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感想・レビュー・書評
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十分面白かった。特に、漫才のシーンはネタそのものに感心したし、姉のエレクトーンとプロポーズの花火のエピソードは泣きそうになった。上石神井駅が出てきたのにもニヤリ(僕の高校の最寄り駅だ)。著者のこれまでの人生を凝縮したかのような物語で、「新人離れした衝撃のデビューアルバム」として後年まで名盤扱いされる類のもの。次はお笑いにまったく関係ない物語が読みたいな。
さて、三島賞落選の際はあんなに好感度が上がったのに、いざ芥川賞を獲ると叩かれるという、残念な日本人的ジェラシーが炸裂しているため、僕なりに擁護したい。
まず、芥川賞・直木賞受賞作=万人が拍手喝采する名作、なわけがない。そもそも芥川賞は無名の新人を対象とした賞だよ。面白い面白くないは個人の受け取り方なので構わないが、「芥川賞なのに」面白くないから「芥川賞も本作も又吉もクソ」という論理は前提が間違ってる。
また、古館伊知郎の「芥川賞と本屋大賞の区分けが無くなった」発言は愚劣の極み。これだけメディアが発達して物語を提示する場が多岐に渡れば、一部の才能のクロスオーバーが発生するのは当たり前。ジュンブンガクは清貧にピュアにジュンブンガクたるべき、人気芸人の作文ごときを偉大なる諸先輩の偉業と並べるな、という古い価値観と差別意識が明白。安心して無視しましょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30代、長い体調不良。
この作品の登場人物に自分が出てきそう。
俺は世間に向かって火花を散らせただろうか。 -
すごく感動したりはしなかったけれど
文章の流れとかリズムとかことばの選び方とかは良くて
すんなりに物語に入っていけました。
主人公・徳永がお笑い芸人なので
そこはやっぱり著者又吉と重なってしまうので
もう徳永=又吉で読んでしまいます。
それがこの作品では吉と出たかなと思うし
そこが無名の作家からするとちょっとずるいと思えるとこかも。
でも作者の顔が見えるというのは作品によっては逆効果の場合もあるかも。
最後の最後がちょっと「え?」という展開で
私的にはちょっと肩透かしを食った感じでした。
もう少し違うエンディングを期待してたかな。
その手前の盛り上がりはすごく良くて
その場で舞台を見ているような臨場感があり
ちょっと泣いてしまいそうになりましたが。 -
話題になっていた事を思い出して、読んでみました。文章は上品ですが内容は、、そもそも芸人というテーマ自体に殆ど興味がなかったので、特に感情移入することも無く、読み終わりました。内容も含めてこれが純文学だというのであれば、私には純文学というものは合わないのかなと思いました。
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これをガガガ文庫で出すようなセンスが作者にあれば、好きになっていたかもしれない。ともあれ、作者の職業だけが決定的に重要な小説なので、先輩と主人公の掛け合いを作者は笑えると思ってるのかクソつまんないと思ってるのか、それだけが僕は気になります。笑えないよね、あれ。
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こういう感じね。アリだけどインパクトはそんなにないか。
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純文学を何作か読み、純文学は合わないなと感じていました。
純文学はたまたま“バチッ!”と当たった時の気持ちよさがものすごいと聞いていましたが、これは自分にとってそれに近いのかもと思いました。 -
これから夢を追いかける関西人の教科書にもなり得る。