セッション コレクターズ・エディション[2枚組] [DVD]

監督 : デイミアン・チャゼル 
出演 : マイルズ・テラー  J・K・シモンズ 
  • ギャガ
3.90
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4589921401579

感想・レビュー・書評

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  • ラスト、思いがけず涙が出て、鳥肌が立った。
    そんじょそこらの音楽映画でもスポ根映画でもない気がした。
    差別発言が繰り返され(でも孫には優しい顔をみせる)、決して気持ちが良い筈ないのに、小気味良いテンポのカット割りでつい見入ってしまう。
    主役の子は『ダイバージェント』に出てた人。
    吹き替えもなしにようやった!
    鬼教師役の人は故蜷川幸雄さん似(に見えた)顔がコワイ。
    でも彼のいう「戦って勝ち取れ」は真理。

  • フルメタルジャケット+ブラックスワンみたいな作品。
    この映画の本質は、ニーマンの鬼気迫るプレイでも、フレッチャーのハートマン軍曹ばりの狂気のしごきでもなく、同じパートのライバルが下ろされて自分にチャンスが回ってきた瞬間に隠しきれず浮かぶ優越の表情だと思った。

  • 洗脳・努力・復讐といった感じ…
    何が素晴らしかったとか、教訓はなんだとかではなく、己の軸を持ってる者たちの蹴落とし合いと、ある種の協力を見せられている感じ。
    しかし一貫して、ニーマンは先生に洗脳されていた気がする。一度殺意を抱いた相手のもとでもう一度セッションしたいなんて狂ってるなぁ…。あんな鬼に対しても認められたい感情を抱いてしまう狂気こそ、人間らしさなのかな。
    音楽は明確な採点がないと言っていたが、まさにその通りで、先生に気にいられるような技術を身につけること(≒先生への従属)が上達であるので、音楽がテーマである以上先生への屈服は必然なのかもしれない。それ故の洗脳らしさ。
    一種の師弟愛と考えることもできるけど、私は二人の関係を盲目的な他者への期待と、自己満足のための他者利用と感じた。
    最後のシーンの光の差すステージが、このコンサート後のことを考えず、ただ今を憎むべき存在と楽しんでしまうニーマンと先生の、一時的に相手へのネガティブ感情を取っ払った世界のようで綺麗でした。先生の、気に入った演奏をしてもらった時の満足げなニヒルな笑みがとても好き。

  • 鬼教師の指導の域を超えた罵声が恐ろしいし、緊張感がずっと続いて、もしかしてこれってブラックスワンみたいな感じなのかもと思い、中盤くらいで疲れてきた。
    個人的に、必要以上に厳しすぎる吹奏楽部なんかの指導に疑問を持っているので(恐怖や羞恥で支配しなくても良い演奏は引き出せると思うから)、フレッチャーのやり方には嫌悪感を抱いた。
    ただ、ラストまで全部観て…、それだけで終わる映画ではなかったんだと気が付いた。
    相手が憎いのに認めたい/認められたい。
    求めていたものをついに自分の手で表すことができた/引き出すことができた。
    白黒つけられない感情や、興奮の絶頂、そういったものが熱狂的な演奏ともあいまって、ラストに噴出した。

    ドラムは1曲につき1人しかできないから、主奏者の座の争奪戦が他のパートに比べてより激しくなる。
    それに、ニーマンの親戚?のスポーツマンとの会話にも出てきたけど、音楽は得点で明確に勝敗(優劣)がわかるものではない。
    そこらへんが、ニーマンの苦しみをいっそうドス黒いものにしている。薄暗いスタジオや舞台裏、ステージが、その心の内を表しているかのようだった。

    また、残念なことに音楽の世界で頂点に立とうと夢見る若者の多くは、有名音楽大学にギリギリひっかかったニーマンなんだと思う。
    見方を変えれば地味な脇役に過ぎないニーマンが、傲慢になったり、悔し涙を流したり、本当に人を殺してしまいそうなくらいな目つきで血を流しながらドラムをたたいたり、もがき暴れることで、文字通り主役級の輝きを放っていた。

