- Amazon.co.jp ・電子書籍 (533ページ)
感想・レビュー・書評
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ドラマの裏にあるのは、舞台の地、ネパールの政治の混乱と貧困。それは、グルカ(ネパール兵によるイギリスの外国人部隊)、犯罪者たち、自然破壊を生み出す。
またこの本にはカトマンドゥの街のように、様々な匂い、苦しみ、悲しみ、欲望をまとった多くの男女が登場する。ハチミツをたっぷり入れた紅茶も。
そして、極限の世界。
この本を読んでいる間、暖房を消し、冷え切った部屋で、かじかんだ指で頁をめくった。そうして読まないといけないような…
多くの言葉であふれている本。...深町のあの一言は余計だったけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シェルパ族とグルカ兵はどちらも貧しいネパールにとって外貨を稼ぐ貴重な職能集団だが、どちらも外国人のために働くのが宿命。
オーディブルは神々の山嶺がついに終わってしまった。深町の覚悟の決まらなさに何度も憤り、羽生のどこまでも不器用で、どこまでも真っ直ぐな生き方におそれ慄き、二人の熱量が乗り移って感情が昂り、走りながらも嗚咽の声が漏れ出て、じつに困った作品だった。酸欠で朦朧となった羽生の手記に、幻覚や幻聴に侵された深町の独白を見事に演じ切った読み手に感謝。 -
世界的な難所、グランドジョラスでの単独行で滑落、負傷しながら奇跡の生還を果たし、伝説となった羽生丈二。カトマンドゥで別人として生きる男が狙うのは、エヴェレスト南西壁、前人未踏の冬季無酸素単独登攀!導かれるように羽生に邂逅した深町は、彼を追ってエヴェレストに入る。羽生の挑戦の行方は?深町が目撃したものとは?山に賭ける男たちの姿を描ききり、柴田連三郎賞に輝いた夢枕獏の代表作!