アホウドリを追った日本人-一攫千金の夢と南洋進出 (岩波新書) [Kindle]

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  • 2015.5.10 毎日新聞書評

  • 副題には一獲千金の夢と南洋進出とある。

    アホウドリが儲かるとは、どういうことか。
    なんでもアホウドリは警戒心が弱いので特別な道具が無くても
    ひたすら撲殺で捕まえられるらしく、それによって羽毛を輸出していたらしい。

    明治の初頭から羽毛の輸出はそれなりの規模もあった。
    そうした背景の中海洋進出をしていった実業家たちと、
    それらに振り回される政府、そしてこき使われる労働者たちの
    三者三様のあり方が見ものである。

    それにしても一人1日100羽を捕まえたという数字は
    仮に10時間くらい働いたとして1時間10羽、
    ほぼ流れ作業のように捕まえてるんだろう。
    心の平衡が保てる気がしないね。

    逆方向から来たアメリカとのバッティングなど
    今もくすぶっている領有権のさや当てもこの時にすでに起きている。

    明治期の1つの側面を見せてくれる興味深い本に仕上がっていると思う。

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著者プロフィール

1949年 広島県呉市に生まれる
1978年 関西大学大学院文学研究科博士課程修了
現在 下関市立大学経済学部 教授
専門 人文地理学・島嶼地域研究
《主要著書》
『離島研究Ⅰ~Ⅳ』(編著 海青社,2003~2010年)
『離島に吹くあたらしい風』(編著 海青社,2009年)
『地図で読み解く 日本の地域変貌』(編著 海青社,2008年)

「2012年 『アホウドリと「帝国」日本の拡大』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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