ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • Googleでの働き方と、組織の作り方を、人事の責任者が語った一冊。
    日本では2015年に出た本で、実は買ったのも結構前で、数年積読にしていたけれど、読んでみた。
    (でも先日書店に行ったら積まれていたので、コロナ禍でまた話題になっているのかも?)

    採用には決して妥協せず、仮に人手が少なくても、満足に足る人材がいないのであれば、それを空席にしておくこと。
    採用した社員に対しては、信頼し、自由を与えること、そして透明性を確保すること、がもっとも大きな特徴でしょうか。
    どうしても人事は目標数値が作りにくくて、定量的にやるのは難しそうだけど、さすがはGoogle、様々なツールでデータを集め、定量化をずいぶん進めている。その実践的(かつ結構汎用的っぽく思える)トライ&エラーの過程が書かれているのは珍しいのでは。
    今ではGoogleも世界の大企業なだけあって、「大企業病」的なところは少なからずあるとのこと。
    多少時間がかかっても、その中でいかに最大公約的な解決案(もしくは緩和案)を出していくのか、という点に優れたアプローチだと思う。

    日本企業に適用できる話も多いけれど、これを見ると少数の異端分子を無理やり枠に押さえ込む必要がないのは大きいのだろうな。
    合わない人は合わない。会社を辞めることは不幸ではない。
    あとは個人の労働時間規制の問題か。おそらく人手が足らず、採用も進まないときの解決策に、「できる人の負荷を増やし、権限と給料も引き上げる」という選択肢がないと、進まないはず。

    結構面白かったです、でもやっぱりGoogleいい環境で羨ましくなる。ここから、またさらに変わっているんだろうな。濁らない水って感じのスピード感があって。
    採用されるとは思えませんが、自分の会社が嫌になってきます笑

  • 【200冊目】グーグルのpeople operation(human resourceと従来呼ばれていた分野)の第一人者が書いた人事管理の本。
    重要だと思えるところには線を引きながら読んだので、内容のダイジェストはそちらに任せよう。何点かだけ備忘的に下記記載。

    ★証拠に基づくキャリブレーションのためのヒント
    ◯Horns&Halo Effects
     ある人について「すばらしい/ひどい」といった一般的な印象を持っていると、それとは逆の事態を示す新たな証拠に出会っても判断が曇ってしまう
    ◯Recency Effect
     ある人の最近のいくつかの振る舞いを覚えていて、それを過度に重視する傾向
    ◯Fundamental Attribution Error
     ある人の「能力」に注目しすぎ、彼らのパフォーマンスに影響を及ぼした状況を軽視すること。あるいはその逆。
    ◯Central Tendency
     中間点付近に位置することによって「安全策をとる」こと
    ◯Availability Bias
     よく頭に浮かぶことが、実際によく起こることだという感覚

    ★立派なマネジャーのチェックリスト
    1 
    上司は、私が成績を上げるための実行可能なフィードバックをくれる
    2 
    上司は、「マイクロマネジメント」をしない(部下が処理すべき細かいことにまで手出ししない)
    3 
    上司は、私を一人の人間として見て、思いやりを持って接してくれる
    4 
    上司は、優先事項である結果/成果物にチームを集中させる
    5 
    上司は、自分の上司や上層部から得た関連情報を定期的に知らせてくれる
    6 
    上司は、ここ半年のうちに私のキャリアにかかわる有意義な話し合いをしてくれた
    7 
    上司は、チームの目標を明確に伝えてくれる
    8 
    上司は、私を効率よく監督できるだけの専門知識を持っている
    9 
    私は、上司を他のグーグラーに勧める

    ★新人が必要なインプットを得るための5つの行動指針

    質問する。とにかく質問する!

    マネジャーと定期的な面談(1対1)をする

    自分のチームについて知る

    積極的にフィードバックを求める。待っていてはダメだ!

    挑戦を受け入れる(リスクを選んで失敗を恐れない。失敗しても他のグーグラーが助けてくれる)

    勉強になることが書いてある本なんだけど、いかんせん長い…2015年に購入したのに、読み終わったのが2017年……

  • google は、アメリカらしい実験と合理性をもって運営している。

    彼らは数多くの試験的な試みをやりつつ、よい職場に変革するという意識をもってやっており、そこにgoogleだからできるということはないとしている。

    採用面でgoogle らしさという面で、amazonでの採用のOLPに似た部分もあると感じた。自分より優秀なものを取る。この原則を破らないのがやはり重要なのだとは感じる。

    amazonにもあったように今後の会社の成長においては個々の主体性がカギを握る時代であろう。その主体性を出せる仕組みを作っていくという点がgoogleらしさを維持できる鍵になっているのだろうと感じる。

