- Amazon.co.jp ・電子書籍 (217ページ)
感想・レビュー・書評
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この話の中心は賭博である。おそらく賭博は当時のロシアを背景とする物語を書くときに欠かすことできない事柄の一つだったのだろう。
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とても本編の読後感がよくてうれしかったのだが、それをさらに深めてくれる解説がすごい。
読み手が美しく幸せな結末を思い浮かべるようなストーリーなのに、それをちょっと裏切ってくる感じがなんともなんとも。
さらっと読めるし、深く読み込んでも楽しめる。プーシキン、すごい。
本当に解説で二度美味しい。 -
プーシキンの短編は以前パラパラと読んでおもしろかった記憶があり、ちゃんと読みたいと思っていた。ある意味先の読める話ばかりながら、歯切れのいい進行と肩の凝らない軽やかな語り口が好みだった。時折見られるヌメッとした不気味さと、最後のロマンチック・コメディの落差が凄い。
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スペードのクイーンには「ひそかな悪意」という意味があるそうだ。
エースだと思って選んだカードがクイーンに変わってたのか。前に読んだときは気付かなかった。
もし主人公が遺言通り養女と結婚していたら、カードはエースのままだったのかもしれない。
ベールキン物語は、アンデルセンの絵のない絵本のように読みやすく愛らしい短編集だった。 -
「駅長」
ドストエフスキーの貧しき人々では最後、ワルワーラちゃんは、マカールさんの元を離れ、好きでもない金持ち旦那と結婚する事を決意する。
駅長も、娘は父親を捨てて、金持ちのミンスキー将校と駆け落ちする。
貧しき人々では、その後のワルワーラちゃんは幸せに暮らしているかは描かれていないが、もし駅長と同じ筋書きならば、金持ち旦那を愛し、子供も産み、幸せに暮らしているはず。
しかし、駅長は、好色な男が若い女をたぶらかして後には捨ててしまい、豪華な暮らしをしていた女は一変して乞食同然の暮らしを余儀なくされると苦言を呈している。
ワルワーラちゃんは幸せに暮らしているだろうか。