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感想・レビュー・書評
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「三省堂国語辞典」編集委員の著者が語る、「もっといい言語生活のためのヒント」。著者によれば、「三省堂国語辞典」は現代語を重視する辞書とのこと。
参考になることがいくつかあったので、メモしておく。
「自分に何かしてくれた相手に「お疲れさま」を使うのは失礼」、「 「お疲れさま」も「ご苦労さま」も、目上に使える場合もあれば、使えない場合もあ」るとのこと。目上の人に使っても必ずしもマナー違反にはならないんだな。
「あやまる」(誤る)は、「自分が間違ったことを認めること」、「わびる」は「相手の事情に想像力を及ぼして、すまない気持ちを示」すこと。なので、「おわびをするときは、自分の行動が相手にどういう迷惑をかけたか、それをことばにすることが望ましい」とのこと。なかなか深いな。
「一般に、形容詞を多用すると、感情や評価を含む主観的な表現になりがち」、「動詞を使うと、批判も称賛も含まない、客観的な言い方がしやすくな」る。これ、意識して使えると便利だな。
いろんな本を読んで、敢えて漢字を使わずにひらがなで表記していることが意外と多くて、疑問に思っていた。著者は、「「いつも文末に来ることば」「いつも文の最初に来ることば」は、基本的にひらがなで書」き(~ことができる、~ようになる、かえって、しかし、)、「「むずかしい字」「みんなが読めないような字」は、できるだけひらがなで書く」ようにしているという。漢字が多い黒々とした字面は読みにくく、ひらがなばかりでも読みにくい、「「ほどほど」の加減が大切」なのだとか。理屈は分かるけど、例えば、著者オススメの「子ども達は、もっと生命を労ることができるようになるだろう」、ひらがなの連続でかえって読みにくいと思うけどな。個人的には、もう少し漢字が多い方がいいと思うのだが…。
テンを打つ場所は、「「出来事」と「出来事」の間」と、「割り込んだ部分の直前」の2つとのこと。言われてみればその通りなのだが、読点、無意識にというか読みやすさを意識して感覚的につけてるよな。迷うことも多いしなかなか難しい。
「「もともと「せいぜい」には語る、精を出して努力する」という意味があり」、「「せいぜい頑張ってください」は「十分に頑張ってください」ということ」とのこと。これ、知らなかったな。知らなかったけど、この意味で使っている文章、何度が見たことかるので違和感はない。
「完璧」「能う限り」、「完壁」や「あたうるかぎり」と誤用してるかもしれない。
「活字と手書きでは字形が違い、活字体に影響されてはいけない」。なるほどな。それにしても、手書き文字を人に見せる機会、ほとんどなくなったな。
そういえば、辞書編纂にもAIを活用する時代になってゆくのだろうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示