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バレエダンサーになるべく、ずっと海外で暮らしてきたナオキ。美しく優雅な彼だが、ダンサーとして「決定的に足りない何か」を求めて、初めての日本へ訪れる。そこで粗削りながら魅力的なダンサー・キヨチカと出会うが、ナオキの直裁すぎる言葉は彼を苛立たせてばかり。バレエを通じ次第に親しくなっていく二人だが、ナオキの元恋人が現れ…!?
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バレエのことはよく知らないので、言葉がわからなかったり、演目の知識がないので「ふーん」程度にしか思えなかったりしたけれども、問題なく読めた。意味を知ればもっと楽しめると思うので、バレエのことを調べながら読み返してみたい。
幼い頃から両親と遠く離れたフランスでバレエ学校に入りバレリーナとなったけれども、それが自分から望んでなったことではなく、母親に敷かれたレールであること。母親から母親らしい愛情を受けた思い出もなく、父親にはろくに会ったこともないこと。そうしたことから、ただ必死にバレエに取り組むナオキには足りないものがあると、師であるオラール先生に言われ、決まっていた役を下ろされたことから、バレエ団を退団し、両親がいる日本へとやってきたナオキ。
キヨチカと出会って、また母親の鞠子と関わりを持つことで、少しずつ変わっていき、足りなかったものを手にするという話。
キヨチカは、ナオキの天然でストレートな日本語にやられっ放しで、ムッとしたり唖然としたり、イライラしたり…。かたや、ナオキは、自分の日本語がまずいのだろうなと思いつつも、どうすればいいのかわからなくて、頑張って思うことを伝えようと言葉にしたり、行動にしたりするんだけど、それがさらにキヨチカを惑わせるという…。
天然小悪魔なナオキと、ナオキにふりまわされるキヨチカを堪能した。