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感想・レビュー・書評
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昭和に発生した日本海難史上最大の事故資料及び関係者の証言を基に、時系列のドキュメント形式に再構成した本です。
台風の発生から、時系列に章立てしてあり、遠くから近寄る台風、その情報を基に各関係者がどんな想い・判断/決断をしていったのか臨場感満点に描かれております。
特に、青森/函館から出航予定の船長の対比、片や出航した事により沈没、自身を含めての多数の犠牲者を出し、片や乗客のクレームを受けながら出航を見送った事で難を逃れた結果を無常に描いており。リーダーの決断に影響しうる様々な横やりに対して、一人で決断をしなければならないリーダーの孤独が痛いほどであった。
私も作中の船長ほどではないが、組織の関係者の生活を多少なりとも預かる立場の為、作中で述べている心構え等を今後に活かしたいと考えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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昭和29年に起きた台風15号による洞爺丸沈没のドキュメンタリー小説。精緻なデータと筆者の筆力で、まるで目の前で起こっているかのような緊迫感に襲われる。
この台風は強烈で、洞爺丸をはじめ函館湾にあった5隻を沈め1430名の人名を奪っている。方や青森側では、お客に怒られながら台風を避けるため出港しなかった船もあった。前に読んだ三陸津波と同様、自然の前では、自身の力を過信せず、利便より安全を選択する勇気が必要である。
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