下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • 老人の実態の検証しつつ、それぞれの候補者に下流にならない心得を指南するとともに、下流になってしまった場合の対策も伝授します。
    しかし、国民年金だけだとかなり厳しいですね、まぁ、田舎で持ち家である程度食べるものが自給できることが元々の前提だろうけど、今やそれが難しいので国民年金だけで資産が無ければ下流一択です。
    幸いなことには昭和の54歳は波平さんだけど令和は53歳でも福山雅治です。
    心身ともに若いので70歳くらいまでは元気に働くしかないですね。

  • 大手企業に勤めてそれなりの収入を得ていても、介護費や医療費といった想定外の支出がかさみ、あっという間に貧困生活に陥るリスクを体感しました。20代の浪費を悔い改め、今からでも将来の資産形成を始めようと決意しました。

  • 生活保護 家賃53,000 生活費80,000

  • 日本の老人に対する印象の現実と制度の溢れと、経緯について書かれた本。

    こうならないように、
    貯金だけではなく、資産所得を作る必要があると
    危機感を感じれる意味ではよかった。

  • 全世代で貧困化が進んでいるが、働くことが困難な高齢者が最もその影響を受けている。かつて「ご隠居さん」として縁側でお茶を飲みながら将棋に興じたり盆栽をのんびり世話をしたりするようなほっこりとした老後は夢のまた夢のようだ。これだけ生産力が上がったはずなのに死ぬまで低賃金で働かなくてはならないなんて、資本主義はいったい何をもたらしたんだろう・・ 「働け、消費せよ!」と命じるシステムに従順に従ったあげくが下流老人生活というのなら、資本の論理に背を向けて地域の「共同性」を活用するしかないだろう・・

  • 下流老人
    一億総老後崩壊の衝撃

    著者 藤口孝典
    2 0 1 5 年6 月3 0 日発行
    朝日新聞出版

    下流老人の社会的な問題
    ①親世代と子ども世代が共倒れする
    下流老人になるとその子供たちも共倒れする
    ②価値観の崩壊
    「高齢者が尊敬されない」「年寄りなんか邪魔だ、お荷物だ」
    ③若者世代の消費の低迷
    若者は必然的に「貯蓄」に向かうことになる
    ④少子化を加速させる
    子どもをつくって家族を持つことは、もはや「リスクである」という考え
    (36-44)

    下流老人に至るパターン【現状編】
    ①病気や事故による高額な医療費の支払い
    ②高齢者介護施設に入居できない
    ③子どもがワーキングプア(年収200万円以下)や引きこもりで親に寄りかかる
    ④増加する熱年離婚
    ⑤認知症でも周りに頼れる家族がいない(77-103)

    「捕捉率」という数値が発表されている。保護が必要な人々が実際に生活保護を利用している割合を示すもの。厚生労働省などの調査によると、現在の捕捉率は概ね15~30%前後であると言われている。30%だと仮定しても、全体の3分の1程しかいない。まだ救われる人々が大量に残されている。
    ドイツでは64.6%、フランスでは91.6%。(141-142)

    「真に」救うべき人間など一人もいない。困っている者は、みな一様に救うべき者。あたかも真に救うべき人間(とそうでない人間)がいるような論理を通用させてはならない。
    (145-147)

    下流老人を取り巻く8つの社会状況
    〈1 収入面の不備―家族扶助を前提とした年金制度の崩壊〉
    〈2 貯蓄・資産面の不備―下がる給与と上がる物価〉
    〈3 医療の不備― “医療難民”が招く孤立死〉
    医療費の問題、窓口負担の問題、健康保険料の未納問題など。無料または低額な料金で診療する施設として届出を行う病院も増えてきた。いわゆる「無料低額診療施設」。
    〈4 介護保険の不備―下流老人を救えない福祉制度、ケアマネジャー〉
    〈5住宅の不備―住まいを失う高齢者〉
    〈6 関係性・つながり構築の不備―助けの手が届かない〉
    〈7生活保護の不備―国によって操作される貧困の定義〉
    〈8 労働・就労支援の不備―死ぬ直前まで働かないと暮らせない!?〉
    (150-167)

  • あまり見えていなかったけど、最近聞くようになってきた、貧困のお年寄りの問題について、現実はかなり切迫した状態になっているということを書かれています。自分には関係のない話ではなくて、退職前まで裕福だった人でも陥る問題であるということを実際のお年寄りの方への取材を通じて訴えられています。この貧困は社会的な問題(自分の責任ではない)ということ。なぜそのような状態になるのかを社会的な制度のからくりから導かれています。なによりも、今すでに貧困に陥っている(かなりの数の)若者が、年をとったあと、さらなる悲劇が発生するということをリアルに描かれています。
    防ぐためには、金銭的よりも、関係性の貧困を防ぐこと。自分の周囲を見直してみたいと思いました。

  • 長く生きることがリスクになってしまう。
    生きること、それは食べること。生活するって大変だ。

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著者プロフィール

1982 年茨城県生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学人間福祉学部客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。ソーシャルワーカーとして活動する一方で、生活保護や生活困窮者支援のあり方に関し提言を行う。著書に『下流老人』(朝日新書)、『貧困クライシス』(毎日新聞出版)など。

「2018年 『未来の再建』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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