    会社の協力がないとできないことも確かにあるが、できることもある。
    そして試せることもある。小さい実験から一歩積み重ねることが企業文化を作ると感じた。

  • Googleの現役CHROが、同社のHRポリシーをかなり詳細に明らかにしたとして刊行当時はかなり話題になった。Googleがさらに大きくなるにつれて人事制度は大きく変わってしまったと聞いているが、2015年に書かれた本作は今でも役に立つ人事の考え方がたくさん記載されている。

    サラッと読むだけだと「日本企業には難しい」とか「Googleのような優秀な会社じゃないと難しい」といった感想が出てくる内容なのだが、ちゃんと日本企業でも活用できることが多く書いてある。その中の最たるものは、採用をしっかりやれ、ということだ。人材輩出企業で知られるリクルートも創業者の江副は「自分より優秀な人を採用しろ」と言っていたということだが、本書にもバッチリと同じことが書いてある。自分が使いやすい人間ではなく、文化に合い、かつ優秀な人間を採用することが会社が伸びるために最も重要なことなのだ(もちろん全ての産業に100%その考え方でいいとは、本書でも言ってはいない)。

    具体的な制度とか施策の運用を知りたい人にとっては随分抽象的なことが書いてあると感じられてしまうだろうが、どのような制度も結局のところポリシーが一番重要になる。この本は人事上の各分野において根本的な考え方が記載されており、人事に関わる全ての人が一回は読むべきだと思う。少なくとも自分のように日本で外資系で働き、アメリカでも働いたことがあるような人間にとっては、シリコンバレーの会社はこうあるべきという共通認識のようなものだと感じられた。

  • 性格の悪い奴は採用すんなってことだな!

  • 2015年のものだが、まったくすたれていない。
    googleの人事担当副社長による本。
    googleがどのように人を採用し、育成し、健やかで創造的な結果を出せるための環境を提供しようとしているか。
    大企業となったgoogleはその社員を対象として福利厚生も制度もサンプル的に実施、改善、本格導入、または撤退を繰り返している。多様な意見を聞き、それを取り込むことから、新サービスへとつながったりする。
    評価に関しても特定の結果を見える化したチームのみを対象としたボーナス報酬は効果が薄く、悪い面もあったなど。
    起業のHR,総務、経営側に立つ人間にはヒントがたくさんある本だし、新入社員にとってさえも、会社とは何かを学べる良書だと思う。
    願わくば、この後日談も読みたい。

  • Googleの人事部門における社員の待遇などについて、どういうことが行われているのか、なかなか興味深い事実が述べられている。
    成功ばかりではなく失敗もあるのだが、そこからいかに未来へ向かうのか、という切り替えがうまい。
    また、情報をオープンにという方針は大賛成なのだが、日本の企業は絶対まねしないだろう。

  • Googleの人事の仕組み(採用・評価・報酬・人材育成など)を、Googleの人事トップが解説する本。※How Google Worksとかなり内容重複
    プロジェクトオキシジェンの詳細も記載されている。Googleだからこそ成り立っている部分もあるが、データドリブンな分析が最高に勉強になる。

    ◯プロジェクト・オキシジェン
    メンバーのパフォーマンスに影響を与えるのはマネージャーの言動であるという説を元に、1万人以上の従業員を対象にして、
    成果をあげているチームのマネージャーは何をしているのかを調査・分析し、マネージャーの役割や仕事を明らかにしたもの。
    優秀なマネージャーの8つの特徴をまとめている。
    ・よいコーチである。
    ・チームを勢いづけて、任せる。
    ・チームのメンバーが健康で、成果を出すことに強い関心を持つ。
    ・生産的で成果主義。
    ・チーム内のよき聞き手であり、メンバーと活発にコミュニケーションをしている。
    ・チームのメンバーのキャリア形成を手助けしている。
    ・ビジョンや戦略を持っている。
    ・アドバイスできる専門知的技術や知識を持っている。
    最も重要なことは「よいコーチであること」。
    これができていなければ、他の要素ができていたとしても、チームを成功に導くことはできない。
    良いコーチであるとは、指示したり答えを教えるのではなく、メンバーの可能性を本人以上に信じ、才能を引き出し、
    答えを自ら出せるようにすることで、メンバーが自発的に行動し、能力を習得していくサポートをすること。
    簡単に言うと、質問を通して自己認識させ、メンバーの能力を伸ばせる人。
    ▼スキルにすると
    専門性
    権限委譲
    フィードバック

