アルジャーノンに花束を〔新版〕 [Kindle]

  • 早川書房 (2015年3月10日発売)
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みんなの感想まとめ

人間の知能と感情の成長、そして衰退を描いたこの物語は、主人公チャーリーの心の変化を通じて、深い感動を呼び起こします。幼児並みの知能を持つチャーリーが、手術によって高いIQを手に入れる過程は、彼の人生に...

感想・レビュー・書評

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  • 経過報告1 2025年6月20日
    この朝、わたしは夢を見た。
    大学時代だ。もう何度も同じシチュエーションだ。再入学している。今度こそ、充実した大学生活を過ごすぞ。もう失敗はしない。そのつもりだったのに‥‥。また、無為の数年間が過ぎ去り、時間がなくなっていく、そのパターンを繰り返す夢だ。
    今朝は違った。
    という事だけが鮮明だ。初めて出逢う同学年が、わたしの両隣になった。1人は自己紹介カードは稚拙で、よくこの大学に入れたなという男。1人は最初から教授に反抗的で、何かを企んでいる男。何か起きそう。というところで目が覚めた。

    チャーリー・ゴードンが脳の手術をして未だ間もない4月後半の頃。IQが70から100をあっという間に越えた辺りを聴いていてからの夢である。これは、チャーリーの意識と潜在意識に関する「経過報告」と関係あるのかな。

    「アルジャーノンに花束を」は名作かつ、何度も映画化TVドラマ化されたので内容紹介は省く。実は初読。今回audible化されたので挑戦。多くの人が躓(つまず)く「IQ70の拙い文章」は、池澤春菜が巧妙に朗読してくれてすんなり行った。


    経過報告2 2025年6月26日
    19時半を過ぎて、家路を辿る途中の車中で、この14時間もかけたaudibleを聴き終えた。ちょうど山際に太陽が沈む間にわだった。初読だけど、最後の一文は知っていた。それでも不覚にも嗚咽しそうになった。まさかこんなに早く最終行がやってくるなんて予想してなかった。訳者後書きが23分もあったなんて。終わりは、殆ど秋の釣瓶落としじゃないか。訳者の言うように、今はチャーリー・ゴードンに同情して涙ぐむ時期なのかもしれない。次に読んだ(聴いた)ときは、もう一段階に変わっているだろうか。

    「誤解しないでくださいよ。知能は人間に与えられた最高の資質のひとつですよ。しかし、知識を求める心が、愛情を排除してしまうことが、あまりにも多いんです。これは、僕がごく最近、1人で発見したんですがね、これをひとつの仮説として、示しましょう。即ち、愛情を与えたり、受け入れたりする能力がなければ、知能というものは、精神的道徳的崩壊をもたらし、神経症ないしは精神症すら引き起こすものである」
    チャーリーのIQが最高に達した時に、酔っ払って語ったこの「仮説」が、チャーリーが論文に書いた「アルジャーノン・ゴードン効果」よりも重要だとわたしは認識する。
    「与え」は出来てないけど、これまで人間やってこれたのは、「受け入れ」る能力は人並みにあったんだろうなと自分を顧みた。


    経過報告3 2025年6月27日
    「アルジャーノン」に関する夢は見なかった。あの続きを見たかったのだけど、それは忘れた頃にやってくるのかもしれない。チャーリーのように。

    余韻が烈しい。時にはキリアン先生ことアリスの気持ちになり、時にはパン屋店員ギンピィの気持ちになり、時には父親マットの気持ちになり、チャーリーの経過報告を思い出している。いつまで覚えていられるんだろうか。

    地球の地軸が回転して、人類の上に何千億回と昼と夜がやってきて、バブバブの赤ん坊から、青年に、壮年に、そして何も解らぬ老年になってゆくことを繰り返してきた。チャーリーは、わたしだ。「私は人間なんだ」何度もチャーリーが繰り返す、この言葉が、日常的に出会っている認知症の老人たちとこのことばと、自分と重なって、暫くはぐるぐると回ることだろう。

