魔術師 ≪HDリマスター版≫ [DVD]

監督 : イングマール・ベルイマン 
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003832841

感想・レビュー・書評

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  • 前衛キレキレの1966「仮面/ペルソナ」、1972「叫びとささやき」の直後に見たためか、1958年のベルイマンさんってこんなの撮ってたんすね~……とびっくり。
    正直あまりピンと来ず。
    なんでもネット上のレビューによれば、魔術/科学の二項対立を、艶笑喜劇で彩ったといことらしい。
    また「真実など存在しない」「未来になんて過去同様興味がないんでね。今を楽しむだけさ」「魔術など肯定すれば科学に大打撃だ、アレ(神)の存在まで肯定することになる」とか、ベルイマン的神の沈黙に繋がる台詞や構図もたくさんある、と。
    しかしこの、決して美しくも魅力的でもないおじさんたちが、ただ真顔で喋っているばかりのシーンが、どうにも退屈で。
    夜になればあいつもセックスこいつもセックスセックス言い出すあたりは面白いが、そこすら、でそれで、と。
    シェイクスピア「真夏の夜の夢」を戯曲で読んでも面白いんだか面白くないんだかわからなかったのを思い出した。
    あるレビューに《シュールかつナンセンスなギャグが、観客の上空を滑空していく。この「展開だけ見れば笑えるはずが、演出のせいで笑えない」という、ある種悪意に満ちたシニカルな作劇スタイル》とあったが、面白さを見出すならばこのへんかな。

    と、奥歯に物の挟まったような言い方をしてしまったが、面白いところはいくつか。
    ・フォーグラー博士の中盤までの不気味さ。扮装を解いてからの野卑さ。お、マックス・フォン・シドーやん。
    ・その助手というか妻を演じたのは、イングリッド・チューリン。男装姿が宝塚のように美しい。「叫びとささやき」の長女。
    ・性的に奔放な女中を演じた、ビビ・アンデショーン。「仮面/ペルソナ」の看護婦アルマ。
    ・終盤の屋根裏での恐怖場面。鏡の多用で、古き良き怪奇映画の趣き。

  • 作品としてはぼちぼち。死や神などベルイマンがよく使うテーマと、作品の中で描かれる奇術の部分や演劇的なモノローグとの相性はいいと思ったけど、悲劇から喜劇への移行が少し弱い印象がある。人間が持つ二面性といった部分が極端に表現されているのもベルイマンっぽい気もする。

  • またまたベルイマン作品。出てくる人々はずいぶんゲスいのになんだか映画としては上品に見えるのは芸術的映像のベルイマンだから?
    コメディっぽいのに笑えないのはどこか控えめなせいだろうか。もっとやりきってくれると更に好みなんだけど。

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