文藝春秋SPECIAL 2015年夏号

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  • / ISBN・EAN: 4910077030755

感想・レビュー・書評

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  • 世界史のトピックスを幅広く概観。今まで知らなかった視点が多くて刺激的な本。
    書評も面白く、読んでみたい本がいっぱい。

  • 巻頭はお馴染みの「池上彰vs佐藤優」の対談から始まるが、今回興味を惹いたのは、野田宣雄(世界史から何を学ぶか)、野口悠紀雄(挑戦なしには成長はない)、中西輝政(三つの世界大戦を戦った男チャーチル)など。

    「世界史から何を学ぶか」(野田宣雄)
    「中国の膨張主義・ISのカリフ復活・スコットランドの独立運動、これらの諸事象は一見相互に無関係に見えて、実は一点で共通している。それは近代的な国家への挑戦という点である。
    特に中華帝国の支配には「国境」という概念が欠如している。中華帝国は自己以外に他の国家の存在を認めない。もちろん実際には中華帝国の統治の及ぶ範囲は限られているが、それはやむを得ない仮の状態で、そこに生じている境界は国境ではなくて「辺境」とみなされる。辺境の異民族は文化度の低い禽獣に等しいものとして東夷・西戎・南蛮・北狄などと呼んだ。
    そう考えることで、現在の東シナ海や南シナ海でみられる中国の積極的で強引な姿勢の説明がつく。
    近代のヨーロッパは勢力均衡により、安定が長期に維持された。一方中国は、その人口規模のゆえに、中国は世界政治の攪乱要因になりえても、持続的な勢力均衡体制の担い手とはなりえない」

    「挑戦なしには成長はない」(野口悠紀雄)
    脇道に逸れた話だが「もしソ連の実情が知られていたら、戦後世界史は大きく違うものになっていただろう。日本でも進歩的文化人と呼ばれた人々が存在する余地などありえなかったに違いない」

    「三つの世界大戦を戦った男チャーチル」(中西輝政)
    「1904年ごろになると『英国の衰退』という言葉がメディアや政治の場面で口にされ始めます。
    このままではドイツの精巧な技術とアメリカの安価な製品に勝てなくなるというものである」
    これを読んで、アメリカもこういう時代があったのだと妙に納得しました。
    こういう脇道ではなく本文でも「栄光と挫折が劇的に交錯する」チャーチルの魅力を説いている。

    それなりに世界史と現代の接点を楽しめる一冊です。

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