    • Biancaさん
      kuma0504さん、こんにちは!
      私をフォローしてくださって、ありがとうございます。 
      怠け者なので自分ではあまり感想を書いていませんが、...
      kuma0504さん、こんにちは!
      私をフォローしてくださって、ありがとうございます。 
      怠け者なので自分ではあまり感想を書いていませんが、kuma0504さんの幅広いジャンルの本の感想を楽しみに読ませていただきます(私も書きますね)。
      2025/07/02
    • kuma0504さん
      Biancaさん、
      フォローありがとうございました♪
      私は好奇心の塊ですから、いろんな方面に興味があるんです。
      読みたい本は多く、人生は短い...
      Biancaさん、
      フォローありがとうございました♪
      私は好奇心の塊ですから、いろんな方面に興味があるんです。
      読みたい本は多く、人生は短い。
      だから、出来るだけ流行本は読まないように努力(あくまでも努力です)しています。
      宜しくお願いします(^^)。
      2025/07/02
    • Biancaさん
      わかります!常にいろいろな方向にアンテナを向けていたいですね!
      私も流行りものは避けたい方なのですが、今はめちゃめちゃ人気の本を読んでおりま...
      わかります!常にいろいろな方向にアンテナを向けていたいですね!
      私も流行りものは避けたい方なのですが、今はめちゃめちゃ人気の本を読んでおります(≧∀≦)
      これからどうぞよろしくお願いします!
      2025/07/02
  • こちらもブクログの評価が高く、気になっていた一冊。
    凄く有名な作品だが、未読であった。

    主人公チャーリーは、32歳だが、幼児並みの知能しかない。
    それでもパン屋で仲間に囲まれて楽しく暮らしていた。

    そんな彼に、大学の先生から頭を良くしてくれるという話が舞い込んだ。

    白ネズミのアルジャーノンを競争相手にし、連日検査を受ける。

    手術により、彼は高いIQを手に入れるが、、、


    チャーリーの日記形式で綴られている。
    IQが低い時は、ひらがなだらけ、漢字は間違っており、てにをは、句読点が悲惨な文章。
    読みにくいことこの上ない。
    読み続けられるだろうかと不安が重なった頃、チャーリーは手術により高いIQを手に入れる。

    そこからの文章は急激に読みやすくなるのだが、彼の知識が増していく毎にまた更にどんどん読みにくく(笑)
    私のIQを超えすぎたんだろうな(笑)

    翻訳物の独特なよみにくさがあるため、あまり感情移入は出来なかった。

    チャーリーが賢くなっていくことで、昔を思い出し、過去の出来事の意味を高いIQの知能で知った時、何が本当の幸せなのだろう?と思った。

    読み終わってから、もう一度序文に戻った。


    共感する心を教えるべきだ。


    なるほど、、、
    この物語を読み終わった時に序文を読み返すと、甚く心に染みる言葉だ。

  • 32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイ・ゴードン。そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。この申し出にとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、連日検査を受けることに。やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫り、全世界が涙した現代の聖書(バイブル)。
    -------------------------
    読み始めたときは、ひらがなと誤字の羅列で(これはわざとだけど)とても読みにくかったので、読み進めるのが大変でしたが、手術が済んで、IQが高まっていくにつれて、今度はとても難しい内容の文章になっていく。それもこの小説の特徴だと思う。
    そしてまた、最初のページのような拙い文章に戻っていくのだ・・

    人はIQが高ければそれでいいのか?いや人間には忘れてはならない何かがある。
    それを彼は当初持って生まれた。でもとても知能が低かっただけだ。。
    手術を受け、IQが徐々に高まるにつれ、過去のいろいろなできごとが実は
    とても悲しいできごとであったことを、彼は知ることになる。
    知らなくて良いことを、知る悲しみ。
    知らなかったからこそ、幸せだった何かが彼にはあったが、それはもう取り戻せないのだ。
    人間の本質をとことん考えさせられた良い小説。
    いつまでたっても、忘れてはいけない話だと思った。
    心に大切にしまっておきたい。

  • 頭の良くなる手術を受ける前のチャーリーは、知能が低く子どものようだけど(33歳)それなりに幸せ。
    手術を受けた後のチャーリーは、驚異のスピードであらゆる分野の知識を習得して天才になるが、鋭いナイフのように研ぎ澄まされた人格となって、時に周りの人を傷つける。
    手術の効果が切れて今度は急速に知能が衰えていくチャーリーは、昔のチャーリーのようだけど同じではない。知能を高めようと努力しても上手くいかないとわかった時、この先を達観したような文章を残すところが切ない。
    「どうかついでがあったら裏庭のアルジャーノンのお墓に花束をそなえてやってください」という最後の言葉。
    余韻が残っていろいろと考えてしまう。

