HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか [Kindle]

制作 : 小澤 隆生(序文) 
  • 日経BP (2015年4月17日発売)
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みんなの感想まとめ

困難に立ち向かう力を育むことがテーマの本書は、著者の実体験に基づく教訓や助言が詰まっています。「苦闘を愛せ」というメッセージは、経営者だけでなく、日々の悩みや苦しみを抱えるすべての人に響くものです。特...

感想・レビュー・書評

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  • 「苦闘を愛せ」という著者が一番伝えたい言葉。
    経営者ならずとも日々苦しみ、悩む日々を逃げ道を作らずに自分なりに他責にせず進み、ある種自己中心的な生き方を支えてくれているパートナーを敬う姿勢。スタートアップトップにアドバイスや支援を申し出ることができるのは経験者だけにしたいというメッセージも非常に印象的。

  • 特に7章の、「CEOの評価軸」が心に残った。
    上に立つ人はなにを明確にするべきかが書かれていて、これから少しずつ意識するべき事柄の方向の参考になった。
    この内容はCEOじゃなくても、意識することで仕事上の視線が上がるものだとも思う。

    にしても、大きな組織のトップって凄まじい…。

  • シリコンバレーの著名CEO・ベンチャーキャピタリストによる実体験から教訓と助言。 起業〜会社成長への実行過程で派生する様々な軋轢。きれいごとだけで無い泥臭さがある。 組織デザイン・ビジョン描写とストーリーテーリングこそが、良きCEOの資質。 そして何より、派手さよりも実直さと論理性。『困難な決断をするたびに、勇気を得る。』自分の弱さを認めた上で、困難に向かう。 対極的立場にある、サラリーマン管理職にとっても、多くの学びが多くありました。

  • スケールの大きな話が大きくて自分の状況に重なる教訓を得るには少し頭を使うが、いくつかの点は役立った。

    面白かったのは「会社の将来の成長を見込んで能力不足を判断してはならない」ということ。

    今の会社でなし得る力があるか、純粋にそれだけを見る必要があるというのは目からウロコだった。

    また、経営者のとてつもない苦闘がわかって自分の会社の社長への慈悲心がもてたのでありがたい(笑)

  • 良書。必要ある箇所は何度も読み返したい。 過去の絶体絶命のピンチの内容は読んでいるだけでこちらも胃が痛くなるほどの経験で、CEOはこういった経験が何度も襲ってくるんだと考えさせらえる。会社経営だけでなくマネジメント関連でもヒントが多く、悩んだ時に必要箇所を読み返すだけで答えがありそう。

  • 米シリコンバレーのコア中のコア、アンドリーセン・ホロウィッツの創業者ベン・ホロウィッツが、次々と深刻な困難に直面しうまくいかない時にどう考え行動し切り抜けたのかを紹介する。
    スター経営者に慕われる投資家からの極上のアドバイス。

    (会社経営という)困難なことの中で一般に適用できるマニュアルはない。即ち成功を保証する法則はない。
    しかし困難を経験してきた者のみが得られる教訓はあるし、それに基づいた有益な助言もある。
    「苦闘を愛せ。幸多かれ、夢の実現あれ。」

  • done

  • ○スタートアップに入社してからCEOになり、会社経営をするようになるまでの軌跡が臨場感溢れる描写で描かれている。ベンチャーキャピタルのビジネスモデルに一石を投じるシーンがワクワクする

    ◉ハリウッドのビジネスモデルを抽象化してベンチャーキャピタルへ転用する思考

    ★ビジネスモデルの「こんなことやっているのはこの業界だけだ」を見つけることができれば、ブレイクスルーのヒントになる

  • CEOとしての経験談について、広範囲に書かれている。
    もう少ししてから読み直したい。
    戦時のCEOと平時のCEOは役割が異なる。
    一人で決定するか、みんなで決定するかをその結果がうまくいった場合とそうでない場合の結果を4パターンで分類しているのは面白いと思った。

  • 期待していること: あほぼ谷(将来の親友)の作り方

    知ることに近道はない。表面で判断せずよく知る努力をしよう(あの言語は古すぎるとかかな)

