新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫) [Kindle]

著者 : 森見登美彦
  • KADOKAWA / 角川書店 (2015年8月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (138ページ)

新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  明治から昭和初期に書かれた日本の有名な文学作品を原作として、すべて現代の京都の大学生を主人公に翻案した作品集。文体や展開は模倣しながらも、しっかり「森見ワールド」に落とし込まれている。プロの物書きとはこういう芸当ができるものなのかと感服した。

     取り上げられた原作は以下の五作品。いずれも原作は著作権が切れて青空文庫に収録されている。最初の三作は既読だったが後の二作は未読だったので、入手して先に読んでから森見版を読んだ。ついでに既読の三作も読み直してみた。

    『山月記』中島敦・1942年
    『藪の中』芥川龍之介・1922年
    『走れメロス』太宰治・1940年
    『桜の森の満開の下』坂口安吾・1947年
    『百物語』森鴎外・1911年

     原作も森見版も、なんとなくのどかな空気が流れている。内容的には殺人事件があったり人生が破綻したりして必ずしものどかとは限らないのだが、古き良き時代のおおらかな香りが漂う印象だ。

     森見版の場合もまだ携帯やネットが普及してなかった昭和後半あるいは平成初期のイメージ。平成初期なら私自身の学生時代と重なるのだが、ダメ学生のメンタリティはだいたいこんなものだった気がする。

  • 「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」と古典文学を森見登美彦が得意とする、京都の大学生のお話に置き換えた作品。
    私は走れメロスしか読んだことがないが、ところどころだけ帳尻を合わせてあとは自由に、コミカルに書いているようだ。
    作者の得意とするところのようで大変面白かった。
    なかでも「桜の森の満開の下」の侘しさは原典も読みたくなるほど、日本的で美しかった。

  • 文章はテンポよく読めたけど、登場人物が苦手なタイプなので話には乗り切れなかった。

  • このひとの作品の9割方は京都大学でできている印象。

    関西圏で生まれ育ったものの中には、かの大学は抜き難く引力を及ぼす場合があって、その思いは、多くの場合片想いに終わる。
    端的に言えば、僕の場合片想いに終わった。

    その影響か、この本を読むと、京都大学の学生の内輪受けみたいな部分や、衒いのようなものが感じられ、ちょっといただけないぁ、という感想。

    加えて、原作の方がいいというのも、まぁ当たり前と言えば、当たり前。

  • 個人的に藪の中と桜の森の満開の下がとても好きだった。両方ともはじめはなんじゃこりゃと思わせておいて、読み進めていくうちに謎が解けていって引き込まれて共感させられて、最後はちょっと切ない。
    原典をぜひ読んでみたいと思う。

  • 各短編の主人公が他の短編に登場するところが良いです。

  • 走れメロスと山月記以外は原典読んだことがなかったが楽しめた。原典読んでみよう。

  • 原作がわからないと内容をどう変化したか森見さんの凄さがわからないと思った。
    原作読んでおけば良かった…
    内容はもとより文体の言葉遊びが好きな作品です。

  • 「走れメロス」が森見氏流に舞台を京都に変え、新釈が炸裂する。
    一行目からみごとなパクり加減に笑ってしまう。

    大学生が熱い友情をつらぬくため、”あえて守らぬ約束”をし、そのため京都の町を追手を逃れて駆け抜くさまはりっぱな「走れメロス」の世界。
    目的を果たすために走るのではなく、逃亡自体が目的の大学生。そして、森見作品にみられる麗しの乙女も加わって一筋縄ではいかない友情物語になっている。

    「四畳半」シリーズが好きな人はぜひ読むべし。元の文学作品が好きなひとにも是非。

  • 流行りのrebootだが、とても面白かった。

    森見さん自身がわ原作のエッセンスを残したという通り、世界観はかなり忠実に踏襲しつつ、味付けを大胆にした感じ。

    そのため、読後は、原作の素晴らしさを再発見できる。

    山月記、確かにいい。
    でも桜の森の満開の下、大好き。

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