  • 本屋に行くとかなりの確率で目立つ場所に陳列されおり、ずっと気になってたのですがようやく読めました。
    作品では終始一貫して主人公のチャーリーの言葉で語られてるので、チャーリーの心の変化がヒシヒシと伝わって心動かされました。
    チャーリーの一生を一緒に体験できた気分で、読み終わった時旅行から終わった気分でした。

    あと、訳者の方のあとがきも感動しました。

  • ダニエル・キイスのアルジャーノンに花束ををもう一度読みました。

    この本は20代の頃に読んで気に入っている物語なのですが、主人公が成長していくときの状況と衰えていくときの状況が両方描かれているので、老境に入ったらまた感じるものがあるのかな、と思っていました。
    実際に還暦をすぎて読んでみると人は成長してそして衰えていくという自明のことが書かれていると感じました。

    若い頃はチャーリーに感情移入して感動したのでしたが、読み直してみると、みんな同じなんだよな、という静かな諦観を感じました。
    アルジャーノンの墓に野の花を捧げに行きたいと思いました。

  • 辛い話だったなぁ。
    障害者を障害者として見ないで欲しい反面、どうしても付き纏う周りへの世間体。綺麗事では決して無い現実と希望、そして欲望。知能を持つことによる責任、人格といった人間のエゴを無の状態で負う主人公。そして現実を知る。人生は上手くいかない。
    最後の最後まで知能に抗う姿を見て、私は、この本に出会えて良かったと感じた。

  • 有名な名作。昔テレビドラマで見てなんとなくは知っていましたが、改めて原作を読んでみました。

    32歳ながら知的障害を抱え6歳程度の知能にとどまり、両親からも見捨てられ、パン屋で働くチャーリィ。頭がよくなりたいという強い願望を持つ彼は、ある日実験室に連れられアルジャーノンという迷路解読の天才ネズミと友達になる。
    チャーリィはアルジャーノン同様の特別な手術を受け、急速に大天才へと変貌を遂げる。飽くなき知的好奇心と吸収力を持ち、史上稀な賢人となるが、精神面の発達はその知能面の発達に遠く及ばない。他者が彼に抱える複雑な感情を理解できず、傲慢さも抱え、以前の「友人」や自らの能力向上に寄与した学者たちとも微妙な関係になる。
    そして彼はアルジャーノンの不思議な素行に気づき、そこから自らの行く末をも知る。恋心を抱えたアリス先生、パン屋の屈折した同僚たち、養護学校の博愛的な教員たち、そしてチャーリィから距離を置いた肉親たち。

    昔の記憶を取り戻すチャーリィが、友人と思っていたパン屋の同僚や地元の人間に非人道的な扱いを受けていたことを思い返すシーンは痛ましい。また妹が思春期を迎えたころ家族から距離を置かれるようになったのも、重苦しいが母親の判断も理解ができる。「知らぬが仏」ではないが・・・
    知識の増進と精神の発達の乖離を経験したのち、『知能は人間に与えられた最高の資質のひとつですよ。しかし知識を求める心が、愛情を求める心を排除してしまうことがあまりにも多いんです。』というチャーリィの言葉は本書の重要なテーマ。そして彼は、急速に得たものをより急速に失いながら、自らの強い意思で、絆を持った人たちのために、養護学校へと向かう。

    昔ドラマを見た際は、「こんなことなら手術をしなければ」と科学者たちを非難する思いを感じた記憶があった。改めて読み返し、チャーリィの能力向上を図ったニーマー博士やストラウス博士たちは(それなりの私欲を持ちながらも)マッドサイエンティストでもなく功名心だけでもない人間だし、自分もそのような可能性を手に入れたら試す機会を伺うだろう。
    もちろんハッピーエンドでないが、チャーリィが他者に与えたものは残っている。心を打たれる一冊でした

