WIRED VOL.19 (GQ JAPAN 2015年12月号増刊) /特集 ことばの未来
- コンデナスト・ジャパン (2015年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌
- / ISBN・EAN: 4910153121254
感想・レビュー・書評
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今回のWIREDの特集は言葉。言葉をめぐる世界を様々な観点から取り上げている。
コンピュータが言葉をどれだけ理解できるのか。これからどれだけコンピュータの性能が上がって人間が関与しなくて100%理解できるようになるのか気になる。記事で例に上がっている「ヤバイ」と言う単語一つとっても使い方によって意味は変わる。そんな違いをどこまでコンピュータが理解できるようになるか。20年たったらその違いもすいすい理解できるようになるのだろうか。気になる。
たったひとつのことば 絶滅する「言語」と失われゆく「世界」では、少数言語に焦点を当てている。ほっとくと消滅してしまう少数言語を何とかして守ろうとしている動きを取り上げている。読んでいて驚いたのが、言葉が変われば「見方」が変わるで、「跳ねる」対象が違うと単語が変わると言う言語が紹介されている。それはオーストラリアのアボリジニが話すクンウィンク語で、オスとメスのワラビーでは違う単語を使っている。これには驚いた飛び上がりそうになった。
言葉に関する20冊の本が5人の選者によって選ばれていて、どうして選んだのか述べられている。夜が長くなっていくこれからの季節にピッタリの深いテーマだ。
驚いたと言えば次の記事にはびっくりした。それは「コンテンツ・モデレーション」だ。これはSNSであふれている「ダーク・フォース」のサイト、例えばイスラム国のような頭のおかしな集団による処刑映像、自爆テロ、動物虐待と言ったものを削除する「必殺仕事人」の事を指す。
この職に、全世界で10万人が従事していて、精神的に参ってしまいやめる人が後を絶たないと書かれている。その上、国外に仕事をアウトソーシングしていて、大半をフィリピンで行っていて、アメリカ本国で安い報酬で請け負っているとも書かれている。
この世界にも人工知能(AI)が導入されていて大いに活躍するようになるそうだ。とは言っても最終的に確認するのは人間だ。良い方に活用できるか逆の方向に活用できるか人間次第だな。
あのスター・ウォーズの最新作「フォースの覚醒」に関する記事が載っている。制作現場の舞台裏を独占公開とある。続きは読んでのお楽しみ。
次回のVOL.20では、『人工知能』と「都市」の2大特集で全240ページ。どんな内容なのか今から楽しみだ。12月1日発売。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前に読んだやつ。人工知能はいかに言語を習得するか?いやいやいやいや、めっちゃ面白かったです。
過去から学んで、今を生きて、未来を向いてる人の話を読むのはすごく面白いし、言葉なくして生きられない私たちが言葉について考えるのって本当に大事なことなんだと思います。
言葉は社会を形成するし、社会もまた言語を形成していくし、言葉の本質について、すごく考えることのできる内容でした -
人が言葉を使っているのではなく、言葉が人を使っているのかもしれない。言葉と言う概念さえも言葉を使って考えざるをえない。
円城塔
本を書くことは日本語の穴を埋める作業。日本語の表現で足りていないものを付け加える。
カズオイシグロ
私の作品は「あなたがもし同じような状況にあったら同じように感じますか?」という問いかけをする。そう問いかけることが私の仕事。
ことばの未来を考えることは
記憶、自己認識、進化、宇宙、の未来を考えること。
セルクナムー私たちは平等です、と同時に私たちは分離しています、と同じ意味
関口涼子ー日本における自由は勝手という意味だった?
閉め切って空気が悪くなった部屋に窓を開けることが他言語に触れるものにできること。どんなに偉大な作家でもことばそのものよりは貧しい。 -
ベン・ホロウィッツのインタビューが非常によかった。
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500円という値段の割りに, 文字数も多く, 読み応えあり. 一番印象に残ったのはトーマス・ミコロフの「言葉のベクトル化」の考え方. 「王様 - 男 + 女 = 女王」と言われると確かにそうなんだが, 人がそれを理解しようとすると結構文化的な素養を求められるような気がするが, 一方, 計算機でこれを処理できるということは, これを数値化できるということであり, 奥が深い.
紙の雑誌を買うと PDF 版をダウンロードできるというのも Good. -
新しい知見を探る・知るキッカケになる楽しい雑誌。値段も安く、読みやすい。
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2015/11/13 購入。今回の特集は「ことばの未来」として自然言語をめぐった記事。なんかスゴく薄くなってるけど、この雑誌ちゃんと続くのか心配。