図書室の海(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!恩田さんのはいくつか読んだ中で、あちこちで人気になった長編ではなく、今のところ『Q&A』が実はいちばん好きで、それと合わせて考えると、わたしが恩田さんの書くお話で好きなのは「魅力のある未完の雰囲気」なんだなあ、と改めて感じた。この本の中では最後の「ノスタルジア」がいちばん好き。「国境の南」も好きだけど、更にそこより終わりを投げているというか、無理に終着させていないかんじ。

    「訳のわからなさ」「未完の雰囲気」を書くのってものすごく勇気も技術も必要だと思う。終着させれば自分としてもしっくりくるし、読む人も質にかかわらず納得はできる。しかも、意味不明なことを羅列させて分からないというのではなく、ひとつひとつの思考はまったくおかしいところはなくて、わたしたちが実際にぼんやりするような思考の移り変わりを経て、本当に夢に見そうな出来事を経て、気付いたら知らない風景のところにいる、そんなかんじ。あとがきを短編ごとに読めるのも良かった。恩田さんの魅力の詰まった一冊でした。

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プロフィール

恩田 陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。幼少期は名古屋、長野、富山、仙台などを転々とする。高校時代は茨城県水戸市に在住。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。
1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞を受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。

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