企業組織において、エージェントとプリンシパルの間に生じるモラルハザード問題を説明するエージェンシー理論にフォーカスした論考。モラルハザードは、情報の非対称性と利害の不一致が生じている時に生じ、エージェントがプリンシパルにとって不利益な行動を取るようになる。これはまさに実際のビジネスの場でも起こっていることであり、これをいかに解消するのかということが重要な問いとなる。
本稿ではモラルハザードに対して、利害の不一致にはインセンティブ、情報の非対称性にはモニタリングを行うことによって対処すると述べているが、これによる副作用もあり、決して簡単なことではない。プリンシパルは、基本的な対処は行いながらも、いかにエージェントの有益な行動を引き出すのか(組織文化など?)ということを考える必要があると感じた。