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感想・レビュー・書評
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1~4巻の全巻を通して素晴らしいです。
次々に主人公ハローが変わっていくので、戸惑わされるのですが、それ故に飽きないストーリー展開となっています。登場人物それぞれの意志、行動をきちんと描き切っており、矛盾点なく回収されていく伏線は見事と言えます。また、要所で散りばめられる感動的なエピソードもとても好きでした。自分の一生をかけても終わらない懲役刑を課せられたハローとその周りの登場人物の行動や思考には考えさせられるところが多々あります。
とにかく最近読んだ中では一番の漫画でした!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4巻で完結。転生が信じられている世界で何の罪の記憶もなく前世の償いをさせられる囚人たち、というアイデアが非常によかった。その欺瞞に気づき変革を求める勢力と信仰を盾に既得権を守ろうとする体制側との攻防もとてもスリリングでいい。最後までダレることなく4巻できっちり幕を閉じていて、デビュー作とは思えないくらい水準が高い。
ただ、罪の転生というアイデアはもっともっと深められる可能性があるだけに、ちょっともったいない気もする。記憶に無い罪の償いというところをひたすら掘り進んでいけば、人間の実存を問うような展開もありえたと思う。さすがにデビュー作でそこまでは難しいだろうが、アイデアが良いだけに残念ではある。 -
神をも恐れぬオレンジマンの野望はラスボスに相応しい極悪っぷり。春が訪れることなく軍事政権に乗っ取られたエジプトか、フランス革命後のナポレオンか…。現実には革命後の混乱はなかなか厳しいものがありますが…そうならずに良い具合に民主化できたようで良かったです。フィクションの中ぐらいは弱者が報われて欲しい。
生まれ変わりという信仰を妄信せず、完全否定するわけでもないエピローグも物語の締めとして秀逸だったと思います。