ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書) [Kindle]

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  • 観念的な話としては理解できても、実際どうなの?できるの?と疑問に思うところを、日本の財政と政策に照らして具体的に議論した労作。ありうべき反論、批判を潰していく手付きも鮮やかだ。
    バラマキこそ正しい!という主張は目から鱗が落ちるけれど、現行の政策をまるごと否定するようなところもあり、官僚の抵抗は想像に難くない。相当にドラスティックなパラダイムシフトをともなうことなのだとわかる。
    これをすんなり飲めるような、さばけた国民性なら、そもそもこんな息苦しい社会にはならなかったのではないかとも思われ。

  • 「貧困とはお金がないという問題なのだから 、お金を給付すれば貧困を解消できる 。しかし 、人々の所得を把握し 、給付が人々の働くインセンティブを歪ませないようにする (正確には歪みを極力小さくする )ために 、給付の仕方に工夫がいる 。その工夫が 、すべての人々に基礎的所得 、ベ ーシック ・インカム ( B I )を与えることなのである 」

    「現行の生活保護制度の問題点は 、その給付額が十分か否かではなくて 、そこにアクセスできない 、つまりもらうべき人がもらっていないことだ 。 B Iという制度にアクセスできれば 、人々は生活費を得られ 、絶対的な貧困から脱却することができる 。 B Iの利点は 、すべての人々を貧困から救うことができるということだ 。」

    という議論。月に7万円程度のBIの財源であれば、BIに代替される雇用維持政策を廃止することでほぼ何とかなってしまう。ただし原稿の雇用維持政策は、政府が無理やり産業を作っているものであるとはいえ、それに従事している人たちは「無理やり働かされている」ではなく「苦しいながらも補助金を得て何とか頑張っている」という意識でいようから、これを切り捨てるのには大きな痛みを伴う。

    将来的には、役所の裁量を無くし、単純明快なBIによって最低限度の文化的生活を国民すべてに保障すべきだと思うが、さしあたり、給付付き税額控除の導入と、無駄な補助金の削減を並行して進めることで、漸進するほかないのではないか。

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