    ちょっぴりのわがままがエッセンス 一日かけて準備したデート 相手が疲れてるらしい そこで僕は一日かけて準備したいちからおいで
    (何かが起きるかも こなくても自己中でさ片付けられる)

    ビジネス上の関係は緊張が強すぎて長続きしないか、緊張がなさすぎてわざわざ続ける必要がないらしい。
    またお互いに批判し過ぎてお互いの意見を気にも留めず意味がなくなるり
    理想の関係はお互いの誤りを見つけて気づきや発見を与え合える関係だと思う

    レイオフについて
    自分の頭をしっかりさせる、未来遠考える
    実行を先送りにしない
    レイオフの理由を自分で明確にしておく(いらない人を解雇ではなく会社の失敗で前に進むために優秀な人を手放さなくてはならない)
    管理職の人を訓練する。レイオフのことは人は必ず覚えている。会社のために精一杯働いた社員と向き合えるかどうかにかかっている。
    また会社が出せる支援などについて知っていふこと 行政の支援とかこっちでやれるように
    会社員に説明 メッセージは会社に残る人にも届くようにする。残る人はCEOが同僚をどう扱うかにかかっている。相応の敬意を払う。
    会社の失敗は私のせいである。だが私は未来へ進まなくてはならない。だがこのことをお詫びして一度だけ会社の代表として誠心誠意謝罪する本当に申し訳ない。
    みんなの前にいること!
    社員はCEOに会いたがっている。レイオフされた人は今でも自分が関係あるか気になっている。みんなと話レイオフされた人がまだ車に荷物を運ぶのを手伝おう。彼らの努力に感謝することが大事だ。
    マーケティング責任者のクビは彼がダメなのではなくあなたがダメだからだ まぁ気負いすぎないでね

    鉛の弾丸をたくさん撃つ 何にでもきく魔法の銀の弾丸を我々は探してしまいがちだ。市場に対して問題があるのに製品の方向性せいにしない。市場が買いたいのは優れた製品だ なら強力な優れた製品を持つライバルがいたとしても鉛の弾丸で相手にしなくてはならない(つまり正面から戦い優れた製品をこっちで作り上げること)
    その実力がないのならこの会社が存在する意味ってなんだろうと問う

    彼らが積み上げてきたものの時間よりも、私と喋る1時間の時間のほうが濃いものにしたい得られるものを大きくしたい


    いい組織とは人々が自分の仕事に集中し、その仕事をやり遂げれば会社にも自分自身にも良いことが起こると確信している。こういう組織で働けることは真の喜びだ。朝起きた時自分のやる仕事は効率的で効果的で、組織に変化をもたらすとわかってるし、それが彼らの仕事の意欲を高め、満足感をあたえる。

    不健全な組織はみんなが多くの時間を組織の壁や内紛や崩壊したプロセスの戦いに費やしている。自分の仕事がなんなのかさえ明確になっていないので、自分が役割を果たしているかどうか知る由もない。非常識なほど働いて仕事を成し遂げた奇跡的なけーすでさえ、それが自分や組織にとってどんな影響を与えるかわかってない。それらは事態を深刻化させる。しかもそれを告発してた経営陣が否定し問題を無視してしまう。

    表裏一体である
    物事がうまくいっている時に会社に居続ける理由
    1. キャリアパスは大きく開かれている 会社が成長するにつれ数多くの興味ある仕事への道が自然と開かれていくらだ
    2. 友達やあなたは最高の会社を他の誰もが最高だと気づく前に選んだ天才だ
    3. 一流企業の全盛期に働いていたことでらあなたの履歴書は価値が高まる
    4. 裕福になる
    でも物事がうまくいかなくなるとこれらは全て辞める理由に変わる。社員を会社に留まらせる唯一の理由は、その仕事が好きということだけだ。

    悪い業績でキャリアが停滞し裕福になれなくても、最高な会社で素晴らしい職場にすることはできる。もちろんすべきではないが彼らにとってそれは人生最高の職業体験であり、働きやすい職場だった

