- Amazon.co.jp ・電子書籍 (372ページ)
感想・レビュー・書評
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こちらもブクログの評価が高く、気になっていた一冊。
凄く有名な作品だが、未読であった。
主人公チャーリーは、32歳だが、幼児並みの知能しかない。
それでもパン屋で仲間に囲まれて楽しく暮らしていた。
そんな彼に、大学の先生から頭を良くしてくれるという話が舞い込んだ。
白ネズミのアルジャーノンを競争相手にし、連日検査を受ける。
手術により、彼は高いIQを手に入れるが、、、
チャーリーの日記形式で綴られている。
IQが低い時は、ひらがなだらけ、漢字は間違っており、てにをは、句読点が悲惨な文章。
読みにくいことこの上ない。
読み続けられるだろうかと不安が重なった頃、チャーリーは手術により高いIQを手に入れる。
そこからの文章は急激に読みやすくなるのだが、彼の知識が増していく毎にまた更にどんどん読みにくく(笑)
私のIQを超えすぎたんだろうな(笑)
翻訳物の独特なよみにくさがあるため、あまり感情移入は出来なかった。
チャーリーが賢くなっていくことで、昔を思い出し、過去の出来事の意味を高いIQの知能で知った時、何が本当の幸せなのだろう?と思った。
読み終わってから、もう一度序文に戻った。
共感する心を教えるべきだ。
なるほど、、、
この物語を読み終わった時に序文を読み返すと、甚く心に染みる言葉だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本のドラマでも昔見たことがあるので、読んだ。
知的障がいを持つ青年が知能を良くする手術をする。
すごい話である。
5番目のサリーもそうだが、ダニエル・キイスは心理学を学んでいたから心の中に別の人格が現れることを描くのが上手い。 -
辛い話だったなぁ。
障害者を障害者として見ないで欲しい反面、どうしても付き纏う周りへの世間体。綺麗事では決して無い現実と希望、そして欲望。知能を持つことによる責任、人格といった人間のエゴを無の状態で負う主人公。そして現実を知る。人生は上手くいかない。
最後の最後まで知能に抗う姿を見て、私は、この本に出会えて良かったと感じた。 -
どの場面においても良い感情を抱けなかったし、泣ける小説として宣伝されているが、私には理解できなかった。
主人公を考えると虚無感を強く感じた作品。 -
最初から最後まで、それこそ経過報告を読む第三者視点 で割と冷静に読み進めていたのだが、最後の10ページで涙がボロボロ出てきて止まらなくなってしまった。
悲しいのか感動なのか哀れみなのか、一回読んだだけでは咀嚼しきれていないんだと思う。10年後読み返したらまた違った感想になるのかな。
この本を勧めてくれた方に感謝します。
手術前のチャーリィが書く稚拙な「けえかほおこく」から、小難しい専門用語を用いた「経過報告」へと変わっていく様を、日本語独特の平仮名やカタカナを用いてわかりやすく表現されていたことに驚いた。原書だとどうやって表現しているんだろうか。
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再読。
新版は日本の読者へのメッセージがありますね。あれは自己の感想に影響を与えてしまうので最後にもってきてほしいですね。
陰と陽の通り道。一生を猛スピードで投影した物語。社会派小説。そして彼にはすばらしい先見の明があった。
プラトンの国家の引用は読んでませんがその中の「洞窟の比喩」は
この物語をより深めてくれそうです。
簡潔な概要はコチラがわかりやすかったです↓
https://zunolife.com/cave/#%e3%82%a4%e3%83%87%e3%82%a2%e8%ab%96%e3%81%ab%e5%bd%93%e3%81%a6%e3%81%af%e3%82%81%e3%82%8b%e3%81%a8
終盤のシーン鏡映しにした世界の真理が過去のチャーリーと作られたチャーリーを通して読み手に語りかける。
膳なる面との葛藤過程。
人間の尊厳を保つものは知能でもないし
知識や知能は目的ではなくただのツール。
両方のチャーリーが満たされたものは「愛」だと思います。
人は忘れてしまう生き物ですが、暖かい平和と調和のシンフォニーで満たしたいと心に留めておければと。
彼は失ったものも多いけれど、平和を取り戻した。
あと、
あんな前(1959年)から薬物療法としての酵素の効果って研究されてたんですね。
◆経過報告:
34年前私は何に衝撃を受け、この作品を未だ大切に思うのか。事細かく記しておけば良かったと思います。
中坊の思春期、最も惹かれた要因はおそらく続くキイス作品においても自己投影からの「反省・同情」だったのではと思います。
その面では教養として良い本。
今読むと家を出たあとは、彼は幸せな一生を送ったのだと少なからず思います。
私らも老いていずれは本も読めなくなるのだなぁ。
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「著者からの序文と訳者あとがきが興味深い」
私が感じたことを2点あげます。
1点目は「あらゆる人の立場で考えることの難しさ」です。
この本ではチャーリイ(主人公)が手術前に友人だと思っていた人や、手術をして経過を観察した教授等がでてきます。
これらの人々は手術前のチャーリイは人間とは思っていません。
この本によると(チャーリイによると)知的障害者でも経験したことは記憶しておりそれが行動に反映されているようです。
障害者に理解があるとされる、この小説の舞台のアメリカでも、知的障害者への偏見があるように、障害に限らずあらゆる人の立場で考えることができれば序文にあるようにもっと住みよい世界をつくることができると感じました。
また、チャーリイはある理由から実家を出されていることがわかります。しかし、家族のこの判断を私は非難できません。それでもチャーリイの立場で考えることが必要なのか・・とても考えさせられました。
2点目は「知能の発達につれて文章が変わっていく難しさ」です。
この小説はチャーリイの日記として話が進んでいきますが、知能の発達につれて文章が変わっていくところが特徴的です。訳者の工夫はあとがきに書いてあり、かなり苦慮されたことが伺えました。 -
終盤がせつない。
これ初めて読んだの高校生の時なのに、内容をよく覚えてた。
それくらい印象が強い。