  • ずっと賢くなりたいし、それは今も変わらない。周りの人たちと同じように、ケアレスミスなく図面を出して、手戻りなく開発したい。
    でも本当に困っているのはそんなレベルのことではなくて、頻繁に忘れ物をしたり、出発時間前にバタバタしたり、失言をしたり、服を汚したりコップを倒したりしない生活が送りたい。普通の人たちと同じように普通のことがしたい。 
    治療が投薬専門の病院できちんと診断をうければ集中するための相応の薬が貰えるかもしれないが、鬱の薬のときと同じで、どんな薬でも離脱症状に伴う無力感に襲われるだろう。
    それでも良いから、一回だけでも望むノーミスな、完璧な日常を送ってみたい、という誘惑と闘うときに思い出す。
    アルジャーノンに花束を。

    もしかしたらチャーリーのような障がいのある人と貴女を一緒に考えるのは違う、と批判的に思う人もいるかもしれないが、私にとっては中学生で初めて読んだ時以来、ずっと自分の問題だ。

    アルジャーノンに花束を。 

  • なかなか重い作品だった。想像していたのとは全く違った内容だった。もっと温かみのある作品かなと想像していたんだが。まず一番の感想はよくこの作品を翻訳できたなということだ。原文を見ていないのでわからないが、知的障害者が書いた文章を想定しているので、おそらく文法ミスやスペルミスが多々あるだろう。それから、やはり知的障害者とのコミュニケーションについて考えざるを得ない。知的障害と言っても軽度から重度までいろいろレベルがあるだろうし、どのように接していいかはなかなか難しいと思った。

    これから読む人へのアドバイス:
    最初の10%は知的障害者の書いた文章なので読むのに苦労するし時間もかかると思う。でも頑張って読み進めて欲しい。途中から楽になるので。

  • はじめの序文にある作者の文を、全部読み終わった後にもう一度戻って読みました。『知能というものは点数だけではない、他人に対して思いやりを持つ能力がなければ、そんな知能など空しい』とあるように。作品はまさにそうだったと感じます。
    頭がいいことはもちろんいいことだけれど、もっと大切なことを教えて学んでいかなくちゃならないと心から思えました。
    この作品の作られた時代的なものもあり、知的障害者への差別的な箇所があり、とても心苦しいところもあります。チャーリーにも花束を贈りたい。

  • 老いるまでに出来ることを出来るうちに、悔いのないよう時間を大切にしていきたいと思いました。

  • 動画を見ていたら、たまたま本の紹介をしている動画が流れてきてこの本が紹介されていたので気になって読んでみました!

    主人公は、大体30歳なのですが病気で知能があまり成長していなく心情などもとても単純で人々からは遠ざけられていました。しかし、そこに博士が現れ頭を良くしてくれると言い、主人公の世話をしている人が手術をお願いしました。ネズミもその手術をしており、主人公がどんどん頭が良くなっていくというお話です。主人公の日記として描かれているので頭が良くなるとどんどん誤字脱字も減っていき、1番頭が良かった時はとても難しい言葉などがたくさん使われておりところどころどういう意味かわからないものも出てきました。
    最初は頭良くなるなら手術しちゃえ!と思っていましたが読んでいくうちに純粋だった主人公がどんどん心情が複雑になっていき、気難しい人間になってしまいました。頭が良くなるってすごくいいことだと思うけど、いろんなことを知れば知るほど悪い方向に進んでしまうこともあり、自尊心に溺れて他人が見えなくなってしまうこともあるんだなととてもゾワゾワしました。そして主人公の周りの人も優しくしているように見えたけど本当は都合よく扱っていただけで賢くなるとどんどん対応が変わっていく描写が人間の本性について鮮明に書かれているなーと思いました。

    最初の方がちょっと誤字脱字が多くあまり理解できない部分があってそこがちょっと残念かなーっと思いました。

    頭が良くなりたい人や複雑な心情に悩まされている人はぜひ読んでみてください!

  • まず読み終えた感想として…何本も自己啓発本を読むよりもこの本を読む方がメンタルにパンチを喰らったような衝撃がある。そして読了した年月でこの本の感想が「変わりそう」な点が凄い…今の自分の年齢だと感動よりも悲劇性の方に目線が映ってしまいました。
    これ程救いが無いストーリーは人生初でこの内容のまま映像化は無理じゃないですか?文章だからこそのチャーリーの言い回しが表現できる部分がありそれがある種のホラー要素を纏ってると感じましたし。
    登場人物が正直良くも悪くも「人間らしい」を集めた人しか登場しません。我が強いし読んでいる途中ではこいつ悪いな~とか思って読んでましたけど。終わるとこのキャラの心情・行動について絶対に自分はそんな事しないって言える人いないと思います。少なくとも自分は言えないです。障害者を普通の人であるか異端者としてとるかは同調圧力もありますし子供の頃とか下にみてた記憶ありました。
    あのエンディングは…もう何も言えないです、、、当初どん底にいたチャーリーが更に下にいって這い上がろうとする姿はもう涙しかなかったです。