    IT企業は人が大事。人材基盤を作るために採用と面接のプロセスに力を割いているが、人への投資がここで止まってしまう。
    何人の候補者をふるいにかけ何人を面接し最終的に何人雇ったかというデータを念入りに記録しているスタートアップがあるが、生産的な人材をどれほど増やしたかという方が大事だ。
    来年彼らは二万時間会社のために働くならば時間がないとは言わず12時間(4回の講義)をとるべきだ

    マネージャーを採用 誰かをクビにしたことはあるかと聞きがちでも尋ねるべきはクビにした社員は自分が何を期待されていたか理解していたか、その期待を自分が達成できないと理解していたか?とあなたは確信できるか
    マネージャーは部下に対して明確な期待値を用意すると同時に、教育する。クビは業績のために行うもの、業績管理はいい加減なものになる
    エンジニアを教育し 創業時の美しい製品アーキテクチャのビジョンを引き継いでもらう そうしなければ美しかったアーキテクチャはフランケンシュタインとなる

    教育は人を繋ぎ止める 
    人がハイテク企業を辞める理由は主に二つ
    1. マネージャーがきらい 
    自分が受けた指導の的外れさ、キャリア開発やフィードバックのなさ正当ではない評価を受けていることに愛想を尽かしている
    2 何もおそわれない
    社員が新たなスキルを身につけるため、会社は投資していなかった
    教育はどちらの問題も正面から取り組める

  • 本当に難しいことは、マネジメントの自己啓発書に書かれていることではない。それは、目標を達成できないときに社員をレイオフすることや、優秀な社員が不当な要求をしたときに対処することのような現実的な問題への対応だ。そのような問題には決まった対処法が存在しないから厄介だ。

    ベン・ホロウィッツが直面した問題の数々は、ベンチャー起業家やベンチャーキャピタリスト、新規事業担当者であれば、経験したことがあるだろうものばかりである。本書はそのような難しい舵取りが求められる際にこそ改めて目を通すべき、金言集でもある。

  • Kindleで読んだ。私小説として面白かった。
    小澤 隆生「おざーん」さんの序文も味わい深い。

    Andreessen Horowitzは、技術とビジネスのバランスが筋のいいVCとしてレスペクトして動きをみている。

    Marc AndreessenがNetscapeやめて、AOLもやめてLoudCloudを立ち上げたとき、青空に雲のふわふわしたイラストのトップページと説明文をみて、なんとなくしたいことが分かるような分からないような… でもアンドリーセンだから、先見性あるすごいことをするんだろうな… と思いつつ、そのうちつまらなそうな社名 (OpsWare) になっていって、ありゃ、その後パッとしないな… と思っていた。

    昔からThe Internetのメタファーとしての雲 (くもくも) は使われていたけれども、クラウド資源をマネージする会社というのは、その必要性も僕には当時まだわからなかった。その中でどんなドラマが展開していたのか、今や本書を読めば赤裸々にわかる。

    ある程度大人になって、物事を切り盛りしていけば、きれいなことも汚いこともいろいろ遭遇するものだ。本書は「明日から役に立つ!」という性質の本ではないが、そんな大人たちの頭とからだを前向きにしてくれる、良性の「あるある」本だと思う。大人のあなたに、お手すきで一読どうぞ。

  • ベンチャー企業を経営するにあたってつらいことは何なのかが知りたくてしょうがなかった。起業することを目的にしているからだ。世の中の経営者の本はキラキラしていて読み物としてはいいのだけど、1番大事なことを伝えていないと思う。事前にありとあらゆる困難を思考実験することはとても大事だからだ。これで全て分かったわけではないけど、自分に足りないものが具体的になったし絶対に乗り越えてみせるという決意がみなぎってきた。

