教団X (集英社文芸単行本) [Kindle]

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  • 集英社 (2014年12月20日発売)
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みんなの感想まとめ

知識欲を刺激する内容と、宗教や科学を巧みに絡めた独自の語りが魅力の作品です。教祖が語るDVD形式の教義は、物理や化学、宇宙といった現代科学の知見を古代宗教と結びつけ、新しい思考を引き出します。文学的な...

感想・レビュー・書評

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  • 中田敦彦がYoutube配信で学んだことに1番がためになること、2番がわかりやすいこと、3番目に面白いことを配信するのに考えると言っていた。そんなことを思い出しだ読書でした。

    教団の教祖が語るDVDという仕掛けが、まさにためになる、知識欲求を刺激する内容なんです。物理、化学、宇宙など現代科学が到達した知の領域と古代宗教を結びつけて教義する語りが新しい思考を引き出す魅力に溢れていて読書が止まらなくなります。こんな教祖がいたら入信するかもしれないですよ!
    それでいて文学的なまどろっこしい表現を意識的に抑えていて読みやすい。色んな人物が登場し、それぞれに独白が設けられ感情に訴えている場面、表現が多く、どんどん惹きこまれます。様々な興味がごちゃごちゃに入り乱れている作者の頭の中を覗かされてる感覚になります。

    小説の新しい楽しみ方を味わえる過激な毒書です!
    こころして読んでみてください。

  • 傑作!賛否両論を呼んでいるのは、文章から溢れ出す"左翼臭"のせいか。確かに、いわゆる"ネトウヨ"な人は脊髄反射で反論したくあるような論旨の文章は多い。でも、あくまで"左翼的"であるだけで、左翼側の人にも的確な否定をぶつけていて、良くも悪くも全方位に喧嘩売ってる作品。
    エロと新興宗教を扱うという卑近さを持ちながら、極めて文学的に文章を重ねつつ、思想の骨子として量子論や超紐理論などの先端科学を扱っているという点も、純文学好きvs娯楽小説好き、文系vs理系のどちらにも媚びない(言い方を変えればやっぱり両方に喧嘩を売る)スタイル。

    文章で戦うオラオラ系のストロングスタイルな作風にしびれました。
    誰もが惹かれながらも批判したくなるという、読者一個人の中までも賛否を生むという、実にアグレッシブな作品でした。

    結構長い(厚い)作品ではあるものの、一気読み必至。
    本当に素晴らしい作品でした!!

  • 性の解放と光と闇の話。宗教に縋る話ではなく、こちらの想像を遥かに超えていた。沢渡の狂気的な性癖、歪みが好みだった。

  • 複数のトピックが入り混じった混沌としたストーリーでありながらも、終盤に向けて本筋に全て巻き付いていくのがおもしろい。
    巻き付いていくサブトピックも決して類似したものではなく、宇宙・宗教・性・飢餓など独立したように思われるもので、それらをまとめ上げているところが特におもしろいと感じた。
    教団の統制の取り方は、直前に読んだジョージ・オーウェルの「1984年」と対比できるところもあってなおさら深く興味深く読むことができた。(本質的にリンクするものではないけれど)

    1つ残念なのが性描写。他の描写に比べて極端に俗っぽいというか男性主観過ぎると感じた。この俗っぽさに限れば文学的意味を見出すことができなかった。

  • 帯の「大ベストセラー」とか「絶対的な悪、圧倒的な光」とか、タイトルに惹かれて購入。
    現実では無宗教(というよりよく分からない)だけど、小説とかでテーマにされているのを読むのは好き。
    買ったのはだいぶ昔だが、今回新刊の『R帝国』がこれの続編とのことでいよいよ読むのを決意。

    2部構成で、1部は主に光側で、本筋に向けて動き出す話。2部で悪側にも焦点を当てて、物語は一気にスケールアップする。
    正直1部の松尾さんの話は、知らないことだから興味を持って読めるけど、めちゃくちゃおもしろいかと言われればそうでもない。ただ、2部に入り一気におもしろくなった。

