ラッパチーニの娘 [Kindle]

  • BOOKS桜鈴堂
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感想・レビュー・書評

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  • なんて身勝手なことを、人一人の運命を狂わせやがってと、ラッパチーニ氏に対する怒りのようなもの……と、ベアトリーチェに対する悲しみや憐れみなどが入り混じっている読了後。
    読んでいる途中、割と早い段階で「もしかしてこうなってるんじゃ?」と予想はついた。けれど「こうだ!」と結末は予想はできなかった(可能性を三つほどに絞るくらいしか……)。

    ベアトリーチェになんて惨いことを!

  • 書物の王国7巻、澁澤龍彥「悪魔の創造」で言及されているのを見て気になったもの。ありがたいことにBOOKS桜鈴堂にあった。しかしamazonは支店化……だと……?

    大学生ジョヴァンニ、毒に満ち満ちた庭園を管理するラッパチーニ博士とその娘ベアトリーチェが織りなす恋の物語、あるいは果たされなかった毒の楽園追放。
    1844年発表ということで、科学が宗教を食わんとする動きが激しかった時代の影響があるだろうか。品種改良どころでない異形の植物の開発といい、毒を糧とするよう娘を作り替えたことといい、ジョヴァンニが当初アダムかと思ったラッパチーニ博士は明らかに神の立ち位置。神を蔑する父に似ず、ベアトリーチェはあくまで善良で敬虔で美しい乙女であることが救いでありつつ哀れを誘う(名前は『神曲』由来だろうか)。
    ジョヴァンニというアダムを得て、晴れ晴れしく毒のエデンを出たベアトリーチェが新人類として君臨し、創造主たる父を神に据える。ただ恋をしただけのベアトリーチェを前にして父の上げる気炎こそ毒のよう。愛と恐怖の板挟みに苦しむジョヴァンニといい、解毒薬で結果的にベアトリーチェを殺してしまうバリオーニ博士といい、3人の男性が三様にベアトリーチェを怪物の檻に押し込めている趣さえある。ただ死をもって解放されたベアトリーチェの霊だけは、毒に侵されないまま純潔なのだと思う。しかし彼女の祈りを否定する「悪魔のような嘲り」を口にしたジョヴァンニは、彼女と永遠に隔てられてしまったのかも。

  • 昭和のころの少女マンガに似たようなのがあってもおかしくないな・・・・と思ってしまった。
    それと、吐息で虫が死ぬってところは
    「24時間ひと吹きで蚊が落ちる」という殺虫剤と同じだなぁと思っちゃった。
    ああ、ホーソーンも100円ほどで売られちゃう時代なのねぇ

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