  • A16z共同創業者による名著。今読んでも勉強になる点が盛りだくさん。

  • - エピソードが具体的なので小説のような面白さがある。
    - 密度が濃く、内容が多岐にわたるので、情報過多になるが、ピンポイントに読むと学びが多いような本と感じた。
    - ***
    - 本書がすばらしいのは、次々と深刻な困難に直面した著者が、うまくいかないときにどう考えたか、どう切り抜けたかを紹介しているところだ。
    - 本書が良いのは、著者のベン・ホロウィッツがスティーブ・ジョブズのような天才ではないことだ。次々と襲う嵐に、すべてを解決する天才的な対策ではなく、とにかくいろいろな手を打ちまくって乗り切る。
    - このビルからの小さなアドバイスは、会社の建て直しに必要な土台になった。去っていく人たちを公正に扱わなければ、残った人たちは二度と私を信用しなかっただろう。恐ろしい、身の毛もよだつ、壊滅的な状況を何度か経験してきたCEOだけが、あのときのあのアドバイスを知っていたのだ。
    - 私の経歴の中で早くに学んだ教訓は、大企業でプロジェクト全体が遅れる原因は、必ずひとりの人間に帰着するということだった。エンジニアが決断を待って立ち往住しているかもしれないし、マネジャーが重要な購買の権限が自分にはないと思っているかもしれない。そういう小さな、一見些細なためらいが、致命的な遅れの原因になりかねない。
    - 自分の惨めさを念入りに説明するために使うすべての心的エネルギーは、CEOが今の惨状から抜け出すため、一見不可能な方法を探すために使うほうがはるかに得策だ。やればよかったと思うことには一切時間を使わず、すべての時間をこれからきみがするかもしれないことに集中しろ。結局は、誰も気にしないんだから。CEOはひたすら会社を経営するしかない。
    - 技術的負債と同じく、経営的負債は、一時しのぎの短期的な経営判断が、高くつく長期的災いを招く。技術的負債と同じく、トレードオフは時として理にかなっているが、多くの場合そうではない。さらに重要なのは、予期しないまま経営的負債を生じさせた場合、最終的に経営破綻を起こすことだ。  技術的負債と同じく、経営的負債のあらゆる形態を詳しく語るには種類が多すぎるが、いくつか特徴的な事例を挙げて概念を説明しよう。スタートアップによく見られるタイプの事例を3つ挙げる。 1  ひとつの役職にふたりを据える 2  重要な社員が引き抜かれそうなので、不相応な報酬を与える 3  実績管理も従業員フィードバックのプロセスもない
    - それに「正しい野心」の持ち主であれば、大勢がチームとして何か重要なことを成し遂げようと努力したことを「私がプレーした」などと表現することもないはずだ。「私の職務経験を充実させる」というのも、「自分メガネ」に凝り固まった人物に特徴的な言い回しだ。チームとしての成功を個人の成功の上に置いて考える「チームメガネ」の人物なら、そういう言い回しには落ち着かないものを感じるだろう。徹底的に「チームメガネ」で考える人物は、自分の成功体験について語る場合でさえ、「私は」とか「私の」という言葉を使うことが少ない。
    - 一般社員の場合には、それぞれが独自に自分のキャリアパスの充実を考えてもよい。しかし経営に携わる上級社員の場合には、動機が重要だ。間違った動機を持った人物に正しい結果を期待するのは危険な考えである。
    - 組織デザインで第一に覚えておくべきルールは、すべての組織デザインは悪いということだ。あらゆる組織デザインは、会社のある部分のコミュニケーションを犠牲にすることによって、他部分のコミュニケーションを改善する。
    - もちろん私はきみたちの事業は全然理解していなかったし、テクノロジー業界についてもほとんど知らなかった。しかし、ほとんどの上場企業のCEOや会長は苦境に陥ると、デスクの下に潜り込んで風を避けようとするのが普通なのに、きみたちふたりは私に会いにきた。そして巨大企業の経営者連中よりもきみたちのほうがはるかに決意が固く、これなら成功するだろうと確信させるものがあった。勇気と決意に投資するのは私にとって簡単な決断だった」
    - CEOの成績を統計に取れば、その平均値は100点満点で 22 点くらいだろう。こんな低い点数は、大学時代にオールAだった人間にとっては心理的に耐え難い。特に問題を難しくするのは、誰も平均点が 22 点だと教えてくれないことだ。
    - 私はこの言葉こそ起業家にとって、もっとも役立つ教えだと思う。  苦闘を愛せ。  今、私は日々起業家と接しているが、一番伝えたいのはこの教えだ。自分の独特の性格を愛せ。生い立ちを愛せ。直感を愛せ。成功の鍵はそこにしかない。私は彼らに前途に待ち受ける困難さを伝えることはできるが、困難に直面したときに何をすべきかは、彼が自ら判断する以外ない。私にできるのは、それを見出すための手助けだけだ。私はCEOでいる間、一度も心の平和を得られなかったが、運が良ければ時にはそれも得られるだろう。  しかし、世界中の助言と後知恵を集めても困難な物事は困難なままだ。最後に私は、困難に立ち向かうすべての人々に「幸多かれ、夢の実現あれ」という言葉を贈りたい。

