- Amazon.co.jp ・電子書籍 (437ページ)
感想・レビュー・書評
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短い話を立て続けに読むのはつらいなっていう残念さ(私の)。
好きなのは
「良い狩りを」白眉!
「文字占い師」つらかった……。子供の浅はかさに対する代償がが大きすぎた……。
「太平洋横断海底トンネル小史」山谷ブルースが浮かびました(ググろう)。
「もののあはれ」悲しい話だけど語り手が希望に満ちててよかったホロリ。
「紙の動物園」我が身に置き換えて罪悪感がひどい。
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表題作は母の日に読んだこともあってか、無性に泣けた。
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しんとして冷たい、しっとりした空気に満ちている。胸の奥がきゅっとするほど行きたい場所、泣けるほど触れたい手にたどり着けると信じて、ひとり長い長い旅をしている。喪失、孤独、希望が同時にそこにある。
「紙の動物園」、「1ビットエラー」は短い物語とは思えない読後感。ずっと胸に残る。「月へ」の最初のエピソードの美しさと哀しさは、古い無声映画を見ているよう。画像を時折り走る白いノイズまで見えるようだ。 -
めっちゃよかった。アジア的情緒に満ちたSF。何度も泣かせてくるし。これまで読んだどんなSFとも違うエキゾチックな香りに満ちていた。11歳で中国からアメリカに移住して、色々な苦労もあったり、まわりを見ていて、きっと疑問に思うことがあったのでは。歴史についても考えさせられるものがあり、示唆に富んでいた。これは、色んな人に薦めたい。
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予備知識なしで読んだのがよかった。紙の動物園にはやられた。アークもよかった。現実の出来事との絡め方や発想の飛ばし方も素晴らしい。
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表題作の「紙の動物園」は香港から米国に嫁いだ母の話である。自身の伝統を伝えようとする母と、それに反抗する息子。似たような話は米国に住む友人にも聞いたし、そもそも伝えることを諦めてしまう人も多いように思う。この本には15のSF短編が収録されているが、さまざまな形で異文化の間での交流が描かれる。表題作とは逆に米国から台湾に来た少女の話もある。必ずしも公平とは言えない交流。いくつかの話は60年以上前に設定されているのだが、現代にも続く問題を扱っていると思う。考えさせられるところも多いが、SFとして面白い話になっている。
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面白かった。表題作と、最後の話、結縄がとくに好き。
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「選抜宇宙種族の本づくり習性」が良かった
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ケン・リュウ氏の短編集。
SFだがオリエンタルでセンチメンタル。
ジェームス・ディプトリィJrと似たテイスト。
わくわくするよりも、ほっとするSFという感じか。
「もののあわれ」や「円弧(アーク)」が記憶に残った。「紙の動物園」も良い。