霧が晴れた時 自選恐怖小説集 小松左京 恐怖小説集 (角川ホラー文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2015年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (386ページ)
感想・レビュー・書評
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小松左京ってSFのイメージが強いけど、日本で最強のホラー作家だと思ってる。
今の時代にはそこまで怖くないかもだけど、築50年くらいの和室に住む民は「まめつま」を読んでまじで震えあがるんじゃないか。
障子、天井板、廊下をフル装備した我が家では怖くて仕方がなかった。
今でも天井からなんか覗いてる気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小松左京の短編集。
突然街に自分にしか見えず触れない自分の影が登場したり、戦争を知らない世代に召集令状が届き実際に人が消えていったり、子供が目の前で消えたが消えた場所が不明確になっていったり……どれもどうなってしまうんだ?とひきこまれる話だった。
オチはそれぞれ、唐突すぎて意味がわからなかったり、徐々にそういうことか、とひきこまれたり、と様々。
読み終わった後、ふと、思い出して考えてしまう。 -
■書名
書名:霧が晴れた時 自選恐怖小説集
著者:小松 左京 (著)
■感想
「くだんのはは」が有名みたいですが、そんなに言うほど面白いかな?と
いうのが正直な感想でした。
全部が同程度に楽しめる短編集だと思います。
ホラーというほど怖いものは無かったかな?
どちらかと言ったら、SF、ファンタジーというものもいくつかありました。
怖いかどうかはさておいても、一つ一つの話しはよくできていて
楽しく読む事が出来ました。
ただし、黄色の泉だけは最後の意味が分からなかった。
これ、小説ではなんとなくでも映像化したら怖くなるものはありそう。
くだんのははとか映像化したら怖いでしょうね。
小説だとホラーって最大限の良さは出せないかも。
別に映像化を押してはいないのですが、怖さは音と映像を使った方がより
伝わる気がします。
まあ、結局は作り手のレベルによるとは思うけど。
個人的は、霧が晴れた時、影が重なる時とか好きだけど、もろにフレドリックブラウン
みたいだったな~と思ったり。
戦争時代が関わる話しに、この人の特色が出るのかな?招集令状とかも面白かったし。
短編好きにはよかったです。 -
どの話もとても面白く善くできていて、正にストーリーテラーな感じ。しかし、ホラー的なゾクゾク感があまりなく、所謂ショートショートを読んでいる感じで途中から飽きがきてしまいました。
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すぐそこ
まめつま
くだんのはは
秘密(タプ)
影が重なる時
召集令状
悪霊
消された女
黄色い泉
逃げる(ふける)
蟻の園
骨
保護鳥
霧が晴れた時
さとるの化け物 -
「くだんのはは」を再読したくて購入。
短編と雖も一遍一遍の濃さと幅広さで読み応え十分。美しい文章も満足感が高い。
手に汗握る恐怖より、じわりじわりと読後まで残る怖さを感じたい人に。 -
ホラー短篇集。名作「くだんのはは」「保護鳥」、内容もさることながら、その手触り・薄暗い空気感が何より怖い。この著者の作品を改めて読むと、その振れ幅に改めて驚かされる。そして哲学・歴史・風俗の膨大な知識量。努力と汗の量の裏付けが作品を重厚にしている。
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タイトルのせいか、全体的にもやもやと霧のかかった感じの作品が多くて、それが不気味のような、その不透明さが良いような、そんな作品が多め。
個人的には「影が重なる時」が特に良かった。ラストが非常に衝撃的だったのもそうだけど、その経過の謎が謎を呼んでいくすごさもすごくリアル。
「骨」もすごい味わいぶかかった。
お風呂でのんびり一話一話、味わうように堪能出来るそんな作品集。 -
小松左京の怪談話短編セレクション。どの作品もレベルが高いが、特に一番有名な「くだんのはは」の恐ろしさは極上のもので、ラストシーンを想像するだけでトラウマになりそう。他には本業のSFテイストの「骨」も傑作。