  • CEO育成の書
    正しい決断=知性+勇気
    実践とその振り返りを通じてCEOを育成する
    天与のCEOは居ない

    日本はCEOを育てるのが苦手
    官僚主義に成ってしまう
    →最終的には「組織崩壊」

  • ベンチャー・キャピタルの会社の経営にいたるまでに、インターネット業界でスタートアップのCEOとして経験した起業、資金ショート、経営問題、売却交渉等で学んだ内容がまとめられている。
    多くの書評にも書かれているが、本書の特徴としては、単なる成功ビジネス本ではなく、むしろ直面した困難や危機、失敗といった負の側面にフォーカスしており、その経験を踏まえて良きCEOとは?会社を経営するとは?良い部下を育てる能力とは?といった振り返りを行っていることだ。
    個人的な感想としては、当然著者の個人的な体験に基づくリアルな体験だからこそなのだが、起業したり民間のスタートアップで働いた経験のない人にとってはリアルな場面を想像しにくいことで自分の中の腑に落ちなかった。
    しっかりと状況を理解し、著者の伝えるメッセージを嚙み砕いて自身の学びとできると大変良いことが書かれているのだとは思うが、著者のフィールドとは程遠い業界にいる自分にとってはイメージのしにくい内容が多かった。
    書評を覗いてみると、特に起業した会社のCEO経験者にとっては共感しかない内容のようだ。いずれにしても、こうしたスタートアップのCEOはその辺のビジネスマンとは比べ物にもならないほどのストレスにさらされ、広い視野が求められ、膨大な意思決定をしなければならいことが容易に理解することはできた。

  • ●要するにこういう本
    シリコンバレーの伝説となったネットスケープコミュニケーション社のプロダクトマネージャーだったベン・ホロウィッツが、次に興した事業で出くわしたあらゆる困難をつまびらかに記した本。ヒリヒリする内容と、ウィットに富んだセリフや言い回しが魅力的。

    ●なぜ読んだか
    名前は知っていたし、読みたいと思っていたが後回しにしていた。SNSで「これをレビューしてほしいです」とDMをいただいたので読むことにした。

    ●気になった箇所とその理由

    ・まず、全体の構成がユニーク。最初の3章は、まるでジェットコースターのように物語が進んでいく。ピンチを乗り越えようとしたその時にもっと大きなピンチがやってくる、というような。著者自身が会社を立ち上げ、HPに売却するまでの「HARD THINGS」がこれでもかこれでもかと畳みかける。たとえばこんな文面で。「つまり、御社は破産するまで3週間分の現金しかないということですね」(p.49)、「くそを食らうときは一口でないと」(p.56)、「私は何とか気分を高めようと、こう自問してみた『起きうる最悪のことは何か?』(略)もちろん、その質問で気分が楽になったことなど一度もない」(p.59)などなど……。著者に起きたハードなできごとが、ウィットに富んだ言い回しで具体的に説明される。セリフはとてもしゃれていて、中身はハラハラする。まるで映画や小説のようだ。その物語の後の4章からは、一般的なビジネス書的内容になり、経営哲学が寄せ集められたような章がいくつか続く。その後の7章あたりから、関連する内容が続いて読みやすくなる。著者がブログに書いたものをまとめた、と聞いたことがあるので、本の真ん中あたりはつながりが薄く読みにくい部分もあった。