    R帝国も一気に読んでしまったので、感想はR帝国の方に書く。

    性描写とかぐろい描写が多いので、人を選ぶかもしれないです。

  • 自分の物語を作りなさい

    内容が難しくて流し読みみたいにもなったけど、この本を読まなければ一生知らなかったであろう世界を覗けた様な気持ち。こういう読書の楽しみ方もあるな。

  • 完全に期待はずれだった。
    と、いうか、期待もしていなかったのかもしれない。
    ただ、話題の本だったから、読んだだけなのかもしれない、
    文章に飾り付けが多く、だらだらと無駄に長くなっているような気がする。
    グダグダと自己陶酔の中にいるように、作者の中で自己完結してしまっているように感じた。
    なぜ、絶賛されているのか、理解に苦しんだ。

  • 前半の暗い暗い暗い雰囲気がすごく印象的。
    あまり救いがないように思えるが、後半からラストはぐんぐん話が進み読まされる。

  • サスペンスを想像して読んでみたが、意外な内容でした。宗教や量子力学、宇宙学など、壮大な知識を同時に得られる物語で意表を突かれた。物語にはあらゆる宗教が登場するが、いずれが正義か悪かは書かれていない。一方で国を守るはずの公安が、民衆に糾弾されるシーンもある。善悪は容易に判断できないものだ。

    他の人と比べることなんて、どうだっていいの。大事なのは、目の前に出現したその自分の人生を歩くってことなの。立花が話した台詞が物語を終焉に導いたが、世の中全てはこれに帰着すると思う。松尾があらゆる教養を語る中で発する俯瞰的に世界を見る目が、私たちには必要なのだと実感した。全ての多様性を愛する、という作者の信条を私も心に置きたい。

  • 立花涼子という女性を探す楢崎透。
    彼女を追う先には、沢渡と松尾がそれぞれ教祖を務める二つの宗教団体の存在が浮かび上がる。性とは、宇宙とは、宗教とは、政治とは、人とは…あらゆる概念に切り込む2016年本屋大賞ノミネート作品。

    やっと読み切った。
    何を隠そう、一度挫折している。しかし、今までどんなに過酷な読書でも投げ出したことはないので、意地で再読し、読了。松尾の講演録がとにかく読むのが辛くて辟易した。作中に手を変え品を変え何箇所か出てくるのだが、出てくるたびに溜息が出てしまうほどに苦痛だった。宇宙や物理学や宗教も含めて私は全く興味がないので、苦手な教化の参考書を読まされている学生の気分だった。

    面白かったのは沢渡の過去。
    医師であった沢渡の海外での医療活動について綴られている場面だ。日本で医師をしていた時分から、手術台の上で自分に運命を握られるばかりの患者に欲情する性癖を持っていた沢渡。インドでもその欲望は消えることはなく、現地で結核に苦しむ少女に倒錯的な思いを募らせていた。彼の変態性や、それを受け入れたナイラとのやり取りに異国情緒溢れる宗教性を感じて、ひどく心に残った。

    性描写、ない方がよかった。
    教団Xを語る上で絶対に切り離せないのがそこここに散りばめられている性描写。宗教の熱に浮かされている状態であるにしても、陳腐で安っぽい。結局いろいろ描かれてるけど、新興宗教ってインチキ臭いよねと思わせてしまうようなただのエロシーン。うまく言えないけれど、もっともらしい事を言っておきながら結局それですかという諦観。

    立花涼子の行く末に興味が絞られた最後。
    冒頭から終始ミステリアスで、どこか清らかな雰囲気を纏っていた立花。唯一汚れなき存在に感じて彼女の一挙手一投足には目を配ってきた。高原も同じくどこか目を引く雰囲気を持っていた。彼らが一体どう着地するのかで評価が少し変わるかと思っていたのだが、3点を付加していることで、どう感じたかは察していただきたい。

