誉田哲也の新作。
舞台はとあるシェアハウス、そこで毎日毎夜繰り広げられる宴の日々。
しかし、そこに住む人々は皆がワケアリで・・・。という内容。
誉田哲也作品としては、久々にどっしりと重い系統。
登場人物たちの闇の部分の描写がなんともやるせなく、読み進める毎に
切なくなる。同様に重い作品と言えば、「春を嫌いになった理由」があ
るが、あちらはドス黒くて理不尽な重さ。しかし、こちらの蓄積されて
行く重さの方が、最終的なダメージは深い。いや、決して読後感が悪い
ワケでは無いのだけど・・・。
秀逸なミステリーの要素もあるのだが、それすらが霞んでしまう程の
ヒューマンストーリーで勝負し、それでキッチリ結果を出しているのだ
から、また一つステージが上がった感。この作家、かなり高いところに
居ながら、いまだ進化の途中である。