    ・イントロダクションにいきなり書かれている。「本当に難しいのは、大きく大胆な目標を設定することではない。目標を達成しそこなった時に社員をレイオフすることだ(p.10)」。これは、日本で言うとリストラだろう。この言葉の通り、レイオフするときの状況がひりひりするくらいにリアルに描かれている。「去っていく人たちを公正に扱わなければ、残った人たちは二度と私を信用しなかっただろう」(p.68)と言っているように、著者は『一億ドルコーチ』のビル・キャンベルのアドバイス通り、去っていく人たちをリスペクトして、自分の非を認め、しっかりと説明したという。事業をやっている人がこういう場面に合うことは多くはないかもしれないが、もしリストラをする必要に迫られたら、絶対にこの本を読みなおすべきだと思う。そのために、いつか調べる辞書のように、手元に置いておくのだ。

    ・資金を個別調達するときのもっとも大切なルールは「一人の投資家を探せ」。すなわち「ノー」と言う他の30人は無視したほうがよい(p.43)と書かれていた。書き方がいい。これは当たり前と言えば当たり前のことだが、その渦中にあるときはそうは思えない。何十人もに断られたら、それを無視するのは難しい。そこで、「一人の投資家がいればいい」と書くのではなく、どこかにいるたった一人を探すのだ。この言葉が心持ちを強くするのだろう。本当にフィットする言葉は、同じことを言っていても、価値観を揺るがすのだと思う。

    ・『ベンが向こう半年間、私を必要としている』(p.82)これは、著者が大規模なリストラを終えた後、残った社員がどうすれば本気を出してくれるか考え、その社員に「家族(あるいは大事な人)にこう説明してくれ」と言ったもの。とても忙しくなるし、家庭に犠牲も強いることになる。でも、あなたが必要だから、家族にもそう説明してほしい、と言ったのだ。社員や一緒に働く人に、そのように説明することはとても大事なのだろう。でも、それを面と向かってするのはとても難しいはず(照れくさいとか、プライドとか)。ただ、それをするかしないかで、大きく明暗が分かれるのだ。子育ても、家族づくりも同じだろう。

    ・「時として、創業者だけがデータを無視する勇気を持ち合わせていることがある」(p.85)とある。データからするとこう決断すべきだが、創業者はそれを無視する勇気を持てるという。似たような話がp.291にもあった。それは、みんなが賛成しているのと逆のことを決断するという例だった。今、私が唯一リーダーをしているのはコミュニティの部活で、それはとても小さなものだし成功も失敗もないものだけど、そこで考えると何となくその意味が分かるような気がする。それほど決め事なんかはないのだけど、「これはこっち」と私しか思っていなくても、そう決めてしまうことがある。本当にときどきだが。事業だともっとシビアなのだろうけど、そういう直感めいたものを信じないと、経営やビジョンミッションみたいなものに一貫性が持てないのだと思う。それは必ずしも言語にはなっていないかもしれないが。

    ・苦闘とは(p.97)で始まるページがある。哲学者カール・マルクスの「人生は苦闘だ」という言葉が大きく引用されている。料理の味がわからなくなったり、自分がCEOであるべきだと思えなくなったり。そういうことがたくさん書かれている。さらに、そういうときに役立つかもしれないことばがほんの見開きほど書かれている。やはりきつい時にはこういうことを読むべきだ。経営者が大変な目に合う時は孤独なはず。だから、なかなか人に相談できないし、冷静な目で見られないと思う。リストラの時と同じように、苦闘の時にこのページを開くといいのだろう。

    ・鉛の弾丸を大量に使う(p.130)という話はとても印象的だ。厳しい時にはよいアイデアを探そうとするが、愚直な案をとにかく本気でがむしゃらにやらなくてはならない、という例。「銀の弾丸を探すのはやめることだ」という気のきいたセリフで書かれている。最近よく思う。やりたいことがたくさんあっても、本気で取り組むのは覚悟がいる。結局は、覚悟するかしないかないのだ。私が30歳にしてSEを辞めてライターになろうと決意し「本気でやればなんとかなるはず」と覚悟したように。

