デービッド・アトキンソン 新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」 デービッド・アトキンソン 「新日本論」シリーズ [Kindle]
- 東洋経済新報社 (2015年6月18日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (248ページ)
感想・レビュー・書評
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仕事の必要にかられて読んだ。東京五輪の誘致に使われた「おもてなし」が、実は海外では殆ど評価されていないのだそうだ。日本人のいうおもてなしとは、外国人からすればサービスの押しつけに過ぎず、観光客からみてあまり有難いものではないのだという。
20年以上日本に住む外国人である筆者の視点は非常に説得力がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はじめに 日本を救うのは「短期移民」である
第1章 なぜ「短期移民」が必要なのか
第2章 日本人だけが知らない「観光後進国」ニッポン
第3章 「観光資源」として何を発信するか
第4章 「おもてなしで観光立国」にニーズとビジネスの視点を
第5章 観光立国になるためのマーケティングとロジスティクス
第6章 観光立国のためのコンテンツ
おわりに 2020年東京オリンピックという審判の日 -
切り口が面白いようなので、読んでみたい。
それにしても、出口さんの書評はいつも読みたい気持ちがかき立てられるな。素晴らしい。
どうやらKindleのセールで購入したらしい。
米国からの機内で読了。
視点が素晴らしく、大変興味深く読みました。観光地のインフラとか観光政策に対する指摘がいちいちもっともで、痛かった。 -
日本の「特徴」は何でしょう。学問的に言えば、古い文化を残しながら、次にやってきた新しい文化を取り入れること、と言われています。 たとえば、公家文化を残して、武家文化も認める。天皇制を残しつつ、征夷大将軍という制度を加える。装束を残しつつ、武家の着物も足していく。以前の文化を駆逐したり、それまで行なわれてきたことを止めたりしないというのが、最大の特徴と言われています。
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外国人コンサルタントの売れっ子ゴールドマンサックス
1.観光立国には「Marketing不在」
官主導の政策の限界
しかし予算を持っている 群がる民間
2.Marketingの基本
①顧客 多様性
②セグメンテーション
③ターゲッテイング
3.科学的・合理的な施策立案
4.現地に裁量 お金
5.Softにもお金をつける
6.縦割りの弊害
①脳死 バカの壁 刺激が無い
②守旧 前例踏襲 イノベーティブを拒否
2017年2月のメモ
観光立国 人口激減の日本が取り組むべき成長戦略 移民・女性活用より優位
観光潜在力が大きい
GDPは人口によって決まる
生産性もあるが、先進国では1人当たりGDPは大きく変わらない
観光立国戦略の4条件 (1)気候(2)自然(3)文化(4)食事 [P56]
cf星野リゾート (1)国の知名度(2)交通アクセス(3)治安の良さ
⇒コンテンツがない 必要条件であって、十分条件ではない
そこに見るもの、楽しいもの、がなければ人々はやって来ない
日本のサービスは硬直的 融通が利かない
ゴールデンウィークは逆効果 観光産業の経営を悪くしている
観光戦略・計画の立案
顧客 セグメンテーション ターゲッティング
地域デザイナーの必要性[p178]
観光コンテンツの多様性[p184]
高級ホテルの不足 整備すれば富裕層は来る 誰がリスクを取るか?
極めてオーソドックスな論 体系立てた戦略と、地道な取り組みが必要だが・・・ -
日本は観光大国となれる高いポテンシャルを持ちながら、それを全く生かせていないために観光客を有効に誘致できていない。
そして、日本人が良かれと思って外国人へ提供する「おもてなし」のサービスは単なる価値観の押し付けにすぎず、自信のなさからか日本を過度に持ち上げようと自画自賛して観光客側の立場に立って考えることができていない。
また、文化財の案内が不十分であることや、そもそも観光客が観光に求めるものをはき違えていることなど、耳の痛い話ばかり。
イギリス人でありながら、日本に20年以上住み、日本語を理解する著者の意見は貴重で、これを真摯に受け止めて改善できないのであれば、日本は「観光」といういわば経済戦略の最後の切り札をも失うことになってしまう。
自分に直接関係のある話かどうかは分からないけれど、いずれは海外で友人を作って日本の観光地を案内するということをしてみたいと考えていた自分にとっても、ためになる話が多かった。 -
「おもてなし」が海外に評価されているのは、大いなる勘違いである。 耳の痛い指摘だが、このズレから見直す事が観光立国・大国への道である事は、本書を読んで痛感した。気候、自然、文化、食事 4つの観光資産を、正しく儲けに繋げるが求められる。この分野への興味がさらに深まった。
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現実彼の想定を超えているが、かれの問題提示はもちろんまだ解決していない。
にほんが素晴らしいというアホーなテレビ番組が横行する中、かれの視点は全くユニークではないが、賛同できる。