  • 圧巻のページ数にしては読みやすい印象を受ける。淡々とした文章の中に突如として現れる暴力描写が教団Xの狂気的な世界観を表現していて脳内再生待った無しなわけで、そこに中毒性を感じます。読書好きでオカルト好きには堪んない一冊でした。

  • 立花が高原を諭す場面で一瞬白けた。
    「教祖」の言葉と、幹部とはいえ「信者」の言葉は重みが違う。
    教祖になろうと思っていたわけではないにしろ、松尾や沢渡の、人を惹き付ける力や言葉が本当に強力なものなんだと思います。
    面白いけど人にはすすめづらい描写が多いです。

  • なんというか、哲学的な内容だなあと思った。人間の在り方を突き詰めていくと、どうなるか。答えはない、一人ひとりが正解だみたいな。深いような浅いような。もっと直球勝負の方が、私好みであった。神は存在すると思う。個々人の中に存在し、皆それぞれの神を見ている。

  • なんか自慰行為をずっと見せられて「どう思った?」って聞かれた感覚になったわ
    え?そんなこと言われても知らね、、笑

    でも最後らへんの物語の進むスピードが速くなった瞬間に急に面白くなった。宇宙とか粒子の話されてる時ほんときつかった・・・
    危ないの分かってるのに火に飛び込む虫の様な抑えられない欲求というのが、どの登場人物たちにもあってそれぞれの思想や行動がどれも危なっかしい、、
    我慢できないっ!て言うのは分かったけどあまり共感はできなかったな、、

    私にはまだ純文学は早かったみたいです

  • この本に登場する人たちは、皆どこか破滅的欲求を持っていて、その破滅への抗いがたい渇望によって事件へと巻き込まれていくことになる。
    一方では、教祖の沢渡がその破滅的欲求に負けていく様を、他方では破滅的欲求に翻弄されつつも最終的には欲求と決別する楢崎と立花の様を、信仰宗教教団を舞台に表現されている。
    置かれた環境がどの人も特殊なので、感情移入して読み進めるような物語ではないけれども、誰もが持っている破滅的欲求・悲劇のヒロインシンドロームに揺れ動く心のあり方について、細かく描かれていると感じた。

  •  

  • 様々な本を読み慣れた方向けだと感じます。
    一言で表すと「思想家の物語」
    人の原罪について考えさせられ、重厚で先が読めず非常に面白い。
    人の思考って興味深いなぁ、と。そして孤独と恐怖は人を狂わせるのだなぁ、と。

  • なんかわからないけど 
    友人の口からこの著者の名前が出たので 読んでみました。

    厚さが3cm以上(500p以上) なので 
    少々しんどかったです。

    内容は 宗教問題をテーマにして切り込んでいくんですけど。。。
    性描写が すごすぎて、、、
    男性には 楽しいかもしれません。

    で、主人公が 4人?なので 各章ごとに 戸惑いながら 読み進めました。

    どうにか  読み終わって、
    この著者が 宗教や 政治問題を 勉強していることが 伝わりました。

  • 分野が幅広くてあまり理解出来なかった。人物描写がもう少し深ければストーリーとしては楽しめそう。

  • ノッてくるまでけっこう苦しくて、何度か中断しながら、第二部からラストまでの300ページくらいは一気に読んだ、ものすごい熱量で展開していくストーリーに、振り落とされそうになりながら。

    闇と光の物語だと、あとがきに著者は書いていた。
    1984の世界が頭をよぎり、なぜ、平和で戦争が無く、貧困も飢餓もなく、差別もない世界は実現不可能なのか、そう思うのかを改めて考えた。
    なぜ、光の方へ向くことが困難なのかと。

    本を読む行為は、自分の内面を常に揺さぶり、考えさせる。
    「硬化した人々」にならない為に、私は本を読むのかもしれないと思った。

    女性性の扱いについては、嫌悪感も無くは無かった。ああ書かざるを得ない、という諦め?では無いけど、何かステレオタイプな気がして、そこだけ気になり星4つです。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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