに読んだことのない小説でした。
    画家の作品タイトルをネットで検索しながらひとつひとつの絵画を見ては思いを馳せながら読み進めました。
    アンリ・ルソーの作品を巡ってルソーを愛するふたりの男女が向き合う作品の謎、ヨーロッパの国境の街バーゼルを舞台にふたりとそして関係する人たちが国を超え、駆け引きが続く。
    そして、ルソーが描いたジャングルとモデルの女性ヤドヴィガ、そしてピカソまで。
    ふたりが生きる現代の日本、ニューヨークのMoMA、ルソーやピカソが生きた20世紀前後のパリへとストーリーが交差する。
    時空を超えた芸術と共に生きる世界に魅せられました。
    原田マハさん、他の作品も読んでみたいです。

  • 芸術とミステリー作品
    絵は好きだけど美術や歴史の知識がなくとも楽しめた
    「夢」以外にも他の作品の事も書かれてあり調べながら読む楽しみがあったし単純に美術にハマりそうになる
    自分の死が近くなってる時でさえ好きな画風または何か伝えようと続けていた物こそパッションであり少しの謎を付け足す事で魅力的に見えるんだなと
    そして読み終わった頃アンリ・ルソーと友達になってるそんな作品だった

    好きなフレーズ引用
    世界中のコレクターがスイスジュネーブの保税倉庫に命の次に大切なコレクションを預けている
    織絵の目は泣きはらして真っ赤だった
    それこそが永遠を生きるってことだよ
    そいつの命だ それを穢すことなんて私にはできない

  • 4年振りの再読
    マハさんとは「お見合い」するつもりで読んでから、やられっぱなしです
    とにかくこの緊張感が心地よい
    数年後、きっと「また読んでしまった」となってると思います

  • 3年前に読んだ楽園のカンヴァス、再読しました。
    やっぱり2度目でもとてもの好奇心がくすぐられてワクワクする小説。
    原田マハさんの本は24冊読んだけれど、私にとって原田マハさんの小説の中で1番好きな小説かもと思いました。

  • 美術館の監視員、早川織絵は母と高校生の娘3人で暮らす女性
    それがある絵を日本に借りてくる為、新聞社から依頼される
    アンリ・ルソーの「夢」
    そこから16年前に戻りお話が始まります
    私個人的には、ルソーやピカソはあまり興味がなかったのですが、話を進めるのに絵を検索しながら読み進めました
    主人公がティムに変わり、彼の情熱やその為についた嘘、ドキドキの連続でした
    お金や流行ではなく、純粋に作品達を愛してる姿勢が胸を打ちます
    読み終わった後の清々しさがとても素晴らしかった
    生きている内に、コレらの名画を見ておきたいと切望しました

  • 本の中で登場した絵画をインターネットで検索し、画を見ながら読みました。

  • ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの伝説的コレクターに招かれる。
    そこで見たのはアンリ・ルソーの名作「夢」に酷似した絵。
    持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵画の権利の譲渡を約束し、真贋判定の手がかりとなる謎の古書を読ませる。
    同じく判定するのは、日本人研究者早川織絵。
    近代絵画が産声をあげはじめた20世紀初頭、ルソーとピカソ二人の天才と謎の絵の秘密を巡る物語。

  • 自分が美術の世界には疎いのだけれど、さながら映画を観ているかのような運命とアートが交錯していく物語の構築の仕方に心を奪われた。あらゆるエンタメの原液となるのは、どこまでいっても小説のシナリオなんだろうな、とその文学性の尊さを教えてくれる一作品だった。

  • おもしろい!
     サスペンスほどわかりにくくないけど伏線が多い小説だった。美術は全くわからないからどこまでが本当なのか見当もつかないけど、絵の描写にどっぷりと惹かれた。絵の具がここに匂っているかのような錯覚までした!
     原田マハさんが物語にぶち込む恋愛要素は書きたくて書いているのか、書きたいものを書くために浮世離れした内容だけど恋愛を混ぜてキャッチーにしているのかわからないなあ…と思う
     読み終わったらすべてスッキリ!!

  • アンリ・ルソーの「夢」を題材にした美術絵画ミステリー。
    名画をめぐり、事実に忠実に基づいたフィクション(現実にあってもおかしくないストーリー)で、未だかつてこんな作品には出会ったことないかも。
    とにかく、元キュレーター(学芸員)原田マハさんの重んじている、美術愛・ルソー愛、その情熱をいっぱい感じる作品。

    画家ルソーだけでなく、ピカソが重要人物として登場してきて、それがかなり私的にツボ刺激ポイントでした。

    「天才画家ピカソ」は私も大好きで、怒涛の全生を描いた「ジーニアス・ピカソ」も夢中になって観ており、ピカソの人物像、パブロ・ピカソと関わった人達や、数々の作品、その背景や影響を受けた特徴など、予備知識もあったので、その上で読むともう。まさにリアルなフィクション。

    性格的にも、技術的にも、情熱的にも、ピカソが「夢を見た」を最終的に仕上げた可能性もゼロではない。
    ルソーの情熱を忠実に永遠のものとして残すために。

    名画と呼ばれるものは、時間を忘れて思わず魅入ってしまう不思議な魔力のようなものがあって。
    遠近法とか技術とか、そういうものとはまた違う「何か」がある。
    その「何か」は、もしかしたら画家の「情熱」であり「魂」なのかもしれない。

    "PASSION"と"PICASSO"一文字違いを上手に暗号にして、その答えを読者に委ねているのも粋で素敵。
    ヤドヴィガと織絵の宿した命も、何かしらどこかでリンクしている。
    原田マハさんにしか描けない作品。

  • アンリ・ルソーの「夢を見た」という絵画をめぐる物語。

    織絵とティムの2人がこの後どうなるのか、想像を巡らしてしまいます。

  • 面白かった。ミステリー要素は薄めで予想がつくような内容だが、ドラマとして面白かった。
    美術館に行くのは年に数回程度で、ルソーの作品は多分あまり見てないと思う。大原美術館へ行ったのもかなり昔だし…。友達として語れるとは思ってないが、この本を思い出しながらじっくり見てみたい。

  • 再読。

  • おもしろかったけど、最後の展開やらオチでんんん?それは無理ないか?ってとこがちらほら。

  • ルソー研究者による考察と作者不明のルソーにまつわる物語をベースに話が進む。ルソーに惹かれた人々による語りによりルソー像が構成されていく。当然ルソー本人の主観的言動はないが、近代前衛的画家の情熱が伝わった。
    物語終盤にかけての畳み掛けるように明かされる新事実の連続に手が止まらなかった。
    後輩に面白い本があると薦められて読んだ。この推薦に非常に感謝している。今後原田マハさんの作品を読んでいきたい。

  • こんなふうに展開される小説は初めて読んだような気がする。日本は倉敷の美術館の監視員だった女性が、かつては新進気鋭のルソー研究者だったというだけでも驚きだが、さらにルソーの作品を巡ってMoMAキュレーター(アシスタント)との対決にまで話が及ぶとは、冒頭からはとても想像がつかなかった。作中小説にも引き込まれてルソーの作品に俄然興味が湧いた。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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