測量船 [Kindle]

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  • 2015年6月18日発売
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  •  朝から蒸し暑い。朝食にいつものジュースを作り、コーヒーを淹れてパンを焼く。野菜も見繕ってお皿に盛っていると汗が流れた。

     今朝もまたスロージューサーに、にんじんの搾り滓がどさっと溜まった。もういらないくらいだけれどなんとなく癖で冷凍パックに入れ、なんとなく冷蔵庫に入れる。今日はミートーソースだなと、なんとなく決める。
    にんじんのためにハンバーグやカレーやパスタなどを作るけれど、(昨日はキーマ風カレー、おいしかった)レシピに行き詰ってきた。ノートを開いて「にんじん滓レシピ」を開けて、何かまずそうな題名だなぁと思いつつ使っている。
    「キャロット・レシピ」とでも名前を変えたらおしゃれになるかも、中身は搾り滓でも(*/∇\*)


    汗で湿ったような服を着替えて、エアコンで適温になったパソコン部屋に入ると、床がひんやりして気持ちがいい。外で聞き慣れない大きな鳥の啼き声がしてびっくり、窓を開けるとヒヨドリより少し小さいくらいの鳥が電線に止まっていた。もうモズが来たのかなと思って見ていると甲高い声でさえずって山のほうに飛んでいった。

    少し気温が下がった部屋から見ると、薄雲が広がっているが、隙間に羊雲のような丸い雲が並んでいる、高い空には秋が来ているのだろうか、今年は秋も早いと言っていたし。


    明け方、母や娘と一緒にいる夢を見た。部屋の中に階段がある知らない家で荷造りをしていた。いつも夢では知らない家に住んでいる。母は「私も一緒に行くからね」と言っていたが、父の姿が見えなかった。「お父さんは自分の部屋がいいんだって」と言っていた。目が覚めて、父は実際自分の部屋が大好きな人だったなぁと思った。
     どこかに又転勤にでもなった時なのだろうか。夫も息子もいなかったが、あの二人は荷造りなどあまり手伝わなかった。夢でもつじつまは合っている(笑)


    ふと、三好達治を思い出す。詩っていうのはふと浮かんでくる。夢から覚めて母がいないことに気がついた。お父さんも亡くなったんだな、と思った。



      「乳母車」     三好達治

    母よ──
    淡くかなしきもののふるなり
    紫陽花いろのもののふるなり
    はてしなき並樹のかげを
    そうそうと風のふくなり

    時はたそがれ
    母よ 私の乳母車を押せ
    泣きぬれる夕陽にむかつて
    りんりんと私の乳母車を押せ

    赤い総ある天鵞絨の帽子を
    つめたき額にかむらせよ
    旅いそぐ鳥の列にも
    季節は空を渡るなり

    淡くかなしきもののふる
    紫陽花いろのもののふる道
    母よ 私は知ってゐる
    この道は遠く遠くはてしない道

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