弥勒世 下 (角川文庫) [Kindle]

  • KADOKAWA (2015年6月25日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 7年ほど前に読んだことをすっかり忘れているというね、どうもね(^_^;)

    沖縄という土地の歴史的に持っている哀しい矛盾。うちなーんちゅのやさしく朗らかで飽きっぽく、すぐ忘れてしまう性格と、そこに付け込む大陸、薩摩、大日本帝国、そしてアメリカー。

    ひたすら蹂躙され、舐められて馬鹿にされ続ける沖縄という島の愛憎を、47年の返還前後の喧騒を舞台に馳星周氏が抉る。

    戦うべきなのはアメリカーなのに、彼らの基地に生活を依存しているうちなーんちゅが、うちなーんちゅ同士で争うという無意味で哀しい皮肉。


    この時期の沖縄を舞台にした彼の小説を読むのは2作目だけれど、馳星周氏の執念というか、このテーマにかける情熱には舌を巻く。

    勿論馳星周的ノワールなので、どちらの側にも居場所を求めることのできない出自により、どっちつかずの蝙蝠的立場でどんどんドツボに陥って、にっちもさっちも行かなくなる主人公のヒリヒリとした焦燥、胃が痛くなるようなスリルはいつもの通り。
    これぞ馳星周ワールド。

  • ふむ

  • 馳星周アンリミテッド、
    ようやく弥勒世の下巻を読了。長編、もしくは長期シリ
    ーズが多々ある馳星周だが、このボリュームはちょっと
    異常(^^;)。無論、いたずらに長いワケでは無いのだけ
    ど・・・。

    沖縄というけして大きくない島の話なのにも関わらず、
    ありとあらゆるキャラクターが登場し、敵になり、味方
    になり、その上で死んで行く、という救いようのない物
    語。特に、物語の主役級のうちの数名が下巻の前半から
    中盤でバタバタ死んで行くのは、馳星周の真骨頂。それ
    でも物語と時系列は破綻せず、恐ろしく空虚なラストに
    向かって突っ走って行くのだから凄い。

    正直、あまりの長さでもうお腹いっぱいではあるのだが、
    相変わらず骨太で男臭いザ・ノワール。生きている場所
    も、時代も、立場も何もかも違う筈の僕が、主人公のア
    ナーキストぶりに何故だか共感してしまう。もし生まれ
    変われるとするなら、僕の脂の乗った時代をココ、高度
    成長開始時の日本にして欲しい。得体の知れない高揚感
    を味わえそうなので・・・。

    ・・・さすがにちょっと大長編はお休み(^^;)したいところ。
    次はもっとカンタン系の作品をチョイスしようかと。
    まぁ、タイトルだけを頼りにしてたら結果は同じかもし
    れないけど。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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