リスを実装する (Kindle Single) [Kindle]

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  • 2015年4月26日発売
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (18ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 自動化に職を奪われた男は何時しか″リス″をプログラムする様になる。″リス″について語られる場面はほのぼのとしていながらもプログラミングについて興味を覚えさせられ、″男″の人生について語られる場面には哀愁を覚えた。不思議と同情は湧かない。プログラムするものとされるモノが反転する最後は、何故か胸へ刺さる感覚となって残っている。

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  • 「リスのマークは毎朝6:00に起床する。巣を整えたり、木の実を拾って食べたり、たまに埋めてみたり、また掘り起こしたり。そのマークを観察する1人の男性。今日のマークの、そして彼の行動は?」

    題名から、リスの活躍する話かな?と思って読み進めたので

    リスかわいいなぁ・・・え?そっちが主人公?リスあんまり関係ないのね?

    と戸惑ったけど、オチでちゃんと納得した。

    夢とは、現実とは、誰が決めているのか。どうなれば現実に起こった事だと証明できるのか。

    ファンタジーなんだけれど、彼の仕事に関する部分はすぐにでも現実になりそうで、なのに彼の生活はなんだか浮世離れしていて。

    なんて不思議で面白いバランス!!すごく好きな作品だ!!マークもかわいいし!!

    こんにちは、世界。
    彼には世界がどう見えていて、今夜はどんな夢を見るのかな。

  • プログラム書いたことある人なら、円城塔さんの入門に最適ですね。

    考えることが楽しいアイディアが散りばめられた短編です。
    例えばオリジナルの物理法則の中でどのような挙動をするか考えること(これを突き詰めるとイーガン的でもあり)。
    マークはプログラムのログとして立ち現れるが、それでは私達の現実は私達が観測することで存在しているのか。

    本小説は感傷的になりそうな文章を論理で整然とまとめられており、他の作品もそうではありますが逆に著者の小説観・悲哀というものが立ち上がるくるのは面白いところです。

  • むつかしかった、、、近未来的世界で、家族を失って、電脳世界のリスしか主人公にはもうほかにない、のかな
    数学的というか、不思議な世界観でハマる人にはハマりそうな感じ。

  • 初読みの作家さん。
    円城塔作品は難しいというイメージがあって敬遠してたけど、思ったより読みやすかった。

    タイトル通り本当に「リスを実装する」お話だったとは。
    ディスプレイを流れる文字に、森を走り回るリスの姿を見ながら、自らの過去を回想する主人公 野実実。
    読みやすいけど、独特の世界観で決して分かりやすい訳ではない、と思う。
    でも、この作家さんの言葉のチョイスがとても好み。
    他の作品も頑張って読んでみようかな。

  • 不思議な世界観の話。
    デジタルのリスを飼っているひとりの男性の今の境遇の説明みたいな感じ。

  • 発売時にそのタイトルに惹かれたものの、つい読むのをのびのびにしていたもので。

    「実装する」はオンラインゲームを楽しむ人や、プログラムを組まれる人にはなじみのある語だろう。タイトルに使うということで奇想っぽい演出の意図が優先しているのかと思ったらかなり違った。タイトル通り、「リスを実装する」お話。

    実装されたリスの機能分割をまじえた描写も面白く、リス一辺倒の話かと思って読み進めたところ、それを扱う人間の人生が現れる。エモーショナルに書けばいくらでも寂しさあふれる斜陽的な小説として書ける素材だけど、本来小説を記述するものではない表現で書かれることで、突き放したドライな感触と、別な形でのリアリティが現れるのが面白かった。

    それにしても円城作品って、読むといつも、主人公の置かれた周囲数メートルの環境以外は白バックの何もない空間でことが起こっているように思えるのはなぜだろう。

  • 30分ほどで読み終えた。
    だからといって、内容が薄いわけでもなく、
    短い小説に細かい仕掛けがあり、
    読後すぐに再読したくなる。
    円城塔さんの入門的な小説だと感じた。
    これが面白いと感じれば、円城塔さんの
    他の作品も楽しめると思う。

  • dream=0,-1...現実と夢の違いはそれだけ。

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著者プロフィール

円城塔(えんじょう とう)
1972年、北海道生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。複数の大学で研究員を務める。34歳の時、研究を続けることが困難となり、2007年にSEとして一般企業に就職。2008年に退職、専業作家となる。
デビューのきっかけは、研究のさなかに書いていた「Self-Reference ENGINE」。各所で認められデビュー作となった。2007年『オブ・ザ・ベースボール』で第104回文學界新人賞、2010年「烏有此譚」で第32回野間文芸新人賞、2012年『道化師の蝶』で第146回芥川賞、同年『屍者の帝国』(伊藤計劃との共著)で第31回日本SF大賞特別賞、第44回星雲賞日本長編部門をそれぞれ受賞。他にも2012年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)、2017年「文字渦」で第43回川端康成文学賞をそれぞれ受賞している。
その他代表作に『これはペンです』『エピローグ』などがある。「新潮」2016年5月掲載号で川端康成文学賞を受賞した短編小説、『文字渦』が2018年7月に発売された。

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