    ・p.150に書かれていること。「物事がうまくいっているときにはよい会社であることはさほど重要ではないが、何かがおかしくなった時には、生死を分ける違いになることがある」そして、物事は必ずおかしくなることがあるから、いい会社であることはそれ自体を目的にすべきだと。うまくいっていない時ほど、優秀な社員をひきとめておかなくてはならないのは、この本を読んで痛いほどわかった。そのためには、居心地のいい会社だったり、いい会社である必要がある。それは物事がうまくいっているときからそうすべきなのだ。この本に何度も出てくるビル・キャンベルの会社は、業績が思わしくなかったことがあった。だが、当時社員だった人たちは口をそろえて「人生で最も素晴らしい職場つのひとつ」と言うらしい。「いい会社」の何たるかは「WHO YOU ARE」を読むといいのだろう。

    ・平時のCEOと戦時のCEOの話は興味深い(p.60、p306、p.309)。著者はほぼ「戦時のCEOだった」のだという。平時と戦時で、CEOの振る舞いは大きく変わるのだという。CEOはそれをわかっていなくてはならない。平時のCEOは勝利の方程式を知っており、戦時のCEOは偏執的だ、と書く。確かに、厳しい環境で平時のCEOのように方程式通りの正攻法を使ってもうまくはいかないのだろう。こういう分類があるとは知らなかった。2種類のCEOは同一ではないのだ。できる人は正しい戦法をしっているのだろうと考えていたが、戦時には何が成功するかもわからないままに、作戦を遂行しなくてはいけないのだろう。

    ・他に、いわゆる気の利いた言い回し(ジョークのような)がおもしろかった部分を抜粋する。まだまだたくさんあるけど、一部だけ。

    「『もしアイスクリームの栄養価がブロッコリーと同じだったらどうする?』と聞くようなものだ」(p.40)
    「スタートアップで一番良いことはなんだか知ってるかい?」「なに?」「2種類の感情しか体験しないこと。歓喜と恐怖さ。しかも、寝不足がその両方を促進するんだ」(p.45)
    「ついに困難を脱したように感じた。もちろん、それは間違いだった」(p.72)
    「特に問題を難しくするのは、誰も平均点が22点だと教えてくれないことだ」(p.280)
    「一体何をしていいかわからないと感じるなら、CEOクラブへようこそ」(p.321)
    「私は今の今でも、アーンスト&ヤングを憎み嫌っている」(p.339)

  • 読み応え、得るもの満載でした。
    著名なベンチャーキャピタルであり、起業家でもあった著者の起業時代の、スリリングというより倒産の恐怖に満ちたストーリーと克服した経験から来る、会社運営のあらゆる根幹についての教訓。

    起業家、企業を目指す方にはもちろん、雇用される側にも役立つものが多いと思います。

  • 中身を開けて難しいと感じた。ざっと見たがCEOなどの文字が並んでいたことから起業家向けの本であると考える。つまり今の自分にはまだ早いためいつか起業して自分が経営に悩んだ時にぜひこの本を手に取りたいと思う。その日がくる日を待ち侘びている。

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著者プロフィール

ベン・ホロウィッツは次世代のテクノロジー企業のリーダーとなる起業家に投資するベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の共同創業者兼ゼネラル・パートナー。ニューヨーク・タイムズのベストセラー『HARD THINGS』(日経BP)の著者でもある。アンドリーセン・ホロウィッツを立ち上げる前はオプスウェア(旧ラウドクラウド)のCEO兼共同創業者を務めた。ラウドクラウドは2007年にヒューレット・パッカードから16億ドルで買収されている。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でコンピューターサイエンスの修士号を取得。またコロンビア大学でコンピューターサイエンスの学士号を取得している。妻と3人の子供と共にサンフランシスコ・ベイエリアで暮らしている。

「2020年 『Who You Are(フーユーアー)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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