    〇上司を評価するために部下にする質問
    1.上司は、私が成績を上げるための実行可能なフィードバックをくれる。
    2.上司は、「マイクロマネジメント」をしない(部下が処理すべき細かいことまで手出ししない。)。
    3.上司は、私をひとりの人間として見て、思いやりをもって接してくれる。
    4.上司は、優先事項である結果/成果物にチームを集中させる。
    5.上司は、自分の上司や上層部から得た関連情報を定期的に知らせてくれる。
    6.上司は、ここ半年のうちに私のキャリアに関わる有意義な話し合いをしてくれた。
    7.上司は、チームの目標を明確に伝えてくれる。
    8.上司は、私を効率よく監督できるだけの専門知識(例:技術部門ではプログラミング、財務部門では会計)を持っている。
    9.私は、上司をほかのメンバーに勧める。
    マネージャーに関する匿名でのフィードバックを各チームに求める。この調査を思いやりのあるツールとし、報酬や罰ではなく、成長に焦点を合わせるべき。
    ▼直接聞くなら
    「私がしていることでこのまま続けて欲しいことは?」
    「私が今してないことでもっとした方が良いと思うことは?」
    「あなたがより高いパフォーマンスをあげるために私がすべきことは何か?」

    〇面接時間を「志望動機」「意欲確認」なんかに使うな
    ・「志望動機」なんて聞いても建前がかえってくるだけ。
    ・面接では、意欲ではなく「行動」と「仮説」を聞く
     行動:「その問題をどうやって解決した?」「そのとき、具体的に何をやった?」「初めての取り組みだけど、何をどの順番で学んだ?」
     仮説:「もし~だとしたら、どうする?」「仮にこういう問題が起きたとしたら、どう対処する?」
    ・仮説と行動を聞くことで、コンピテンシーを把握できたり、入社後の活躍をイメージしやすくなる。

    ◯人事評価のバイアス修正のコツ
    ・Horns&Halo Effects
    ある人について「すばらしい/ひどい」といった一般的な印象を持っていると、それとは逆の事態を示す新たな証拠に出会っても判断が曇ってしまう
    ・Recency Effect
    ある人の最近のいくつかの振る舞いを覚えていて、それを過度に重視する傾向
    ・Fundamental Attribution Error
    ある人の「能力」に注目しすぎ、彼らのパフォーマンスに影響を及ぼした状況を軽視すること。あるいはその逆。

    ◯その他
    自分が求めるものを徹底して具体的に描くことによって、最高の人材を紹介してもらう。
    採用活動を全社員の仕事の一部にする。.
    自分自身で採用候補者を見つける。
    2本のマネージャーのテール。上位と下位に注目する。ボトムテールに集中した研修等の投資を行う&トップテールを観察し、学びを得る。
    最善の学習方法は教えること
    目標とフィードバックをたてる
    ルールよりきっかけづくり
    最も優秀なプレイヤーを手本にチェックリストを作って真似をするだけでなく、彼らに社内の教師もやらせる
    学習する組織をつくる最良の方法は、社内の講師を増やすことにだけ注力すること
    マネージャーに自チームのメンバーの採用を任せてはならない。さらに視座の高いものが、目標か課題にあわせて優秀な人材を採用する
    教育を頑張るより才能ある人材を採用するほうが圧倒的に効率的&安い&成果もでる。高収入だったとしても

  • 途中で返却してしまいましたが、全部読めたらなあという感じ。特に採用のエッセンスは印象的。「自分より優秀な人をとれ、それについては絶対妥協するな」の点。
    確かに現場に任せたらそんなに待ってられないので妥協されちゃうかも。いや人事でもそうか。
    そしてgoogleの採用がえらいことになってんだと驚き。8ヶ月待たされるとかそら大変。
    同時に採用にかける思いも非常に強い。やっぱりまた採用やりたいなぁと思った。

  • UFSなど個別の施策も面白いが、全体を通じてGoogleが文化を重視してきているという印象を得た。

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著者プロフィール

ラズロ・ボック
グーグル人事担当上級副社長
グーグル人事担当上級副社長。
1972年、共産主義政権下のルーマニア生まれ。

マッキンゼーやGE勤務を経て、2006年にグーグル入社。

従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、
グーグルの人事システムを設計し、進化させてきた責任者。

グーグルは世界各国で「最高の職場」として認められ、
数多くの賞を受賞してい る。


「2015年 『ワーク・ルールズ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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