ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 芸術とは無縁の中で生きてきたけれど、もっと早くにこの本と出会いたかったと思いました。
    去年、フランスへ行ったときにモネの家を見学したけれど、その前にこの本を読んでいれば、全然印象が違っていたかも。
    それでも、モネの家は素晴らしかった。。

    この本はマティス、ドガ、セザンヌ、モネの印象派の4人の巨匠を主人公に、しかも本人ではなく近くにいた人の目線で語られる4編の物語。

    この本を読んでそれぞれの画家が特別なものから、とても人間味あふれる一人の人間に感じました。
    今からでも少し芸術に触れてみたくなりました。
    また原田マハさんの本を読みたいと思いました。
    この本は大切に手元に置いておこうと思います。

    • 大野弘紀さん
      いくつものいいね、ありがとうございます。
      私のレビューは、それだけで一つの読み物のようなので、本の感想という、本を読んでいるような深みがあ...
      いくつものいいね、ありがとうございます。
      私のレビューは、それだけで一つの読み物のようなので、本の感想という、本を読んでいるような深みがあるので、ご注意を。
      お時間が許す限り、好きに散策していってくださいね。

      私もこの本は読んで、感動しました。

      特にラストの、川に光が当たる瞬間。
      筆の速さと 日の早さ
      世界が こんなにも美しいこと

      それは、本当に、そうなんだと、思って、泣きました。
      2020/06/26
    • いるかさん
      大野弘紀さん 
      コメントありがとうございます。
      レビューも興味深く見せていただいています。
      本当に気に入った本に出会うと幸せになります...
      大野弘紀さん 
      コメントありがとうございます。
      レビューも興味深く見せていただいています。
      本当に気に入った本に出会うと幸せになりますね。
      楽しみにしています。
      今後共によろしくお願いいたします。
      2020/06/26
  • 上野の国立美術館で開催されている「クロード・モネ展」に行ってきたその足でこちらを購入。
    最初の2行で、マハさんの想像力と文章に色彩を生む力が凄い。
    この明朝体の文字さえもお洒落に見えてくるんだけどこの感覚分かってくれる人いるだろうか?笑

    マハさんの想像するモネと、モネを取り巻く人々の人生を読むと、美術館で実際に拝見した絵画への印象が少し変化する。

    あの絵の光の濃度はこういう感情の機微から来てるのかな、とか、陰影が多い絵のあの部分は…とか。
    とにかく絵画の保存度が良いのも、現役時代にその才能を認められた故であり、ゴッホとはまた違うなと思ったり。


    久しぶりに美術館に行って音声解説を聞きながらじっくり鑑賞して、友人と感想をひとしきり語り合いながらマハさんのこの本を一緒に買って帰る。贅沢なひと時だった…(本の感想とは一切関係ない)

  • 家政婦や、義理の娘などから見た巨星(マティス、ドガ、タンギー爺さん(セザンヌ)、モネ)達のお話。その才能に惚れ、献身的に支えている様が素敵でした。


  • 「ジヴェルニーの食卓」が1番好きです。
    絵画のように美しいお話でした。

    その時代背景の勉強にもなりましたが
    現代とは違う…その時代だからこその
    生きやすさ、生きづらさがあって
    何故か胸が切なくなることもしばしば。

    芸術家達も1人の人間。
    どんなことを思いながら
    ひとつひとつの作品を描き続けているのか
    考えさせられます。

  • マティス、ドガ、ゼザンヌ、モネ…印象派の画家たちの物語。彼らも人間であり、絵の奥には人間として愛を求める姿や、家族や隣人たちを思いやり、心を通わす時間があったことをそれぞれの短編集から見ることができる。とにかくどれも美しい。本を読みすすめるほど、光と影の間を行き来して眩しさや、ひんやりとした冷たさを感じた。一番好きだったのは、「美しい墓」だった。ピカソとの交流があったことはあまり知らなかった。マティスが死に向かうまでの、マリアから見た語りが素敵だった。印象派は、大衆に受け入れられていくまでに、まずは目の前に生きる人々へ認められ、心を打つものでなければいけない。マリアはその目撃者の一人であったはず、その新鮮で、答えのない感じ方を、文章を通して追体験する。そんな物語だった。

  • これこれ!!
    私が勝手に思う原田マハ!!
    私はやっぱり特に表題作が、一番好きだった。
    高知のモネの庭にも行ったけど、やっぱりジヴェルニー行きたいなぁ。
    印象派って本当に大変だったんだな。
    タンギー爺さんもあのゴッホの絵でしかほぼ認知してなかったけど、もう少し生活できるお金があれば、10年後くらいには凄い金持ちになれてたかもしれないのに…。
    短編で読みやすく、面白かった。

  • アーティストの人間味を味わえる短編集。
    アートを見るのがまた面白くなる。

  • マティス、ドガ、セザンヌ、モネ、
    これらの芸術家の身近にいた女性目線で書かれた巨匠達の4つの物語。
    どんな感性を持って、どんな趣味嗜好があって、どんな人間関係の中で生きていたのか、とても興味深かった。
    作中で出てくる作品を検索し、絵を見ながら読み進めると、さらに楽しみが増します。
    「マグノリアのある静物」
    「血のソーセージのある静物」
    「生きる喜び」(ピカソ)
    「14歳の小さな踊り子」
    「タンギー爺さん」
    「リンゴとオレンジ」
    「睡蓮」大壁画
    「草上の昼食」
    など。

  • 「楽園のカンヴァス」以上に、”史実”の割合が強めな美術史小説。短編集で、それぞれマティス、ドガ、セザンヌ、モネを主人公とした4編が収録されています。
    もちろん脚色はかなりされていると思うものの、その時代の空気感を感じさせる作品が多く、「楽園のカンヴァス」のルソーに比べるとより有名な画家がテーマなので作品のイメージを浮かべながら読むのは幸せな読書体験だった。
    特に表題にもなっているモネを描いた「ジヴェルニーの食卓」が素晴らしく、光の画家モネが主役だけあってまばゆいくらいの”光”を感じるさりげないラストシーンがとても美しかった。

  • 最初の一行からぐっと、タイムマシンでその現場に居合わせているような没入感があり、最後の一行で絵画を味わって美術館から出る爽快感を楽しめる短編集。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

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