本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・電子書籍
感想・レビュー・書評
-
2015.5.10 毎日新聞書評
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
副題には一獲千金の夢と南洋進出とある。
アホウドリが儲かるとは、どういうことか。
なんでもアホウドリは警戒心が弱いので特別な道具が無くても
ひたすら撲殺で捕まえられるらしく、それによって羽毛を輸出していたらしい。
明治の初頭から羽毛の輸出はそれなりの規模もあった。
そうした背景の中海洋進出をしていった実業家たちと、
それらに振り回される政府、そしてこき使われる労働者たちの
三者三様のあり方が見ものである。
それにしても一人1日100羽を捕まえたという数字は
仮に10時間くらい働いたとして1時間10羽、
ほぼ流れ作業のように捕まえてるんだろう。
心の平衡が保てる気がしないね。
逆方向から来たアメリカとのバッティングなど
今もくすぶっている領有権のさや当てもこの時にすでに起きている。
明治期の1つの側面を見せてくれる興味深い本に仕上がっていると思う。
全2件中 1 - 2件を表示