    フレッチャーの音楽や教育に対する理想が後半に語られるが、彼がどうしてあのような鬼教官になったのかをもう少し掘り下げてもらいたかった。

    それでもやっぱり、音楽は楽しくやろ~よ~笑

  • 音楽映画が観たくなってアマプラにて視聴。
    暗く重苦しい映像が美しく、ドラムの演奏に圧倒される。
    最初の方は指揮者の鬼っぷりが観ていて不快なくらいで、これ、この指揮者が本当はいい人だったってオチなら嫌だなぁ……と思っていた。猫なで声で優しい言葉掛けをするかと思えば大声で罵倒したり、計算ずくで傷つけたり、DV加害者みたいだなぁ……と思った。そんな指揮者に認められようと気が狂うまで頑張っちゃって恋人との未来まで犠牲にする主人公はDVの被害者のよう。そんな二人の歪んだ関係はやっぱり一度終わりを迎えて、心理士?弁護士?教師?のような女性から、鬼指揮者のせいで自殺に追い込まれた生徒がいる、あなたも辛い目に遭わなかったか、みたいに訊かれるシーンあたりで、あーやっぱりあの鬼指揮者は根っからの悪者扱いなのか……と思った。しかし二人はその後再会してまた一緒に舞台に上がることになる。鬼指揮者が改心したのか?と思いきや、最後、鬼指揮者はやっぱり鬼だった(主人公のせいで仕事を失ったことを恨んで、主人公に恥をかかせて将来のチャンスを奪うためにわざと主人公の知らない曲を舞台上で指揮し始める)ことが分かり、ザワッ!ドキッ!として胸糞が悪かった。
    こんな胸糞が悪い終わり方なのか?と思いきや、最後の最後に、主人公は気が狂ったように指揮者を無視して自分の練習してきた曲を叩き始め、それがめちゃめちゃ上手い。楽団のメンバーも主人公に合わせて演奏し始める。主人公が指揮者の座を奪っちゃった瞬間で、スカッとする。
    確かにリズムキープという点では指揮者の役割とドラムの役割って重なるし、どちらもバンド全体の主導権を握れる立場である。主人公がテンポについてずっと怒られてたことは、主人公が最後に指揮者の主導権を奪っちゃうことを暗示していたのかも。
    あまりの上手さに、キレてた指揮者も最後はご満悦で指揮をする。生徒に悔しい思いをさせれば生徒の才能を伸ばせると信じていた指揮者にとっては、実は思惑通りの結果になったのかも。

  • ラストはまさに執念と恩讐のかなたにある血生臭い勝利の瞬間。
    極限まで追い詰めて追い詰められて、あるか定かですらない世界の果てに、辿りついた人しか見えないものがあるんだろうな。
    緊張感がすごいね。エンドロールへの暗転の瞬間、「かっけーーーーーー!」って思わず声が出た。アドレナリン出るなあ。

  • 偉大なドラマーを目指す青年と鬼のような指揮者の物語。

    鬼指揮者の指導がゾッとするほどの手厳しさで見ていてとても辛かった。その指揮者の目に留まりたい主人公の狂気もすごかった。
    主人公の生い立ちというか家庭の環境にも、ドラムに執着する心境がある。そのあたりの心情の描き方がすごく生々しかったなぁ。
    指揮者の指導の意図はまあわかるけどもなんというか結局は自分のためなんだろう?っていうところがすごくすごく腹立たしかった。

    ラスト何分かが売り、みたいな宣伝を見たことがあったのでどうなるのかと思ったけど、期待し過ぎたか、まあ普通だなぁと。
    でも、ずっと主人公にとっての音楽は「他人から認められたい」ためのもので、指揮者にとっての音楽も「偉大な音楽家を輩出することが自身の栄誉」というところがあったものが、最後の最後のこの場面において主人公と指揮者の思いが「音楽そのもの」に向かい合い、重なり合ったような気がして、言葉じゃ表現しにくいけども「うおおおお!」って感じだった。

  • パワハラが天才ドラマーを生み出す。
    最後の反逆が全て

  • 人格否定も含む講師からのパワハラモラハラ嫌がらせ部分が多くて長くて、心が元気な時に観ないとツライ……

    最後の演奏を聴くために耐えた感じ

    最後の演奏を観て&聴いている時は何故かすごい手に汗びっしょりかいた。自分にストレスを感じさせる映画だったよう。なんでだろ

  • 誰かがオススメしてたので観てみた1本。ドラム叩けるようになりたくて一時期練習したけど続かなかった。。でも上手くできなくてもいいからスタジオとか行ってみようかな。話としては、練習生の才能を伸ばしたい鬼コーチとそれに反発しながらも実力を認めるしかない生徒の人間模様も絡めたストーリーで、冗談や遊びがない分真剣に見れました。ただ、こういう生活を今から何かを目指すとしてもできないな。。他のものは全て犠牲にしてでも、まだ評価もされていないことに足を踏み出す勇気、そういうものやそのときの気持ちは忘れずに今の暮らしを楽しんでいきたいとか思った1本でした。^^

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