Redemption Road (English Edition) [Kindle]
- Hodder & Stoughton (2016年5月5日発売)
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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (433ページ)
感想・レビュー・書評
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John Hartの最高傑作は「Last Child」だと信じてきたが、それに限りなく近いレベルの素晴らしい内容。恐ろしく陰惨で暴力的なのにワクワク感が半端ない。
刑事エリザベスは18歳の少女を誘拐した犯人2人を追い詰めた末射殺する。少女は生還するが、犯人の体から18発の弾痕が出たことでエリザベスの過剰行為=殺人罪の疑いが出た。一方エリザベスの元先輩刑事エイドリアンは13年前に若い主婦を教会で殺害、刑期を終えて出所する。しかし彼を待ち受けていたのは被害者のまだ中学生の息子ギデオンで、復讐するべく銃を構えていた。
冒頭から謎が満載。
監禁されていた地下室で何が起きたのか語ろうとしないエリザベスと少女。なぜ?
エイドリアンは無実らしい・・・のに罪を引き受けた。なぜ?
エイドリアン釈放後、新たに別の女性の遺体が13年前と同じ教会の同じ祭壇の上で発見される。警察は彼を犯人と決めつけるが、一方で別の勢力が彼の動向を追っていた。なぜ?
徐々に理由が明らかになるがそこへ新たな事態が発生し、更なる謎が深まる二重三重の構造になっている。また登場人物のほぼ全員が心の闇を抱え、彼らの過去の行為が現在に帰結する。その帰結に対峙できる者、あえて無視する者、更なる深みにはまる者・・・・。エピローグの最後の文章まで全く気が抜けない素晴らしい内容だった。
John Hartの文章が怖いくらい美しい。短い文、無駄な形容詞は排除され、動詞が躍る。その動詞と共に登場人物たちがいきいきと躍動する。ミステリーというジャンルを超えた文学作品ではないだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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