「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書) [Kindle]

制作 : 堀茂樹・訳 
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感想・レビュー・書評

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  • 今の私たちの認識に「違うよ」と投げかける、そういう驚きを感じながら読ませていただきました。ヨーロッパはEUで一枚岩とは言わないまでも、共通の問題に対して団結しているように思ってはいました。しかしながらそれは幻想で、実際はドイツが主である、国家間の階層が出来上がっているということは、荒唐無稽とは思えない説得力がありました。著者の語り口に引きずられると、ドイツを第二次大戦のナチスのように見てしまいかねない、そんな危うさを感じました。
    ロシアに対しての、今までの偏見に対しては変えられました。あの国は女子の活用にも、若者の教育にも学ぶことが多いものがあります。民主主義国家が必ずしも正解とは盲信してはいけないと戒められたように思います。

  •  "政府への貸付は、マルクスが見抜いたとおり、富裕層の持つ金の安全化だ!"
     ある動物番組で印象に残っているのだが、狸(哺乳類)は生存戦略としてわざと性格の違う子どもを産み分けるらしい。種としての全体の戦略でもあるのだろう。人類種生存戦略として多様な思想がその役割を持つのかもしれない。
     しかし今日、世界ではそのための多元性が失われているのではないだろうか。本書を読むと、一部の超富裕層の金の安全化のために骨抜きにされているように思えてくる。
     国家に、そのエリートに真に仕事をさせるために市民が連帯せねばならないだろう。現システム維持は金持ちも結局不幸にする。全人民の幸福を願って。
     

  • E・トッドの著書は価格が高価で、結構購入までいつも躊躇するんですが、今回は新書で価格もリーズナブル。ということで早速購入して読んでみました。

    いつもの学術論文とは体裁が違い、メディアでのインタビューをまとめた形なので、口調もくだけた雰囲気を醸し出してました。

    が、しかし私が読みたかったE・トッドの本では無かったです。こんなに、偏った口調のものは読みたくないなー。と真っ先に思ってしまいました。

    仏人の知識人だと最近は、ピケティなども有名ですが、彼と同じ匂いがするのは、仏人繋がり。というだけではないかもしれないですね。この2人は、ヨーロッパの大陸のインテリが何を考えているかが、よく分かる所は好感がもてますが…

    ただし、この著書で触れられている「ドイツ帝国」を米国ネオコンに、「ドイツに従属するオランド」を米国ネオコンと、つるんでいる日本の政治家に置き換えると、にほんの状況との相似形に見えます。
    その部分は、読んでいて実があったとは思います。日本もフランスも先進国の社会が硬直化している国は、似たような問題を抱えてるんだと、この本を読んで、認識できました。

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プロフィール

1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。76年、『最後の転落』で、弱冠25歳にして旧ソ連の崩壊を予見し、フランス・アカデミズム界に衝撃を与える。その後、歴史人口学の手法で「家族構造」と「社会構造」の連関を示し、全く新しい歴史観と世界像を提唱してきた。主要な著作として『世界の多様性――家族構造と近代性』(99年)『新ヨーロッパ大全』(90年)『移民の運命』(94年)『経済幻想』(98年)『帝国以後――アメリカ・システムの崩壊』(02年)『文明の接近――「イスラームvs西洋」の虚構』(07年)『デモクラシー以後』(08年)(以上、邦訳藤原書店)などがあり、近年は大著『家族システムの起源』を出版。

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