背中の記憶 (講談社文庫) [Kindle]

  • 講談社 (2015年7月15日発売)
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 1
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・電子書籍 (199ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小学校には神社と森があった。
    椎が植えてあり、椎の実を拾った。
    タイヤの下半分(半円)を埋め上半分が地上に出た遊び場。
    所々を玉に結んで足場になるようにして、上から吊るされた長い綱。
    綱の網。
    小学生の頃の放課後の遊び、友達の家、運動会の準備。

    飲食店を営む家の子の家に行った時、私たち子供しかいなかった。夫婦の寝室に入ってその子の母親の服を着た。
    夫婦の寝室は大人っぽくシックな部屋でベッドと大きなクローゼットがあった。
    その子が芋をレンジで温めてスーイトポテトのようにしてくれたものを食べた。
    乾燥機があった。
    その子とはよくプリを撮りに行った。家に行ったのは一度きり。

    私は男の子と遊ばなかったなぁ。
    近所の女の子と仲が良かった。

    キャンピングカーでキャンプに行く友人の話す話、スキーに行った話を聞くのが退屈だった。
    そのうちの兄が私の家の人生ゲームがやりたいから使わせて欲しいというのに、持っていくのが嫌だし、親にそのことを言うとあのうちの子はわがままだねと言われそうで、そのわがままに従ってしまう自分が嫌で貸さなかった。

    子供の頃から誘うことがほとんどなかった。
    それでもよく遊んでいた。

    興味がないことに付き合っていた。
    外遊びが好きだった。
    遊びを考える役ではなかった。
    親戚の家では落ち着かず、慣れることもなかった。

    祖母が畑で野菜を育てていたが、全く興味なく、家の周りに生える草も気にならなかった。
    家の前の駐車スペースの横に花壇と鉢があり花を育てていた。母が朝水をやっていた。

    そんなことを思い出した。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。1993年、武蔵野美術大学在学中に「アーバナート#2」でパルコ賞受賞。1999年、カリフォルニア芸術大学ファインアート科写真専攻修了。2001 年、写真集『Pastime Paradise』(マドラ出版)で第26回木村伊兵衛写真賞受賞。2010年、短編集『背中の記憶』(講談社)で第26回講談社エッセイ賞受賞。2020年、第36回写真の町東川賞国内作家賞受賞。2015年、武蔵大学人文科学研究科前期博士課程修了。主な個展に「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」(東京都写真美術館、2017年)、「知らない言葉の花の名前 記憶にない風景 わたしの指には読めない本」(横浜市民ギャラリーあざみ野、2019年)など。日常で感じる違和感を手がかりに、他者や自分との関係性を掘り下げる作品を制作する。

「2022年 『ははとははの往復書簡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長島有里枝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×