  • 最初から最後まで、それこそ経過報告を読む第三者視点 で割と冷静に読み進めていたのだが、最後の10ページで涙がボロボロ出てきて止まらなくなってしまった。
    悲しいのか感動なのか哀れみなのか、一回読んだだけでは咀嚼しきれていないんだと思う。10年後読み返したらまた違った感想になるのかな。

    この本を勧めてくれた方に感謝します。


    手術前のチャーリィが書く稚拙な「けえかほおこく」から、小難しい専門用語を用いた「経過報告」へと変わっていく様を、日本語独特の平仮名やカタカナを用いてわかりやすく表現されていたことに驚いた。原書だとどうやって表現しているんだろうか。

  • 日本のドラマでも昔見たことがあるので、読んだ。

    知的障がいを持つ青年が知能を良くする手術をする。
    すごい話である。

    5番目のサリーもそうだが、ダニエル・キイスは心理学を学んでいたから心の中に別の人格が現れることを描くのが上手い。

  • 主人公のチャーリーは知的障がい者。
    みんなと仲良くなりたくて、そのために頭が良くなりたいと強く思っています。
    ある日彼は頭が良くなるからと医師から説明され、知能を向上させる手術を受けますが…。

    ・障がい者のチャーリーが過去に受けてきた差別や虐待
    ・人間への身体的実験に関する倫理的問題
    ・自分の運命を悟った後も経過報告として自分と向き合い続ける懸命さ
    ・無意識と意識

    母親と妹と再開したシーン、パン屋に戻ってきた時に仲間が守ってくれたシーン、アリスが泣きながら教室を飛び出すシーン…、次から次へと涙が出てきました。
    最後の追伸ではチャーリーの無垢で愛しい心が伝わってきてさらに泣いてしまいました。

    何度も読み返したくなる作品でした。いろいろと考えさせられます。

  • 終盤がせつない。
    これ初めて読んだの高校生の時なのに、内容をよく覚えてた。
    それくらい印象が強い。

  • どの場面においても良い感情を抱けなかったし、泣ける小説として宣伝されているが、私には理解できなかった。
    主人公を考えると虚無感を強く感じた作品。

  • 再読。
    新版は日本の読者へのメッセージがありますね。あれは自己の感想に影響を与えてしまうので最後にもってきてほしいですね。

    陰と陽の通り道。一生を猛スピードで投影した物語。社会派小説。そして彼にはすばらしい先見の明があった。

    プラトンの国家の引用は読んでませんがその中の「洞窟の比喩」は
    この物語をより深めてくれそうです。
    簡潔な概要はコチラがわかりやすかったです↓
    https://zunolife.com/cave/#%e3%82%a4%e3%83%87%e3%82%a2%e8%ab%96%e3%81%ab%e5%bd%93%e3%81%a6%e3%81%af%e3%82%81%e3%82%8b%e3%81%a8
    終盤のシーン鏡映しにした世界の真理が過去のチャーリーと作られたチャーリーを通して読み手に語りかける。
    膳なる面との葛藤過程。

    人間の尊厳を保つものは知能でもないし
    知識や知能は目的ではなくただのツール。
    両方のチャーリーが満たされたものは「愛」だと思います。
    人は忘れてしまう生き物ですが、暖かい平和と調和のシンフォニーで満たしたいと心に留めておければと。

    彼は失ったものも多いけれど、平和を取り戻した。

    あと、
    あんな前(1959年)から薬物療法としての酵素の効果って研究されてたんですね。

    ◆経過報告:
     34年前私は何に衝撃を受け、この作品を未だ大切に思うのか。事細かく記しておけば良かったと思います。
     中坊の思春期、最も惹かれた要因はおそらく続くキイス作品においても自己投影からの「反省・同情」だったのではと思います。
    その面では教養として良い本。
     今読むと家を出たあとは、彼は幸せな一生を送ったのだと少なからず思います。

     私らも老いていずれは本も読めなくなるのだなぁ。

     

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