王とサーカス [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • ネパールという馴染みない国の想像に負担がかかり、事件が起こるまでがすごく長く感じた。
    異国ならではのスリルがあり、解決までのスピード感は気持ち良い。

    「密告者」について、太刀洗が安心していい理由が納得できなかった。
    殺人を犯すような狂った人間に理論など通用するのかと、コナン並みのこじつけに感じた。(そんなこと言ってはミステリー本が成立しないけど)

    仏像に大麻を入れて取引しているだろうということは序盤で分かりやすかったので、それがオチというのはつまらなかったな。
    二段オチの彼も、生身の人物というよりは二次元キャラクターという感じで、感情移入はできなかった。

  • 2016年(2015年発行)のこのミス国内編1位の作品です。年内に読み終わろうと頑張って、やっと今日読み終わりました。この人昨年も「満願」で1位でしたね。私が読んだのは、本作と「満願」と「折れた竜骨」の3作品ですが、私としては「折れた竜骨」が一番面白かったですけどね。本作は、2001年6月に実際に起こったネパール王族殺害事件(ネパールの国王夫婦他王族9人が皇太子によって殺害され、皇太子も自殺したと伝えられる事件ですがこんな事件があったなんとちっとも知らなかった)を背景として日本人の女性ジャーナリストが殺人事件に巻き込まれるというストリートなっています。背景は大きいですが、ミステリーとしての謎解き部分は古典的な仕掛けです。ネパールの社会情勢を背景にニュースを伝える者のまた受け取る者のあり方を問いかけてくる佳作で読み応えのある一品ですが、「このミス」の1位といわれると、???です。

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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