霧が晴れた時 自選恐怖小説集 小松左京 恐怖小説集 (角川ホラー文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
3.77
  • (3)
  • (18)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 121
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (386ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小松左京ってSFのイメージが強いけど、日本で最強のホラー作家だと思ってる。
    今の時代にはそこまで怖くないかもだけど、築50年くらいの和室に住む民は「まめつま」を読んでまじで震えあがるんじゃないか。
    障子、天井板、廊下をフル装備した我が家では怖くて仕方がなかった。
    今でも天井からなんか覗いてる気がする。

  • 小松左京の短編集。
    突然街に自分にしか見えず触れない自分の影が登場したり、戦争を知らない世代に召集令状が届き実際に人が消えていったり、子供が目の前で消えたが消えた場所が不明確になっていったり……どれもどうなってしまうんだ?とひきこまれる話だった。
    オチはそれぞれ、唐突すぎて意味がわからなかったり、徐々にそういうことか、とひきこまれたり、と様々。
    読み終わった後、ふと、思い出して考えてしまう。

  • Kindleアンリミテッドで読む。
    小松左京のホラー短編集。小松左京の魅力が濃縮。以下、タイトルと感想。
    すぐそこ
     山道で迷った挙げ句・・・怖い。
    まめつま
     幽霊と幽霊が・・・怖い。
    くだんのはは
     人+牛→件(くだん)・・・怖い。
    秘密(タプ)
     古代の呪いが蘇り・・・怖い。
    影が重なるとき
     短編SFの傑作・・・やっぱり怖い。
    召集令状
     シンプルに・・・戦争怖い。
    悪霊
     まさかね・・・怖い。
    消された女
     そして誰もいなくなった・・・怖い。
    黄色い泉
     黄色い泉とは・・・怖い。
    逃ける(ふける)
     オトナのブラックユーモア・・・怖い。
    蟻の園
     シュール・・・怖い。

     骨を掘り出していくと・・・訳が分からない怖さ。
    保護鳥
     保護されている鳥を見に行って・・・怖い怖い。
    霧が晴れたとき
     山道で霧に遭遇して・・・怖い怖い怖い。
    さとるの化け物
     さとるが本当にいたら・・・怖い。
    作者あとがき
    解説
     作者本人と解説者による作品解説が当然面白い。小松作品をたくさん読んでみたくなった。

  • ■書名

    書名:霧が晴れた時 自選恐怖小説集
    著者:小松 左京 (著)

    ■感想

    「くだんのはは」が有名みたいですが、そんなに言うほど面白いかな?と
    いうのが正直な感想でした。
    全部が同程度に楽しめる短編集だと思います。
    ホラーというほど怖いものは無かったかな?
    どちらかと言ったら、SF、ファンタジーというものもいくつかありました。

    怖いかどうかはさておいても、一つ一つの話しはよくできていて
    楽しく読む事が出来ました。
    ただし、黄色の泉だけは最後の意味が分からなかった。

    これ、小説ではなんとなくでも映像化したら怖くなるものはありそう。
    くだんのははとか映像化したら怖いでしょうね。
    小説だとホラーって最大限の良さは出せないかも。
    別に映像化を押してはいないのですが、怖さは音と映像を使った方がより
    伝わる気がします。
    まあ、結局は作り手のレベルによるとは思うけど。

    個人的は、霧が晴れた時、影が重なる時とか好きだけど、もろにフレドリックブラウン
    みたいだったな~と思ったり。
    戦争時代が関わる話しに、この人の特色が出るのかな?招集令状とかも面白かったし。

    短編好きにはよかったです。

  • 再読。
    すぐそこ アイディアも秀逸だしよくまとまっている。地元民の描写がやけに細かくてリアル。
    まめつま 女子供にしか幽霊が見えず夫が信じてくれないというよくあるパターンかと見せかけて実は妻の方がおかしくなってたというのが叙述トリックっぽくておもしろい。しかしまめつまってタイトルになってるけど後半の展開と全く関係ないぞ。
    禁忌 像に唾をかけたのが、殺される妻自身ではなく夫の妹というところが理不尽感を強めていてうまい。今の感覚だと唾をつけて掃除をするということ自体あり得ないから「何気ない行動が禁忌に触れてしまった」というニュアンスが弱まってしまうのが残念なところ。
    (途中)

  • どの話もとても面白く善くできていて、正にストーリーテラーな感じ。しかし、ホラー的なゾクゾク感があまりなく、所謂ショートショートを読んでいる感じで途中から飽きがきてしまいました。
    ----------------------------------------
    すぐそこ
    まめつま
    くだんのはは
    秘密(タプ)
    影が重なる時
    召集令状
    悪霊
    消された女
    黄色い泉
    逃げる(ふける)
    蟻の園

    保護鳥
    霧が晴れた時
    さとるの化け物

  • 「くだんのはは」を再読したくて購入。
    短編と雖も一遍一遍の濃さと幅広さで読み応え十分。美しい文章も満足感が高い。
    手に汗握る恐怖より、じわりじわりと読後まで残る怖さを感じたい人に。

  • ホラー短篇集。名作「くだんのはは」「保護鳥」、内容もさることながら、その手触り・薄暗い空気感が何より怖い。この著者の作品を改めて読むと、その振れ幅に改めて驚かされる。そして哲学・歴史・風俗の膨大な知識量。努力と汗の量の裏付けが作品を重厚にしている。

  • タイトルのせいか、全体的にもやもやと霧のかかった感じの作品が多くて、それが不気味のような、その不透明さが良いような、そんな作品が多め。
    個人的には「影が重なる時」が特に良かった。ラストが非常に衝撃的だったのもそうだけど、その経過の謎が謎を呼んでいくすごさもすごくリアル。
    「骨」もすごい味わいぶかかった。
    お風呂でのんびり一話一話、味わうように堪能出来るそんな作品集。

  • 小松左京の怪談話短編セレクション。どの作品もレベルが高いが、特に一番有名な「くだんのはは」の恐ろしさは極上のもので、ラストシーンを想像するだけでトラウマになりそう。他には本業のSFテイストの「骨」も傑作。

全12件中 1 - 12件を表示

著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小松左京の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×