- 本 ・電子書籍 (225ページ)
感想・レビュー・書評
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ひと昔前までは未来の話だった人工知能(AI)。それが今や普通にネット検索したらAIが考えて答えを出してくれる時代になった。そんな未来くるなんて想像できないって思ってたことが現実になっていく。未来を先回りできた企業が今日の目を見ているのかなと思った。逆に想像できるようなことでは(誰もが思いつくようなこと)では勝ち抜いていくことはできないのかもしれない。
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当たり前の事ではあるけどそれを再認識させてくれる。
誰も期待しないブルーオーシャンに真っ先に飛び込めば成功する。
それはそう。
それを天秤に掛けるだけの材料が自分にあるかを問われるところ。
まあでも人間の歴史はマクロで見ると繰り返すんだから、巨人の肩に乗って一足飛びに情報に取り付くって寸法。
それはそう。
でもこれらの事は定期的に自分の脳に表示していかないと忘れちゃうからその意味でも有用 -
本書は、早い段階(2010年)でグローバルなスマホアプリ市場の成長を確信し、(シリコンバレーではなく敢えて)シンガポールに拠点をつくり、当時「ガラクタ」同然だった Android に特化したアプリの収益支援ビジネスを立ち上げて見事成功させた著者が、テクノロジーや社会の未来の読み方を語った書。2015年発行。
著者は、テクノロジー進化やテクノロジーによる社会システムの変革には一定のパターンがあり、それを見抜いていれば、状況が変わっても未来を見通すことができる、という。
そもそも、「人は未来を見誤る」生き物なのであり、著者もこれまで新規事業を立ち上げてきた中で「自分も他人もうまくいくと考えていた事業は失敗し、自分も含め全員が半信半疑である事業は成功した」のだという。
多くの人が未来を見誤る中で、変化に先回りしてビジネスで成功している少数の人達は、テクノロジーを「点」ではなく「線」で捉えている。テクノロジーによって人間の営みは無限に拡張していくのであり、テクノロジーの進化に伴って社会は時間をかけて徐々に効率化していく(今はハブ型社会から分散型社会への移行期))。この大きなトレンドに沿って物事を「線」で考える(原理から考える)ことがビジネスの成功の(というか変化の激しいこれからの時代を生き抜くための)秘訣ということらしい。
また、著者は、こうしたテクノロジーや社会システム変革の大きな流れを踏まえた上で、人の予測は外れる前提で自分の合理的な判断を疑い、「将来的に新しい情報が得られるであろうことを考慮に入れた上で、一定の論理的な矛盾や不確実性をあえて許容しながら意思決定を行う」べきとも言っている。
興味深かったのは、「インターネットの発達は「ガイア理論」の延長であるという、興味深い説」。「俯瞰して眺めれば、それはまるで、人間やコンピュータも含めたひとつの巨大な生命体が生まれているかのように見え」、「テクノロジーが人間の機能を拡張し続けていくさまは、人類全体が、互いに共鳴しあうひとつの生命体に近づいていく過程だと捉えることもできる」という見方があるのだという、なかなか面白いと思った。
また、企業と行政のあり方について、「「貨幣」を中心とした資本主義から「価値」を中心とした社会に移行しつつあ」るため「社会的に価値のある取り組みは利益が出しやすくなって」おり、「今や、社会全体の利益(公益)と企業の利益が一致しないと、企業として成長できない時代」で、「経済的な活動には「公益性」が求められるようになり、政治的な活動にはビジネスとしての「持続可能性」が求められる」ため「経済と政治の境界線はどんどん曖昧になって」いるという。確かに、最近公益的で立派な営利企業が結構目立ってきているような気がする。今後、政治家や行政の役割はどんどん縮小していくのかもしれないな。
我々人間自身の変化についても著者は、「人間の機能を拡張するテクノロジーが最終的に行き着く先は、「どこにでも自律的に考えて行動する自分の分身」です」、「コンピュータの進化は人間そのものの再定義を進めていきます」、「テクノロジーによって、私たち人間自身もまた次の進化のプロセスに向かって動かされている」と言っている。これって人類という種にとって果たして望ましいことなのだろうか?
5年前の、ボリュームの薄い本だったが、結構考えさせられた。 -
社会の変化を一本の線として考えるための原理原則をまとめたもの
既存のシステムが今後どうなるかは、そのシステムが生まれた原理原則に立ち返り、今、今後もそれが最適解なのかを検証する思考法が有効
大きな成果を上げるために考えるべきは、今行なっていることはそもそも本当に進むべき道、やるべきことなのかを考える。今やっていることに対して懐疑的な目を持つ。
└現状を効率化し続けることは目的への近道を探すことを放棄した思考停止状態
└物事は惰性で進みがち。現状の効率化を考える前に、今も本当にやるべき価値があるのかを優先して考える癖をつける
物事がうまく行かない場合は、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていない場合がほとんど。サンプルが必要だと頭では分かりながらも感情的な理由から十分な数が集まる前に諦めてしまう。目的達成を阻んでいるのは人間の感情というフィルタの場合が多い。
未来を先回りするための近道:
将来的に新しい情報が得られるだろうことを考慮に入れた上で一定の論理的な矛盾や不確実性をあえて許容しながら意思決定を行う
環境の選び方
自分の能力が発揮しやすく、かつ将来的に拡大しやすい可能性が高い穴場を選ぶ
人間や社会を対象とする領域(人類学、経済学、政治学、法学、言語学)の実験を重視してこなかった
└だから狙い目? -
変化に合わせて対応していくリーンスタートアップもプレイヤーが増えれば競争が激化する。そこより一歩進んだ、先回りする思考が大事。点ではなくて線で考える。
テクノロジーは人類の拡張として発展する流れがある。血縁型からハブ型、さらには分散型へ。テクノロジーによって境界は溶けていく。納得感よりパターンで判断しろ。
ビットコインがはやり始めた頃の本だったか。本質的にはそこに向いている本。今だと会社もアプリも著者もあまり聞かなくなってしまった。
・テクノロジーの進化には一本の「流れ」がある
・すべてを「原理」から考えよ
・テクノロジーは人類の敵なのか
・未来に先回りする意思決定法 -
イマイチ。思考実験のようなものや、思考法に関する本だと思ったら著者のITの見解が長々と語られている。ITの見解は情報が古く、そこまで目新しいものもなかった。
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テクノロジーは人間を拡張するものであり、いずれは人間を教育するものになる。掌から始まり宇宙に広がっていく。
イノベーションを起こすために必要なのは、必要性。だからイスラエルなどの危機感を覚えている国程イノベーションが起こりやすい。
主義思想には賞味期限がある。封建社会から民主主義、資本主義へ移り変わったが、そのうち資本主義も賞味期限が切れる。
情報量と幸福度は反比例する。多くのものを知れば知るほど他人と比較して選ばなかった選択肢の方を思い後悔するようになる。スマホでSNSを通じて他人と自身を比較できるようになったことで幸福度が下がることからもたしかになと感じた。
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未来に先回りをする思考法を身につける、というよりは、未来に関する教養を身につける、といった感じです。
ロジカルシンキングで未来を言い当てることはできないといった趣旨の記述で、なるほどな、日本企業にイノベーションは生まれないよな、と思いました。面白かったですが、もう少し平易な表現で書いて欲しかったので星四つです。
著者プロフィール
佐藤航陽の作品





