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感想・レビュー・書評
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「流」東山彰良著 読了。台湾が舞台であっても読みにくくないのは翻訳小説ではないからか。祖父殺しの犯人捜しというミステリ要素が底流にあるが(そして意外な犯人)、それよりも不良少年の生き方、日常の描き方が興味深い。日本文学としては傍流にあたるこのような作品にこそ、直木賞を取ってもらいたいものだ。
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主人公もその祖父も彼女も、誰も彼もが「憤り」を抱えていて、登場人物全員が、結果「憤り」を吐き出したんでは無かろうか。その「ほとばしり」が、読書中バイオレンスな気持ちへ引き込まれ、鉄と血のツンとした臭いを思い起こさせる。 台湾国民党と、中国共産党との歴史的わだかまりを、もう少し学んでから読むと印象が変わるだろうか。
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台湾を主舞台にした、主人公秋生の半生の物語。祖父を殺した犯人探しの話でもある。直木賞受賞作らしい。第二次大戦から現代まで、国民党と共産党、台湾の歴史を感じさせる話であった。ただ、エンターテインメントとしては『逃亡作法TURD ON THE RUN』の方が面白かった。台湾を舞台にしているため、登場人物の名前がすんなり入ってこなかった。
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第153回(2015年7月)直木賞受賞作。
1970~80年代の台湾を舞台にした本。著者東山さんのルーツが台湾にあるからこそ、ここまでリアリティな作品が描けたのだと思う。たった40年前、抗日戦争や国民党・共産党の抗争は現実だったのだと改めて感じた。一般庶民の視点で描かれている話はあまり無いため、とても新鮮。 -
青春巨編として大いに楽しめる内容だった。若干「血と骨」なんかを連想されるような雰囲気もあるけれど、もう少し牧歌的で読みやすいと思う。
庶民の目線での台湾と大陸との関係も少しだけ感じることができると思う。 -
今まで読んだ中でいちばん読み応えがあるかも。台湾という国の複雑さが理解できてよかった。